なぜ個別最適化だけでは不十分だと考えられるようになったのか。シリーズ第5回は、総物流費(Total Logistics Cost)の成立を検証します。ルイスら1956年は、航空貨物の高い輸送費が在庫費の低減で相殺されうると示し、輸送と在庫を「総費用」で見る発想を提示しました。これが部分最適化の失敗を問題化します。確認できるのは、総物流費が新しい対象を加えたのでなく既存の対象を統合した点。拡張されたのは対象でなく最適化のスコープだった、と結論します。
部分最適化はなぜ失敗するのか Total Logistics Costの誕生
本レポートは「物流研究史から見る最適化思想の拡張」シリーズの第5回である。第2回〜第4回では、輸送経済学が輸送費を、オペレーションズ・リサーチが経路・配分を、在庫理論が在庫費用を、それぞれ個別に最適化したことを確認した。本稿は「なぜ個別最適化だけでは不十分だと考えられるようになったのか」を検証する。総物流費(Total Logistics Cost)とは何か、なぜその概念が必要とされたか、研究者は何を問題視したか、物流管理(Logistics Management)は何を最適化しようとしたか、物流研究の対象はシステム全体へ拡張されたかを、史実と文献に基づいて整理する。ただし「物流管理によってシステム全体最適化が始まった」という結論を前提にしない。文献で確認できる事実と解釈・推論を区別し、推論には [推論]…[/推論] の形式を用いる。資料が不足する箇所は「不明」「確認できない」「十分なエビデンスが見当たらない」と明記する。
目次
- 1 本レポートの対象と方法Scope and Method
- 2 分断された物流活動Fragmented Logistics Activities
- 3 物流費のトレードオフThe Trade-off among Logistics Costs
- 4 総費用概念から総物流費へFrom Total Cost Concept to Total Logistics Cost
- 5 物的流通から統合ロジスティクスへFrom Physical Distribution to Integrated Logistics
- 6 システム思考の導入The Introduction of Systems Thinking
- 7 アメリカ企業における物流部門の統合Integration of Logistics in U.S. Firms
- 8 日本における物流管理Logistics Management in Japan
- 9 輸送費・経路・在庫から総物流費へToward Total Logistics Cost
- 10 検証――四つの問いへの回答Answering the Four Questions
- 11 参考文献References
- 12 年表
- 13 用語集
- 14 Claude へのプロンプト
本レポートの対象と方法Scope and Method
本稿が検証の対象とするのは、総物流費(Total Logistics Cost)という概念がいつ・なぜ成立し、それによって物流研究の対象が個別要素から「物流システム全体」へ拡張されたと言えるか否かである。第2回〜第4回で見たとおり、輸送費・経路・在庫は、それぞれ個別の最適化対象として研究されてきた[1]。本稿は、これらを個別にではなく一体として捉える発想が、いつ・どのように現れたかを、文献に即して検証する。
本稿が最終的に答える問いは四つである。(1)総物流費は何を最適化しようとしていたのか。(2)物流管理は何を問題視していたのか。(3)物流研究の対象はシステム全体へ拡張されたのか。(4)物流研究史は最適化対象の拡張として理解できるのか。いずれも結論として前提せず、支持される/支持されない/十分なエビデンスがない、のいずれかで評価する。とりわけ、総物流費が「研究対象の拡張」だったのか、それとも「管理手法の変化」にとどまるのかを区別して検討する。
エビデンスの扱いHandling of Evidence
本稿は、査読論文、大学出版物、学術書、物流・経営の専門文献を主たる典拠とする。総費用概念の起点とされる文献(ルイスら1956年など)については、その存在と内容が二次文献によって繰り返し確認できる事項を中心に記述する。総物流費が物流研究を「システム全体の最適化」へ拡張したか否かの評価的記述は、事実と区別し推論として扱う。アメリカ・日本の企業事例については、確認できる範囲で記し、確認できない事項は「不明」とする。
分断された物流活動Fragmented Logistics Activities
本章では、総物流費の概念が必要とされた背景として、戦後企業において物流関連の活動がどのように分断されていたかを整理する。
機能別に分かれた諸活動Functionally Separated Activities
物流に関わる活動は、輸送・倉庫(保管)・購買・生産・販売など、複数の機能にまたがる。戦後の企業組織においては、これらの活動が、それぞれ別個の部門の管轄下に置かれることが一般的であったとされる。たとえば、輸送は輸送部門が、在庫・保管は倉庫部門が、調達は購買部門が、それぞれ独立に管理する。各部門は、自部門の費用や目標を基準に意思決定を行う。物的流通(physical distribution)を一つの統合された領域として論じる文献が現れる以前は、これらの活動を横断的に捉える視点は確立していなかったと、物流・SCM発展史のレビューに記述されている[3]。
[推論]物流活動が機能別の部門に分散していたという状態は、各部門がそれぞれの費用を個別に最小化する「部分最適化」を生みやすい構造であったと解釈できる。すなわち、総物流費という概念が問題にした「部分最適化」は、戦後企業の組織構造(機能別分業)に根ざしていた可能性がある。ただし、当時の企業組織の実態を本稿で網羅的に確認したわけではなく、これは二次文献の記述からの解釈である。[/推論]
物流費のトレードオフThe Trade-off among Logistics Costs
本章では、総物流費の中核をなす考え方である「物流費のトレードオフ」が、どのように生まれたかを整理する。これは、ある費用を下げると別の費用が上がるという、費用間の相反関係を指す。
輸送費と在庫費の相反Transport Cost versus Inventory Cost
物流費のトレードオフを示す代表的な例が、輸送と在庫の関係である。たとえば、まとめて大量に輸送すれば単位あたりの輸送費は下がるが、その分、一度に大量の在庫を抱えることになり、在庫保有費が増える。逆に、こまめに少量ずつ輸送すれば在庫は減るが、輸送費がかさむ。同様に、より速く確実な輸送手段(航空輸送など)は輸送費が高いが、輸送時間が短いため、出荷側・受取側の双方で在庫保有費を下げうる。このように、輸送費と在庫費は、一方を下げると他方が上がる相反関係(トレードオフ)にある。
この相反関係を明示的に論じた初期の代表的研究として、ルイス、カリトン、スティールによる1956年の『物的流通における航空貨物の役割(The Role of Air Freight in Physical Distribution)』(ハーバード大学)が、複数の二次文献に挙げられている[2][3]。この研究は、航空貨物が他の輸送手段より輸送費が高くても、その速さと信頼性によって、出荷側・受取側双方の在庫保有費を下げうることを指摘し、輸送を「輸送費のみ」ではなく「総費用」の観点から見る必要があると論じた[3]。これが、後年「総費用概念(total cost concept)」と呼ばれる考え方の初期の表現であるとされる[3]。
ルイスら(1956年)は、航空貨物という個別の主題を通じて、輸送費の増加が在庫費の減少によって相殺されうること(費用間のトレードオフ)を示し、輸送の意思決定を総費用の観点から評価すべきだと論じた。この総費用概念は、1960年代の物的流通の著作・教育の基礎となったと記述されている[3]。
サービス水準と部門間対立Service Level and Inter-departmental Conflict
物流費のトレードオフは、費用だけでなくサービス水準(納期・在庫の利用可能性など)とも関わる。在庫を減らせば在庫費は下がるが、欠品が増えてサービス水準が低下しうる。速い輸送はサービス水準を上げるが輸送費が増える。これらの相反関係は、各部門が自部門の目標を個別に追求すると、部門間の対立を生む。たとえば、輸送費の最小化を目指す部門と、欠品回避(高いサービス水準)を目指す販売部門とでは、望ましい在庫・輸送の水準が異なりうる。総費用・トレードオフの概念は、こうした部門ごとの個別最適が、企業全体としては最適でない結果(部分最適化)をもたらしうることを問題化した。
[推論]ルイスら(1956年)の議論を本シリーズの枠組みで見ると、ここで初めて、輸送費と在庫費という、これまで別個に最適化されてきた対象(第2回・第4回)が、トレードオフ関係にある一体の対象として捉えられている。すなわち、総費用概念の核心は、新しい個別対象を加えたことではなく、既存の複数の対象(輸送・在庫)を相互依存するものとして結びつけた点にあると解釈できる。これは「対象の追加」ではなく「対象間の関係の認識」という、性質の異なる変化である可能性がある。[/推論]
総費用概念から総物流費へFrom Total Cost Concept to Total Logistics Cost
本章では、総費用概念(Total Cost Concept)、総物流費(Total Logistics Cost)、物的流通管理(Physical Distribution Management)という概念が、どのように登場したかを、主要な文献に即して整理する。
総費用概念の定式化The Total Cost Concept
ルイスら(1956年)に始まる総費用の考え方は、1960年代に物的流通の研究・教育の基礎概念として定着していったとされる[3]。J. F. マギーは1960年に “The Logistics of Distribution” を Harvard Business Review に発表し、流通の物流を論じた[4]。また、ミシガン州立大学に物的流通の大学講座が、スマイカイらによる教科書(1961年)とともに、1960年前後に設けられたと記述されている[3]。これらは大学における物的流通教育の最も初期のものの一つとして言及されるが、本稿はこれを「世界初」「唯一最初」と断定できるだけの一次資料を確認していないため、最上級の表現は用いない。スマイカイ、ボワーソックス、モスマンによる『物的流通管理(Physical Distribution Management: Logistics Problems of the Firm)』(1961年)は、この領域の先駆的な学術的テキストの一つとして広く認識されている[5]。
総費用概念の要点は、物流に関わる諸費用(輸送費・在庫保有費・保管費・荷役費・発注費・情報処理費など)を個別にではなく、その合計(総物流費)として捉え、ある費用項目の削減が他の費用項目に与える影響を考慮したうえで、総額を最小化するという考え方である。総物流費は、概念的には次のように、複数の費用項目の合計として表される。
$$
\text{Total Logistics Cost} = C_{\text{輸送}} + C_{\text{在庫}} + C_{\text{保管}} + C_{\text{荷役}} + C_{\text{発注・情報}} + \cdots
$$
この合計を最小化する際に重要なのは、各項目が独立ではなく、相互にトレードオフの関係にある点である。したがって、総物流費の最小化は、個別費用の単純な合算の最小化ではなく、所与のサービス水準のもとで、相互依存する費用項目の合計を最小化する問題として定式化される。
物的流通管理という領域Physical Distribution Management
これらの概念を扱う実務・研究の領域は、物的流通管理(Physical Distribution Management)と呼ばれた。第1回・第2回で触れたとおり、アメリカでは1963年に全米物的流通管理協議会(NCPDM)が設立され、物的流通が一つの専門領域として制度化された[6]。また、P. F. ドラッカーは1962年の論考で、流通を経済における未開拓の領域(コストの所在)として位置づけ、この領域への関心を促したとされる[7]。
[推論]総費用概念・総物流費・物的流通管理の登場は、物流に関わる諸活動を一つの費用体系として束ねて捉える枠組みの成立を示す。この枠組みは、輸送・在庫といった個別対象(第2回・第4回)を、相互依存する一体のシステムとして扱う点で、それまでの個別最適化と異なる。ただし、これが「新しい最適化対象(物流システム)の発見」なのか、「既存の対象を統合的に扱う管理・分析の枠組みの変化」なのかは、解釈の分かれるところである。総物流費は、物理的に新しい対象を加えたのではなく、既存の費用を合計して扱う点で、後者(枠組みの変化)の性格が強いとも解釈できる。[/推論]
物的流通から統合ロジスティクスへFrom Physical Distribution to Integrated Logistics
本章では、物的流通(Physical Distribution)、ビジネス・ロジスティクス(Business Logistics)、統合ロジスティクス(Integrated Logistics)という概念が、どのように登場し、対象範囲をどう広げたかを整理する。
用語の展開The Evolution of Terms
物流を指す用語は、研究史のなかで指す範囲を変えてきた。当初の「物的流通(physical distribution)」は、主として製品が生産された後の、顧客への配送・保管に関わる活動を指した。その後、「ビジネス・ロジスティクス(business logistics)」あるいは「ロジスティクス(logistics)」という用語が用いられるようになり、製品の配送(物的流通)に加えて、原材料の調達側の物流(materials management)を含む、より広い範囲を指すようになったとされる[8]。1973年に刊行された Heskett, Glaskowsky, Ivie による “Business Logistics” は、この領域の代表的な教科書として参照される[8]。
さらに後年には、「統合ロジスティクス(integrated logistics)」という概念のもとで、物的流通(顧客側)・製造支援・調達(供給者側)を一体のシステムとして統合的に捉える枠組みが提示された。ボワーソックスらの著作は、物的流通・製造支援・資材調達のシステム統合(systems integration)という観点から、総合的なロジスティクス管理(total logistics management)を論じている[9]。
| 用語 | 主たる対象範囲 | 代表的文献の例 |
|---|---|---|
| 物的流通 (Physical Distribution) |
生産後の配送・保管(顧客側) | Smykay, Bowersox & Mossman 1961 |
| ビジネス・ロジスティクス (Business Logistics) |
配送+調達側物流(資材管理) | Heskett, Glaskowsky & Ivie 1973 |
| 統合ロジスティクス (Integrated Logistics) |
調達・製造支援・物的流通の統合 | Bowersox & Closs ほか |
上の表は理解の便のために用語を範囲の広さで並べたものであり、これらの用語が時系列に沿って一直線に置き換わってきたことを意味しない。実際には、物的流通(physical distribution)、資材管理(materials management)、ビジネス・ロジスティクス、統合ロジスティクス、そして後のサプライチェーン・マネジメントは、時期的に重なり合いながら、また論者によって異なる範囲で用いられながら発展した。ある用語が現れた後も、別の用語が並行して使われ続けた。したがって、この表は「対象範囲の広がりの段階的な整理」であって、「用語が順番に進化した年表」ではない。
[推論]物的流通からビジネス・ロジスティクス、統合ロジスティクスへの用語の展開は、物流研究が扱う範囲(システム境界)が、顧客側の配送から、調達・製造支援を含む企業内の物の流れ全体へと広がった過程と解釈できる。これは、本シリーズの仮説でいう「システム境界の拡張」に対応する材料となりうる。ただし、これらの用語の範囲は文献・時代によって一定せず、明確な段階的拡張として整理できるかは、慎重を要する。用語の変化が、対象範囲の実質的な拡張を伴ったのか、同じ対象の呼称の変化にとどまるのかは、文献ごとに確認する必要がある。[/推論]
システム思考の導入The Introduction of Systems Thinking
本章では、システム・アプローチ(Systems Approach)やシステム理論(Systems Theory)が、物流研究にどのように導入されたかを整理する。
システム・アプローチと物流The Systems Approach and Logistics
総費用概念は、システム思考(systems thinking)と密接に結びついている。システム・アプローチとは、対象を個別の要素の集まりとしてではなく、相互に関連する要素からなる一つのシステムとして捉え、システム全体の目的に照らして各要素を評価する考え方である。物流においては、輸送・在庫・保管・荷役などを個別に最適化するのではなく、それらを相互依存する一つのシステムとみなし、システム全体の費用(総物流費)とサービス水準を評価する、という形で導入された。前章で見たボワーソックスらの「システム統合(systems integration)」の枠組みは、この考え方を物流に適用したものと位置づけられる[9]。
物流システム設計・物流ネットワーク設計は、このシステム・アプローチに基づき、倉庫・配送拠点の配置、各拠点間の輸送、在庫の配置などを、システム全体の総費用を最小化するように決定する問題として扱われる。これは、第3回で見たORの最適化手法(施設配置・ネットワーク最適化など)とも接続する。
[推論]システム・アプローチの導入は、物流研究において、最適化の単位が「個別活動」から「システム全体」へと移ったことを示すと解釈できる。これは本シリーズの仮説を支持する材料となりうる。ただし注意すべきは、システム・アプローチは物流に固有の発見ではなく、同時代に広く展開した一般システム理論(general systems theory)などの思潮の、物流への応用であった可能性がある点である。すなわち、物流研究が独自にシステム思考へ到達したのか、外部の思潮を取り入れたのかは、本稿の範囲では判別できない。[/推論]
アメリカ企業における物流部門の統合Integration of Logistics in U.S. Firms
本章では、戦後アメリカ企業において、分断されていた物流活動が統合されていった過程を、確認できる範囲で整理する。
組織統合の動きOrganizational Integration
総費用概念・システム・アプローチの登場は、企業組織における物流部門の統合とも関わるとされる。物流活動を機能別の各部門に分散させたままでは、部門ごとの個別最適が総物流費の最小化を妨げうる。そのため、輸送・在庫・保管などの物流活動を、一つの物流管理組織のもとに統合する動きが現れたと、物流管理の文献に記述されている[9]。物的流通管理が一つの専門領域・職能として認知されていったこと(NCPDMの設立など)は、この組織的な統合の動きと並行していたと位置づけられる[6]。
ただし、こうした統合が、いつ・どの企業で・どの程度進んだかについての体系的・定量的な記述は、本稿が参照しえた資料の範囲では十分に確認できなかった。物流部門統合の一般的な動きが文献に記述されている一方で、個別企業の具体的な統合事例を網羅的に確認することは、本稿の範囲では難しい。したがって、アメリカ企業における物流部門統合の全体像(時期・範囲・代表的事例)については、「十分なエビデンスが見当たらない」とせざるをえない部分がある。
[推論]総費用概念(研究上の枠組み)と物流部門統合(組織上の動き)は、相互に関連していたと考えられる。研究が部分最適化の問題を指摘し、組織がそれに対応して統合を進めた、という関係が想定されるが、両者の因果関係(どちらが先か、どの程度影響し合ったか)を本稿の資料から確定することはできない。研究と実務の相互作用の詳細は不明である。[/推論]
日本における物流管理Logistics Management in Japan
本章では、日本における物流管理論、物流合理化、物流システム化の展開を、確認できる範囲で整理し、アメリカとの違いが確認できる場合はそれを記す。
「物流」概念の導入The Introduction of “Butsuryu”
日本においては、戦後、アメリカの物的流通(physical distribution)の概念が導入され、「物的流通」さらに略して「物流」という用語が用いられるようになったとされる。日本における物流の合理化・システム化は、高度経済成長期以降、流通の効率化の課題として論じられた。ただし、日本における物流管理論の成立過程、物流合理化・物流システム化の具体的な展開、およびそれがアメリカの物的流通管理とどの点で異なったかについて、本稿が参照しえた一次・二次資料の範囲では、体系的に整理された記述を十分に確認できなかった。
したがって、日本の物流管理論の展開とアメリカとの異同については、本稿では確定的な記述を控え、「十分なエビデンスが見当たらない」とする。アメリカで総費用概念・システム・アプローチが展開したことは確認できるが、日本における対応する展開を、同等の精度で比較できるだけの資料を本稿は確認できていない。
日本の物流管理論・物流合理化・物流システム化に関しては、専門的な日本語文献が存在する可能性が高いが、本稿の調査範囲ではそれらを十分に確認・参照できなかった。したがって本章の記述は限定的であり、日米比較は行わない。これは資料の不足によるものであり、日本における展開の不在を意味しない。
輸送費・経路・在庫から総物流費へToward Total Logistics Cost
本章では、本シリーズが検討してきた「輸送費 → 経路 → 在庫 → 総物流費」という流れを整理し、物流研究の対象がシステム全体へ拡張されたと言えるかを検証する。
四つの対象の関係The Relation among the Objects
第2回〜第5回で見た対象を対照すると、次のように整理できる。輸送経済学は輸送費を、ORは経路・配分を、在庫理論は在庫費用を、それぞれ個別に最適化した。総物流費は、これらを個別にではなく、相互依存する一つの費用体系として束ね、その合計を(サービス水準のもとで)最小化しようとした。すなわち、総物流費は、新たな個別対象を加えたというより、既存の複数の対象を統合する枠組みである。
| 研究系統 | 最適化の対象 | 最適化の単位 |
|---|---|---|
| 輸送経済学(第2回) | 輸送費・運賃 | 個別活動(輸送) |
| OR(第3回) | 経路・配分 | 個別問題(経路等) |
| 在庫理論(第4回) | 在庫費用 | 個別活動(在庫) |
| 総物流費(第5回) | 諸費用の合計 | システム全体 |
[推論]この対照は、総物流費が、最適化の「単位」を個別活動からシステム全体へ移したことを示唆する。これは「最適化対象の拡張」というより、「最適化の単位(スコープ)の拡張」と表現するほうが正確かもしれない。総物流費が扱う費用項目(輸送・在庫・保管など)は、それ以前から個別に研究されていた対象であり、総物流費はそれらに新しい対象を加えたのではなく、それらを統合する視点を加えた。すなわち、変化したのは「何を最適化するか(対象)」よりも「どの範囲で最適化するか(単位・スコープ)」であった可能性がある。[/推論]
検証――四つの問いへの回答Answering the Four Questions
本章では、本稿が掲げた四つの問いに、支持される/支持されない/十分なエビデンスがない、のいずれかで答える。
総物流費は何を最適化しようとしたのかWhat Did Total Logistics Cost Optimize?
この問いには、明確に支持される回答がある。総物流費が最適化しようとした対象は、所与のサービス水準のもとでの、相互依存する物流諸費用(輸送・在庫・保管・荷役・発注など)の合計である[3][5]。その核心は、費用項目間のトレードオフを考慮し、個別費用ではなく総額を最小化する点にある。これは複数の文献によって確認できる。
物流管理は何を問題視していたのかWhat Did Logistics Management Problematize?
この問いにも支持される回答がある。物流管理が問題視したのは、各活動・各部門の個別最適化(部分最適化)が、企業全体としての最適をもたらさないことである[3]。輸送費の最小化が在庫費の増大を招くといったトレードオフの存在ゆえに、個別の費用を別々に最小化すると総物流費が最小化されない。この「部分最適化の失敗」が、総費用概念・物流管理が問題化した中心であったことは、文献から確認できる。
物流研究の対象はシステム全体へ拡張されたのかWas the Object Expanded to the Whole System?
この問いについては、部分的に支持されるが、解釈に注意を要する。総費用概念・システム・アプローチの導入によって、物流研究が、個別活動ではなくシステム全体を評価の単位とするようになったことは確認できる[3][9]。この限りで「システム全体への拡張」は支持される。ただし、前章で述べたとおり、これは「新しい最適化対象を加えた」というより「既存の対象を統合し、最適化の単位を広げた」という性格が強い。すなわち、拡張されたのは対象の種類ではなく、最適化のスコープであった。この区別を踏まえれば、「対象がシステム全体へ拡張された」という命題は、スコープの拡張としては支持されるが、新しい対象の追加としては支持されない。
物流研究史は最適化対象の拡張として理解できるのかExpansion of the Optimization Object?
この問いについては、支持される部分と支持されない部分があり、全体としては十分なエビデンスがない。支持される部分は、輸送費・経路・在庫という個別対象が研究され、それらを統合する総物流費の枠組みが後に成立した、という展開が確認できる点である。支持されない部分は、この展開を「対象が単純に追加・拡張されてきた」とする見方である。総物流費は新しい対象の追加ではなく既存対象の統合であり、また第4回で見たとおり在庫の数理研究は輸送のOR研究より古いなど、対象は単線的な順序で拡張したのではない。十分なエビデンスがない部分は、物流研究全体のなかで各段階がどの比重を占め、どう影響し合ったかを定量的に示す資料が確認できない点である。したがって「最適化対象の拡張史」という枠組みは、最適化のスコープが個別からシステムへ広がったという限りで部分的に成り立つが、対象が単線的・累積的に追加された歴史としては支持されない。
[推論]本稿の検討範囲からは、総物流費の成立は、本シリーズの仮説にとって両義的である。一方で、それは最適化の単位を個別活動からシステム全体へ広げた点で「拡張」の側面を持つ。他方で、それは新しい対象を加えたのではなく既存の対象(輸送・在庫など)を統合した点で、「対象の拡張」とは異なる「対象間の関係の認識・統合」という性格を持つ。したがって、第1回の「輸送費 → 経路 → 在庫 → 総物流費」という図式は、最適化のスコープの拡大としては有効だが、これを「最適化対象が一直線に追加されてきた歴史」と読むと、総物流費の統合的な性格を取りこぼす。物流研究史は、対象の累積的追加というより、個別対象の研究と、それらを統合する枠組みの形成とが、並行して進んだ歴史として理解するほうが、確認できる事実と整合的である。この整理自体が一つの解釈であり、より網羅的な文献調査によって修正されうる。[/推論]
参考文献References
- [1] 本シリーズ第2回〜第4回(輸送経済学・OR・在庫理論が扱った個別の最適化対象に関する整理)。
- [2] Lewis, H. T., Culliton, J. W. & Steele, J. D. The Role of Air Freight in Physical Distribution. Division of Research, Graduate School of Business Administration, Harvard University, 1956.(総費用概念の初期の代表的研究。輸送費と在庫費のトレードオフ)
- [3] Ballou, R. H. “The Evolution and Future of Logistics and Supply Chain Management.” European Business Review, Vol. 19, No. 4, 2007, pp. 332–348.(ルイスら1956年の総費用概念、1960年前後のミシガン州立大学における物的流通教育、Smykayらの先駆的教科書、総費用概念が1960年代の著作・教育の基礎となったことに関する物流・SCM発展史のレビュー。同主旨の整理は Figueiredo, K. F. & Arkader, R. “De la distribución física al supply chain management” 等の発展史レビューにも見られる)
- [4] Magee, J. F. “The Logistics of Distribution.” Harvard Business Review, Vol. 38, No. 4, 1960, pp. 89–101.
- [5] Smykay, E. W., Bowersox, D. J. & Mossman, F. H. Physical Distribution Management: Logistics Problems of the Firm. Macmillan, 1961.(物的流通管理の先駆的な学術的テキストの一つとして広く認識される。後の改訂版 Bowersox, Smykay & LaLonde, Physical Distribution Management, Macmillan, 1968 がある)
- [6] Council of Supply Chain Management Professionals (CSCMP). 組織沿革(NCPDM, 1963年設立、後にCSCMPへ改称). https://cscmp.org/
- [7] Drucker, P. F. “The Economy’s Dark Continent.” Fortune, Vol. 65, No. 4, April 1962, pp. 265–270.
- [8] Heskett, J. L., Glaskowsky, N. A. & Ivie, R. M. Business Logistics: Physical Distribution and Materials Management. Ronald Press, 1973.
- [9] Bowersox, D. J. & Closs, D. J. Logistical Management: The Integrated Supply Chain Process. McGraw-Hill, 1996.(物的流通・製造支援・調達のシステム統合による総合的ロジスティクス管理。初期の Bowersox, Closs & Helferich, Logistical Management, 1974 ほかの系譜を含む)
本レポートは「物流研究史から見る最適化思想の拡張」シリーズ第5回として、総物流費(Total Logistics Cost)の概念がいつ・なぜ成立し、それによって物流研究の対象がシステム全体へ拡張されたと言えるかを、既存の研究文献(総費用概念・物的流通管理・統合ロジスティクスに関する文献)に基づいて整理した調査レポートである。歴史的経緯および各概念の登場は、二次文献によって確認できる範囲で記述し、評価的記述は推論として明示した。アメリカ企業の物流部門統合の全体像や日本の物流管理論の展開など、十分なエビデンスを確認できない事項は「不明」「十分なエビデンスが見当たらない」と記した。本レポートは提言・ビジネス指南・将来予測を含まない。第1回で提示した「最適化対象の拡張」という枠組みは、本稿では検証対象として扱い、結論において、総物流費が「対象の拡張」だったのか「最適化のスコープ(単位)の拡張・統合」だったのかを区別し、支持される部分・支持されない部分・十分なエビデンスがない部分に分けて整理した。
年表
- 戦後(1940〜50年代) — アメリカ企業で物流関連活動が輸送・倉庫・購買・生産・販売の各部門に分散。部門ごとの個別最適化が生じやすい構造
- 1956年 — ルイス、カリトン、スティール『物的流通における航空貨物の役割』(ハーバード大学)。航空貨物の高い輸送費が在庫費の低減で相殺されうると示し、総費用の観点を提示
- 1957年 — 同書の書評・紹介がJournal of Marketing等に掲載され、総費用概念が広まる契機に
- 1960年 — J. F. マギー “The Logistics of Distribution” を Harvard Business Review に発表
- 1960年前後 — ミシガン州立大学に物的流通の大学講座が設けられる(最も初期のものの一つ)
- 1961年 — スマイカイ、ボワーソックス、モスマン『物的流通管理(Physical Distribution Management)』。物的流通管理の先駆的な学術的テキストの一つ
- 1962年 — P. F. ドラッカーが “The Economy’s Dark Continent”(Fortune)で流通を経済の暗黒大陸=未開拓のコスト領域と位置づける
- 1960年代 — 総費用概念が物的流通の研究・教育の基礎概念として定着
- 1963年 — 全米物的流通管理協議会(NCPDM)設立。物的流通が専門領域として制度化
- 1960年代 — システム・アプローチ(一般システム理論・システム分析の影響)が物流に導入される
- 1968年 — ボワーソックス、スマイカイ、ラロンドによる改訂版『物的流通管理』
- 1973年 — Heskett, Glaskowsky, Ivie『Business Logistics』。配送に加え調達側物流(資材管理)を含むより広い範囲へ
- 1970年代 — 「ロジスティクス」概念のもとで、物的流通(顧客側)と資材管理(調達側)を包含する範囲へ拡大
- 1974年 — ボワーソックスらが『Logistical Management』を刊行(システム統合の枠組み)
- 1980年代 — 物的流通・製造支援・調達を一体とする「統合ロジスティクス(integrated logistics)」の枠組みが展開
- 1985年 — マイケル・ポーターが価値連鎖(value chain)を提示し、ロジスティクスを企業活動の連鎖の一部として位置づける(関連潮流)
- 1990年代 — NCPDMがCSCMP系の名称へ改称。物流管理がサプライチェーン管理へ接続
- 1996年 — ボワーソックス&クロス『Logistical Management: The Integrated Supply Chain Process』。物的流通・製造支援・調達のシステム統合
- 継続 — 物流ネットワーク設計・施設配置が、システム全体の総費用を最小化する問題として扱われ、ORの最適化手法と接続
- シリーズ整理 — 総物流費は新しい対象の追加でなく既存対象の統合であり、拡張されたのは対象でなく最適化のスコープ。単線的拡張史としては支持されない
用語集
形式:英語, 用語,(用語が英語と異なる場合), 正式名称(用語と異なる場合), 略称(と異なる場合):解説
総費用・トレードオフの概念
- Total Logistics Cost, 総物流費, TLC:物流に関わる諸費用(輸送・在庫・保管・荷役・発注など)の合計。個別費用ではなくこの合計を最小化することを目指す概念。
- Total Cost Concept, 総費用概念:物流諸費用を個別にではなく合計として捉え、ある費用の削減が他の費用に与える影響を考慮して総額を最小化する考え方。
- Total Distribution Cost, 総流通費:物的流通に関わる諸費用の合計。総物流費とほぼ同義に用いられることがある。
- Trade-off, トレードオフ, Cost Trade-off:ある費用を下げると別の費用が上がるという、費用間の相反関係。輸送費と在庫費の関係が代表例。
- Service Level, サービス水準, Customer Service Level:納期・在庫の利用可能性など、顧客に提供するサービスの水準。総物流費はこの水準を所与として最小化される。
- Functional Silo, 機能別サイロ:各機能・各部門が縦割りで分断され、横断的な最適化が妨げられる状態。部分最適化の温床とされる。
領域・概念の展開
- Physical Distribution Management, 物的流通管理, PDM:物的流通の諸活動を一体の領域として管理する実務・研究の領域。
- Integrated Logistics, 統合ロジスティクス:物的流通(顧客側)・製造支援・調達(供給者側)を一体のシステムとして統合的に捉える枠組み。
- Logistics Management, ロジスティクス管理, 物流管理:物流諸活動を統合的に計画・管理する領域。
- Systems Approach, システム・アプローチ:対象を相互に関連する要素からなる一つのシステムとして捉え、システム全体の目的に照らして各要素を評価する考え方。
- Systems Integration, システム統合:物的流通・製造支援・調達などの諸機能を一体のシステムとして統合すること。
- Materials Procurement, 資材調達:原材料・部品の調達に関わる物流。統合ロジスティクスが包含する供給者側の活動。
- Manufacturing Support, 製造支援:生産活動を支える物流。統合ロジスティクスの構成要素の一つ。
- Distribution Center, 物流センター, 配送センター, DC:在庫の保管と配送の拠点。物流ネットワーク設計における配置の対象。
主要文献・人物
- The Role of Air Freight in Physical Distribution, 物的流通における航空貨物の役割:ルイスらによる1956年のハーバード大学の研究。総費用概念の初期の代表的研究。
- Howard T. Lewis, ルイス, ハワード・T・ルイス:1956年の航空貨物研究の筆頭著者。
- James W. Culliton, カリトン, ジェームズ・W・カリトン:同研究の共著者。
- Jack D. Steele, スティール, ジャック・D・スティール:同研究の共著者(事例研究を担当)。
- John F. Magee, マギー, ジョン・F・マギー:1960年に “The Logistics of Distribution”(HBR)を著した。
- Edward W. Smykay, スマイカイ, エドワード・W・スマイカイ:1961年の『物的流通管理』の共著者。
- Donald J. Bowersox, ボワーソックス, ドナルド・J・ボワーソックス:物的流通・統合ロジスティクスの主要研究者。「サプライチェーンの祖父」と称される。
- Frank H. Mossman, モスマン, フランク・H・モスマン:1961年版『物的流通管理』の共著者。
- Bernard J. LaLonde, ラロンド, バーナード・J・ラロンド:1968年改訂版『物的流通管理』の共著者。
- Logistical Management, ロジスティカル・マネジメント:ボワーソックスらの著作。システム統合による総合的ロジスティクス管理を論じる。
Claude へのプロンプト
第5回はシリーズ全体の「中核」です。
第2回〜第4回までは、
輸送費
経路
在庫
という個別対象の最適化でした。
しかし第5回では、
なぜ個別最適化だけでは不十分だと考えられるようになったのか
を扱います。
ここで初めて「物流システム全体」という発想が登場します。
したがって第5回の中心テーマは、
Total Logistics Cost(総物流費)
であり、
物流研究はいつ、なぜ、個別要素ではなくシステム全体を最適化する学問へ変化したのか
を検証する回になります。
Claudeには次のように指示するとよいでしょう。
あなたは物流史・経営史・経済史・オペレーションズリサーチ史を専門とする研究者です。
以下の条件を厳格に守りながら記事を執筆してください。
【記事タイトル】
部分最適化はなぜ失敗するのか ― Total Logistics Costの誕生
【この記事の目的】
本記事は物流研究史を扱う連載の第5回である。
前回までに、
・輸送経済学が輸送費を研究対象としていたこと
・オペレーションズ・リサーチが経路や配分を最適化したこと
・在庫理論が在庫コストを最適化したこと
を確認した。
本記事では、
「なぜ個別最適化だけでは不十分だと考えられるようになったのか」
という問いを検証する。
特に、
・Total Logistics Costとは何か
・なぜその概念が必要になったのか
・研究者たちは何を問題視したのか
・物流管理(Logistics Management)は何を最適化しようとしたのか
・物流研究の対象はシステム全体へ拡張されたのか
を明らかにする。
なお、
「物流管理によってシステム全体最適化が始まった」
という結論を前提にしてはならない。
史実と文献に基づいて検証すること。
【最重要ルール】
事実と推論を厳密に分離すること。
事実として確認できる内容のみ本文として記述する。
解釈や推測を行う場合は必ず以下の形式を使うこと。
[推論]
ここに推論を書く
[/推論]
推論を事実として記述してはならない。
エビデンスが存在しない場合は必ず
「不明」
「確認できない」
「十分なエビデンスが見当たらない」
と記載すること。
事実と推論を分離できない場合は執筆を中止し、その理由を説明すること。
【出力形式】
HTML形式。
使用できる見出しは
のみ。
番号付き見出しは禁止。
目次は禁止。
【調査対象】
以下を調査すること。
・輸送部門
・倉庫部門
・購買部門
・生産部門
・販売部門
戦後企業において物流関連活動がどのように分断されていたのか説明すること。
以下を調査すること。
・輸送費削減と在庫増加
・大量輸送と保管費用
・サービス水準との関係
・部門間対立
特に
物流費のトレードオフ
という考え方がどのように生まれたのか説明すること。
以下を調査すること。
・Total Cost Concept
・Total Logistics Cost
・Physical Distribution Management
主要研究者や代表的文献を確認すること。
以下を調査すること。
・Physical Distribution
・Business Logistics
・Integrated Logistics
それぞれの概念がどのように登場したのか整理すること。
以下を調査すること。
・Systems Approach
・Systems Theory
・物流システム設計
・物流ネットワーク設計
物流研究におけるシステム思考の導入過程を整理すること。
以下を調査すること。
・戦後アメリカ企業
・物流部門統合
・物流管理組織
可能な限り具体的事例を用いて説明すること。
以下を調査すること。
・日本における物流管理論
・物流合理化
・物流システム化
アメリカとの違いが確認できる場合は説明すること。
以下を整理すること。
輸送費
↓
経路
↓
在庫
↓
総物流費
という流れを検討し、
物流研究の対象がシステム全体へ拡張されたと言えるのか
を検証すること。
【結論で必ず答えること】
以下の問いに答えること。
「Total Logistics Costは何を最適化しようとしていたのか」
「物流管理は何を問題視していたのか」
「物流研究の対象はシステム全体へ拡張されたのか」
「物流研究史は最適化対象の拡張として理解できるのか」
結論は
・支持される
・支持されない
・十分なエビデンスがない
のいずれかで評価すること。
【参考文献ルール】
本文中に引用番号を付与すること。
例:
〇〇である[1]
記事末尾に
を設けること。
参考文献は番号付きで列挙すること。
可能な限り以下を優先すること。
・査読付き論文
・大学出版物
・学術書
・学会誌
・政府機関資料
・国際機関資料
・専門団体資料
一般ブログは使用しないこと。
【文体】
研究レビュー形式。
断定はエビデンスがある場合のみ。
煽り表現禁止。
ビジネス指南禁止。
未来予測禁止。
提言禁止。
歴史的事実と研究成果の整理に徹すること。
第5回はシリーズの転換点であり、
第2回:輸送費
第3回:経路
第4回:在庫
第5回:物流システム全体
という形で、「最適化対象の拡張」という仮説がかなり強く見えてくる構成になります。
そのため第5回の結論では、「総物流費」という概念が本当に研究対象の拡張だったのか、それとも単なる管理手法の変化だったのかを厳密に検証させるのが重要です。










