内航海運を「船会社」ではなく「船舶という輸送装置」として分析しました。船舶5,055隻・435万総トンで年1,800億トンキロ、鉄鋼の6割・石油とセメントの9割を輸送。荷主-元請オペレーター-2次3次オペレーター-オーナーという多層構造、一杯船主60%超、中小企業99.6%という産業構造も定量的に整理しています。

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日本の内航海運市場の規模と構成

内航海運は、国内貨物輸送量に占める重量ベース(トンベース)のシェアでは約7%にすぎませんが、輸送活動量(トンキロベース)では約40〜44%に達し、国内貨物輸送の基幹的な役割を担っています[1][2]。2023年度の平均輸送距離は506kmで、自動車の約8倍です[1]。平成22年度以降、輸送トンキロベースで約1,800億トンキロ前後、輸送トン数ベースで約3.7億トン前後とおおむね横ばいで推移していますが、産業基礎物資輸送が輸送需要の大宗を占めることから、内航貨物全体の輸送量はピーク時に比べ27%(輸送トンキロベース)減少しています[2][3]。

日本内航海運組合総連合会によれば、主要58社の2024年(暦年)の内航貨物船輸送量は前年比2.8%減の1億9,832万トン、油送船(タンカー)輸送量は前年比4.1%減の9,995万トンでした[4]。内航海運は、鉄鋼輸送の約6割、石油・セメント輸送の約9割を担っており、産業基礎物資輸送全体の約8割を占めています[3][5]。品目別では、セメントの輸送量は概ね200億トンキロ前後で推移し、80%以上を内航海運が輸送しています。金属(鉄鋼等)の輸送量は概ね350〜400億トンキロで推移し、50%以上を内航海運が担っています[6]。

内航船舶は、令和6年3月31日現在で5,055隻・435万74総トンです(別時点の統計では2025年3月31日現在5,146隻・449万6,584総トンとする資料もあり、調査時点により数値が異なります)[7]。船種別では、その他貨物船(一般貨物船等)が隻数比70%・総トン数比58%、油送船が隻数比19%・総トン数比24%を占めます[7]。内航海運業者数・船舶隻数はともに10年間で減少傾向にあり、特に船主(オーナー)は約26%減少していますが、1隻あたりの平均総トン数は増加しており、船舶の大型化が進んでいます[8][9]。

産業構造 ― 荷主・オペレーター・オーナーの重層構造

内航海運の市場構造は、荷主企業・オペレーター・オーナーの専属化・系列化が進んだ寡占的構造です[9][10]。事業者の99.6〜99.7%は中小企業であり、事業基盤は脆弱とされています[9][10]。

取引構造は、船舶を所有する「オーナー(船主)」と、荷主と運送契約を結び船舶を運航する「オペレーター」に大別されます[11][12]。オーナーは自ら船員を配乗して運航する「自営」のほか、船舶をオペレーターに貸し渡す「用船」(定期用船・裸用船・運航委託の3形態)という運用形態を取ります[12]。歴史的には、船腹調整事業(スクラップ・アンド・ビルド)を経て、荷主と直接契約する「元請オペレーター」と、輸送需要の変動に対応する「2次・3次オペレーター」に再編が進み、これらのオペレーターと定期用船契約等を結ぶ多数のオーナーが存在するという多層構造(いわゆる「ピラミッド構造」)が形成されました[13]。オーナーの中でも保有隻数1隻のいわゆる「一杯船主」の割合が60%以上を占めており、事業規模が小さい零細事業者が多数を占める構造です[9]。

近年は、オーナーが船舶管理を専門の「船舶管理会社」に委託する動きが進んでいます。船舶管理会社は、船員の配乗(雇用)、船舶の点検・整備、運航等をオーナーに代わって行い、管理料・裸用船料等の名目で収益を得ます[12]。船舶管理会社の活用理由としては「業務効率化」「船員確保」「質の高い管理を受けるため」との回答が全体の7割を超えており、事業基盤の弱い中小オーナーにとって重要な補完機能となっています[10]。ただし船舶管理会社は法的な位置づけが定まっておらず、事業者としての信頼性評価の仕組みが課題とされています[10][13]。

荷主については、鉄鋼・石油・セメント等の大手素材メーカーが中心であり、荷主企業系列の内航海運業者(インハウス・キャリア)も多く存在します。港湾運営者・港湾荷役事業者は、後述する船種ごとの荷役方式(セルフ・アンローダー、RORO方式等)に対応した専門設備を運営しています。

輸送装置 ― 船舶1隻の分析

内航船舶の総量は、令和6年3月31日現在で5,055隻・435万74総トンです[7]。船型別構成を登録船(100総トン以上)で見ると、隻数比で499総トン以下が62.1%、1,000総トン以上が18.3%を占めます。船型の大型化が年々進み、内航船舶全体の平均総トン数は10年前に比べ大きく増加しています[7]。船齢別では、7年未満が隻数比16.7%・総トン数比26.8%である一方、14年以上の老齢船は隻数比66.3%・総トン数比44.8%を占めます。船齢別の平均船型を見ると、1〜14年未満の船舶は平均1,000総トンを超えるのに対し、14年以上の老齢船は582総トンにとどまり、小型船ほど老齢化が進んでいることが分かります[7]。

平均総トン数は船種によって大きく異なり、自動車専用船が3,658総トンと最も大きく、セメント専用船2,908総トン、油送船1,162総トン、その他貨物船715総トンと続きます[7]。新造船の年間建造隻数は、バブル期(平成元〜8年度)には毎年200隻を超えていましたが、直近10年間は概ね70〜90隻程度で推移しています[9]。

1隻あたりの年間航海回数・年間輸送量・年間トンキロ・年間営業収益について、モード横断で比較可能な形で公式統計として直接集計された数値は「不明」です。総輸送トンキロ(約1,800億トンキロ)を保有隻数(約5,000隻)で単純に除して概算することは可能ですが、船種ごとの積載能力・稼働率航路長が大きく異なるため、正確性を優先し、ここでは推定値を示しません。

船種構成 ― 船種ごとの役割

内航海運の船種は、輸送する貨物・荷役方式に応じて大きく分化しています。以下、代表的な船種を整理します。

一般貨物船(その他貨物船)は、内航貨物船の標準的な船型で、鉄鋼製品をはじめ多様な貨物に対応する汎用性のある構造を持ちます。鉄鋼輸送では、荷傷み防止と積み付け効率のため、船艙内を総板張りにしている船が多く見られます[14]。隻数比・総トン数比ともに全内航船舶の中で最大の構成比(隻数比70%・総トン数比58%)を占めます[7]。

油送船(タンカー)は、重油を輸送する「黒油船(ダーティ・タンカー)」と、ガソリン・ナフサ・灯油・軽油等を輸送する「白油船(クリーン・タンカー)」に分かれます。黒油船はタンク内が鉄板の地のままである一方、白油船はタンク内がコーティングされている点が構造上の違いです[14]。隻数は減少傾向にあるものの総トン数は増加しており、大型化が進んでいます[6]。

RORO船・フェリーは、自走でトレーラー等を積み下ろしする荷役方式で定期航路に就航し、新聞用巻取紙・生鮮食料品・日用雑貨品等をドア・ツー・ドアで海陸一貫輸送します。長距離・大量輸送のため大型船が多いのが特徴ですが、近年は高速船の就航も見られます[14]。2019年3月末現在、RORO船または中長距離フェリーを運航している事業者・航路は30事業者・56航路・124隻です(別の集計時点では30事業者・53航路・79隻とする資料もあり、集計時点・対象範囲により数値が異なります)[15][16]。1万トン級のRORO船は13mトレーラーシャーシ(積載量20t程度)を150台程度積載でき、大量輸送に適していますが、一定の貨物量(ロット数)が集まらないと新たな航路設定がされにくいという制約があります[15]。2016年4月から2019年4月の間に14事業者がRORO船・中長距離フェリーの輸送力を増強しています[15]。

セメント専用船・石灰石専用船は、鉄鋼・セメントの原料となる石灰石を大量かつ効率的に輸送するための大型ばら積み専用船です。セルフ・アンローダーと呼ばれるベルトコンベア方式の自動荷役装置により揚げ荷を行います[14]。セメント専用船の平均総トン数は2,908総トンです[7]。

砂利・土砂運搬船(ガット船)は、海底から砂利を採取するためのガット(グラブ・バケット)を装備し、揚げ地まで運んで自船で揚げ荷する船です。近年は海洋環境保護の観点から海砂利の採取規制が広がり、山から採取される砕石が貨物の主体になりつつあります[14]。

自動車専用船は、平均総トン数が3,658総トンと内航船舶の中で最大です[7]。RORO船・フェリーの一部が完成自動車の輸送も兼ねています。北海道の苫小牧港の事例では、移出入ともに完成自動車が最も多く、うちフェリー貨物が移出入合計の内国貿易の64.8%、内・外国貿易全体の54.3%を占めています(令和元年)[17]。

その他、産業廃棄物船、鋼材専用船、鉱油兼用船、押曳兼用船、高圧液化ガス船(LPG船)、LNG船、コークス専用船等の専用船が存在します[6]。船種ごとの燃料消費量では、フェリー・タンカー・一般貨物船・RORO船の順に多く、これら4船種で内航海運全体の燃料消費量の7割程度を占めます。1隻あたりの燃料消費量では、フェリー・RORO船・自動車運搬船の順に多くなっています[6]。

港湾ネットワーク

港湾法上、日本の港湾は階層構造を持ちます。令和4年港湾統計によれば、全国の港湾数は、国際戦略港湾5港、国際拠点港湾18港、重要港湾102港、地方港湾807港の合計932港です[18]。国際戦略港湾(横浜港・川崎港・東京港・大阪港・神戸港)は国際海上輸送のハブ機能を担う一方、内航海運が主に利用するのは重要港湾・地方港湾を含む国内輸送網です。北海道の事例では、道内物流の9割以上が港湾を経由する海上輸送に依存しており、農産物の移出(道内→道外)は海運によるものが乳製品95.2%・生乳98.6%・小麦100.0%・米類71.9%を占めます(令和4年度貨物地域流動調査)[18]。

内貿(移出)貨物取扱量の上位港湾は、2000年代の港湾統計では千葉港が継続して最上位(年間3,400万〜3,900万トン台)を占め、水島港・名古屋港・川崎港・横浜港・徳山下松港・津久見港が上位に続く構造でした(2000〜2006年の港湾統計に基づく数値であり、直近年度の順位とは異なる可能性があります)[19]。これらの上位港湾には、製鉄所(千葉・水島・川崎等)やセメント工場(津久見等)に隣接する臨海工業港が多く含まれており、内航海運の港湾ネットワークが素材産業の立地と密接に結びついていることを示しています【推論:上位港湾の顔ぶれと立地する産業(製鉄・セメント)の対応関係からの推定であり、統計上直接この因果関係を実証したものではありません】。

港湾の機能分類(ハブ港・中継港・フィーダー港等)についての内航海運固有の公式な階層区分、リンク数・ネットワーク密度・ハブ集中度・媒介中心性等のネットワーク科学的指標を用いた分析は、本レポートで確認できた資料の範囲では「不明」です。国土交通省港湾局の港湾統計は入港船舶・海上出入貨物・コンテナ個数等の個票データを提供していますが、これらを用いたネットワーク中心性の学術的分析について、本レポートの調査範囲では該当文献を確認できませんでした。

港湾間OD構造

内航海運の港湾間OD構造は、港湾統計の「品種別仕出港別表」「品種別都道府県別表」等の個票データによって把握可能ですが、本レポートで参照した資料の範囲では、既に整理・公表された港湾間OD行列(発地港湾×着地港湾のクロス集計)を直接引用できる二次資料は確認できず「不明」です。地域間流動の定性的な傾向としては、北海道のように移出(道内→道外)の大半を海運が担う地域があること[18]、津久見港(セメント)・水島港・千葉港・川崎港(いずれも製鉄・石油化学)のように特定品目の生産地と結びついた港湾が存在すること[19]が確認できます。

往復バランス率片荷・空船航海については、専用船(セメント船・自動車専用船・タンカー等)の性質上、特定の方向にのみ実貨物を積み、復路は空船または別品目のバラスト調整で戻る構造が一般的であると考えられますが【推論:船種の専用性という一般的構造からの推定であり、実測データに基づくものではありません】、これを定量化した空船率・片荷率の統計は「不明」です。

輸送距離

内航海運全体の平均輸送距離は506km(2023年度)で、自動車の約8倍です[1]。船種別・品目別・航路別の平均輸送距離、中央値、距離分布、長距離輸送割合を横断的に整理した統計は「不明」です。ただし、個別の航路事例からは、敦賀〜苫小牧間、東京〜苫小牧・釧路間など、本州〜北海道間の長距離フェリー・RORO航路が多数運航されていることが確認でき、これらは数百km規模の長距離帯に該当する航路です[20]。

品目構造

内航海運が輸送する貨物は、石炭・鉄鋼・セメントなど産業の基礎となる物資が大半を占めます[1]。品目別の輸送分担率では、鉄鋼(金属)の約6割、石油・セメントの約9割を内航海運が担っています[3][5]。セメントの輸送量は概ね200億トンキロ前後、金属は概ね350〜400億トンキロで推移しており、いずれも8割・5割以上を内航海運が輸送しています[6]。石油製品は減少傾向にあり、平成20年度から輸送トン数ベースで約19%減少しています[21]。この減少は、国内の石油精製能力の縮小・需要構造の変化を反映していると考えられますが【推論:石油元売り業界の構造変化との関連は一般的に指摘される傾向であり、本レポートで直接その因果関係を実証する統計は確認していません】、詳細な要因分析は本レポートの範囲を超えます。

化学薬品・肥料等は、石油製品・金属・セメントと並ぶ主要品目とされ、これらの主要品目は概ね横ばいまたは増加傾向にあります[21]。品目別の港湾OD(発地港湾×着地港湾×品目のクロス集計)は「不明」です。

港湾荷役

内航海運固有の荷役方式は、船種によって大きく異なります。RORO船・フェリーは、貨物を積んだトラック・トレーラーが自走で乗り込み・降りる「RORO方式(Roll-on/Roll-off)」を採用し、クレーン等の荷役機械を必要としない点が特徴です[14]。セメント船・石灰石専用船は、セルフ・アンローダー(ベルトコンベア方式の自動荷役装置)による揚げ荷を行います[14]。ガット船(砂利・土砂運搬船)は、ガット(グラブ・バケット)により自船で揚げ荷を行います[14]。一般貨物船・タンカーは、港湾側のクレーン設備やパイプライン・ポンプ設備を用いた荷役が中心です[20]。

荷役方式は船員の労働負荷にも直結します。現役船員向けの解説によれば、白油タンカーの荷役は積荷役・揚荷役の全工程を乗組員が行うため負担が大きいとされる一方、フェリーは士官が直接荷役を行うことはほとんどなく、バラスト調整・台数チェック・ステベ(荷役業者)の監視が中心業務です[22]。これは船種によって港湾側荷役事業者への依存度が異なることを示しています。荷役設備能力・荷役時間荷役コストを定量的に示す統計は「不明」です。

時間構造

船舶運航の時間構造(航海・入港待機・着岸待ち・荷役係留・出港準備・回航・ドック・保守・待機の時間分解と時間割合)について、モード横断で比較可能な形での公式統計は「不明」です。船員の乗船サイクルに関する記述からは、フェリーが「短いところで1週間乗船・2〜3日休暇、長いところで20日乗船・10日休暇」と乗船・休暇サイクルが比較的短いのに対し、タンカーは「3〜4ヶ月乗船・1ヶ月休暇」と長期の乗船サイクルを取る傾向があることが確認できます[22]。これは、フェリーが決まったダイヤで頻繁に港湾を出入りする定期航路であるのに対し、タンカー等は航海期間そのものが長い運航形態であることを反映していると考えられます【推論:乗船サイクルの長短と航海形態の対応関係についての一般的傾向であり、本レポートで統計的に実証したものではありません】。フェリーは他の船種と異なり、仮バース(順番待ちの錨泊)や沖アンカーがほとんどない点も特徴です[22]。

営業用トラック編(拘束時間13時間27分、うち荷待ち2時間44分)、鉄道貨物編(コンテナ列車積載率のみ確認、時間分解データは不明)と同様、内航海運についても運航単位あたりの時間分解データは公表統計として確認できず、シリーズ横断での定量的な時間構造比較は本レポートの範囲では実施できませんでした。

積載効率

積載率・船腹利用率・空船率・往復利用率・航海あたり積載量・年間航海回数・年間稼働率・停泊率・輸送密度航路輸送密度について、モード横断で比較可能な形での公式統計は「不明」です。間接的な指標として、内航海運全体の輸送活動量(トンキロ)が平成22年度以降ほぼ横ばいで推移する一方、船舶隻数・事業者数は減少し続けているという事実は、既存船舶の稼働率積載効率が上昇している可能性を示唆しますが【推論:輸送量が横ばいで隻数が減少しているという事実からの推定であり、稼働率そのものを直接測定した統計に基づくものではありません】、これを稼働率として定量化した統計は確認できませんでした。

経済性

内航海運全体の営業収益・営業費用の総額、円/トン・円/トンキロで示される具体的な運賃水準、固定費(燃料費・船員費・港湾使用料・修繕費・保守費・減価償却費)の内訳を網羅的に示す公表統計は「不明」です。構造的な情報としては、運賃・用船料の決定構造が確認できます。定期用船では、燃料費や港費等の運航回数に応じた変動費はオペレーターが別途負担する一方、運航委託では運賃に運航費用の一切が含まれ、オペレーターは変動費用を負担しない構造です[12]。この違いは、リスク分担の構造が契約形態によって大きく異なることを意味します。

日本経済新聞の業界解説によれば、内航海運は燃料費高騰と、船齢14年以上(法定耐用年数超)の船舶が全体の7割を占める「船舶の高齢化」、50歳以上の船員が約5割を占める「船員の高齢化」という2つの構造的課題を抱えています[9][10]。前述のピラミッド構造(元請オペレーター〜2次・3次オペレーター〜オーナーの多層構造)の下では、運賃・用船料の改善交渉に大きな負担が伴うことが、学術研究でも指摘されています[13]。

エネルギー・環境

内航海運のCO2排出原単位(1トンの貨物を1km運ぶ際のCO2排出量)は、営業用トラックの約5分の1とされています[3]。この数値は、前作「鉄道貨物」レポートで確認した「貨物鉄道はトラックの約11分の1、内航海運の2分の1」という関係とも整合的です(トラック比で鉄道が1/11、内航海運が1/5であれば、内航海運は鉄道の約2.2倍のCO2排出原単位となり、「内航海運は鉄道の2分の1」という表現とおおむね符合します)。燃料消費量は船種別に大きな差があり、フェリー・タンカー・一般貨物船・RORO船の順に多く、これら4船種で内航海運全体の燃料消費量の7割程度を占めます。1隻あたりの燃料消費量では、フェリー・RORO船・自動車運搬船の順に多くなっています[6]。

環境対策の観点では、最近建造されたフェリー・RORO船は様々な省エネ技術の導入により、従来船比で20%程度のエネルギー効率向上を達成しています。同年代の船舶を比較すると、トップランナー船のEEDI(新造船省エネルギー指数)は全体平均より13〜30%程度優れています[6]。MJ/トンキロで示される具体的なエネルギー消費原単位の数値は「不明」です。

国際比較

日本の内航海運(カボタージュ制度下の国内沿岸輸送)と直接比較可能な形で、韓国の沿岸海運・欧州の内陸水運の市場規模・トンキロ・平均輸送距離・船腹量・積載率を横断的に整理した統計は、本レポートの調査範囲では確認できず「不明」です。参考として、EU統計局(ユーロスタット)によれば、2021年のEU全体の貨物輸送手段別分担率トンキロベース)は、海上輸送67.9%、道路輸送24.6%、鉄道輸送5.4%、内陸水上輸送1.8%、航空輸送0.2%です[23]。ただしこの「海上輸送」には国際海上輸送(外航)が大きく含まれており、日本の内航海運(純粋な国内沿岸輸送)とは対象範囲が異なる点に注意が必要です。EU加盟国のうち海岸線を持つ国では、ポルトガル(98.1%)・キプロス(97.9%)・ギリシャ(96.5%)など10カ国で海上輸送の割合が70%を超えており、これは主に地中海の島嶼国・半島国における国内海上輸送の重要性を反映していると考えられます[23]。

韓国については、釜山港が東北アジアの物流中心拠点港(トランシップハブ)として国際コンテナ輸送で世界7位の取扱量を持つことが確認できますが[24]、韓国国内の沿岸海運(内航に相当する輸送)の市場規模・トンキロを日本と同一基準で比較できる統計は確認できませんでした。両国とも造船業では世界的地位を持ちますが(日本は世界3位、韓国は僅差の競合国)[25]、この造船能力の比較は内航海運(国内輸送システム)そのものの比較とは異なる論点である点に留意が必要です。

営業用トラック・鉄道貨物との比較

年間輸送トンキロでは、内航海運(約1,800億トンキロ)は、営業用トラック(自動車全体で2,268.86億トンキロ、令和4年度)に匹敵する規模を持ち、鉄道貨物(177億トンキロ、2022年度)を10倍以上上回ります。輸送装置数では、内航船舶約5,000隻は、営業用トラック約148万両、JR貨物の機関車・コンテナ車合計1万両未満のいずれとも規模の桁が異なり、1装置あたりの輸送能力の大きさで規模の差を補う構造になっています。

平均輸送距離では、内航海運(506km)は鉄道貨物(879〜899km)より短く、営業用トラック(大半が100km未満)よりは大幅に長いという中間的な位置にあります。エネルギー効率では、内航海運のCO2排出原単位はトラックの約5分の1で、鉄道(トラックの約11分の1)よりは排出量が多いものの、トラックよりも低炭素な輸送機関です[3][18]。

OD構造の捕捉単位では、トラックが都道府県間・地域間、鉄道が駅間であるのに対し、内航海運は港湾間で捕捉されます。いずれのモードも、詳細なOD行列(片荷指数往復バランス率等)を求めるための基礎データ(物流センサス、港湾統計等)は存在しますが、鉄道・内航海運では駅間・港湾間OD行列そのものが公表・整理された形では「不明」であり、トラック編で実施したような定量的なOD分析は、本レポートの範囲では実施できませんでした。

産業構造の面では、トラック・鉄道が比較的シンプルな事業者構造(トラック:営業用/自家用の別、鉄道:JR貨物+臨海鉄道等22社)であるのに対し、内航海運は荷主・元請オペレーター・2次3次オペレーター・オーナー・船舶管理会社という多層構造(ピラミッド構造)を持つ点で、他の2モードより産業構造が複雑です[13]。トラックで代替できない内航海運の役割としては、(1)大量・長距離輸送(産業基礎物資の8割を輸送)、(2)低環境負荷(CO2排出原単位がトラックの1/5)、(3)専用船による特定貨物の効率輸送(セルフ・アンローダーによるセメント・石灰石輸送等)の3点が整理できます[3][5][14]。

統計から読み取れる特徴

本レポートで整理した統計から読み取れる内航海運の構造的特徴は、以下の通りです。第一に、輸送対象は、鉄鋼・石油・セメントという特定の産業基礎物資が中心であり、これらの品目で内航海運が輸送量の5〜9割を担う「特定品目依存型」の構造です[3][5][6]。第二に、輸送距離は平均506kmと、営業用トラックと鉄道貨物の中間に位置します[1]。第三に、船種構成は、一般貨物船(隻数比70%)が主体でありながら、自動車専用船・セメント専用船のように平均船型が大きい専用船が特定品目の輸送を担うという二重構造です[7]。第四に、港湾ネットワークは、国際戦略港湾5港・国際拠点港湾18港・重要港湾102港・地方港湾807港という階層構造を持ちますが、内航海運が実際に利用する港湾間の詳細なOD行列は公表資料の範囲では整理されておらず「不明」です[18]。第五に、産業構造は、荷主・オペレーター・オーナーの専属化・系列化が進んだ寡占的な多層構造(ピラミッド構造)であり、事業者の99.6%以上が中小企業という脆弱な基盤の上に成り立っています[9][10][13]。第六に、船舶・船員双方の高齢化(船齢14年以上が7割、50歳以上船員が5割)という構造的課題を抱えています[9][10]。第七に、時間構造・輸送装置あたりの経済性指標(1隻あたり年間売上等)、港湾間OD行列、国際比較データについては、公表統計の制約により定量的な把握ができない項目が多く、この点は本レポートの限界として明記します。

参考文献

[1] 国土交通省海事局「内航海運の活動」
[2] 国土交通省海事局「内航海運を取り巻く現状及び」(内航未来創造プラン関連資料)
[3] 国土交通省海事局「内航海運の現状と取組」資料2
[4] 日本経済新聞NIKKEI COMPASS「内航海運業界 市場規模・動向や企業情報」2025年8月5日調査
[5] 国土交通省海事局「内航海運と船舶管理会社の現状」資料2
[6] 国土交通省海事局「内航海運を取り巻く現状及び」(船種別燃料消費量・CO2排出関連資料)
[7] 日本内航海運組合総連合会「内航船舶について」
[8] 国土交通省海事局「内航海運を取り巻く現状及び」(事業者数・隻数推移関連資料)
[9] 日本経済新聞NIKKEI COMPASS「内航海運業界 市場規模・動向や企業情報」(船舶・船員の高齢化に関する記載箇所)
[10] 国土交通省「内航海運と船舶管理会社の現状」(市場構造・中小企業比率に関する記載箇所)
[11] 一般社団法人日本海事代理士会「貨物船事業」
[12] 一般社団法人日本海事代理士会「貨物船事業」(オーナー・オペレーター・用船契約に関する記載箇所)
[13] 松尾俊彦(大阪商業大学)「小型内航船の課題と内航海運業界の構造問題」
[14] 日本内航海運組合総連合会「内航船のいろいろ」
[15] 国土交通省海事局「貨物鉄道輸送の現状と『今後の鉄道物流の在り方に関する検討会』」(RORO船・フェリー事業者数関連資料、2019年3月末時点)
[16] 国土交通省海事局「内航海運を取り巻く現状及び」(RORO船・フェリー事業者数、別時点データ)
[17] 苫小牧港管理組合「苫小牧港統計年報(令和元年港湾統計)」
[18] 国土交通省港湾局「港湾・海運を取り巻く状況」及び北海道開発局資料(港湾数・北海道物流状況)
[19] 坂出市資料「内貿・移出貨物量ランキング上位50港」(原典:国土交通省港湾統計年報各年版)
[20] etabiblog「貨物船の種類|RORO船航路・コンテナ船・ばら積み船・フェリーとの違いほか」(船舶諸元・航路事例)
[21] 国土交通省海事局「内航海運を取り巻く現状及び」(品目別輸送量推移関連資料)
[22] funejin.com「内航船の船種別きつさランキング|ガット船・RORO船・タンカー・セメント船のリアル」(船員の乗船サイクル・荷役負担に関する記載、現役船員による解説)
[23] ジェトロ「EUの2021年の海上貨物輸送の割合、過去10年で最低」ビジネス短信(原典:Eurostat)2023年3月
[24] Shippio Platform「釜山トランシップの増加で、荷主が取るべきアクションを解説」
[25] 国立国会図書館調査資料「我が国の造船政策の変遷と諸外国の動向-中国、韓国及び欧州の取組を参考に-」

年表

  • 1952年 — 内航海運業法制定、カボタージュ制度の法的基盤が確立
  • 1963年 — 海運二法制定、船腹調整事業(スクラップ・アンド・ビルド)の枠組みが整備される
  • 1989〜1996年頃 — バブル景気の影響で新造船の年間建造隻数が200隻超の水準で推移
  • 1998年 — 暫定措置事業実施、以降の船舶建造数は年間平均69隻に
  • 2001年 — 日本内航海運組合総連合会の依頼により国民経済研究協会が『内航海運ビジョン』を公表
  • 2002年 — 次世代内航海運懇談会が『次世代内航海運ビジョン』を公表
  • 2005年 — 「海上運送事業の活性化のための船員法等の一部を改正する法律」施行、内航海運業法が許可制から登録制へ
  • 2015.2.13 — 交通政策基本計画閣議決定、2020年度までに海運モーダルシフト貨物輸送量367億トンキロ(2012年度比10%増)を目標化
  • 2017年度モーダルシフト目標に対し実績351億トンキロ
  • 2019.3末RORO船・中長距離フェリー運航事業者30・航路56・船舶124隻を記録
  • 2020年度前後 — 内航海運の国内貨物輸送分担率、トン数約7%・トンキロ約40〜44%で推移
  • 2023年度 — 内航海運の平均輸送距離506km(自動車の約8倍)を記録
  • 2024年(暦年) — 主要58社の内航貨物船輸送量、前年比2.8%減の1億9,832万トン
  • 2024年(暦年) — 油送船輸送量、前年比4.1%減の9,995万トン
  • 2024.6国土交通省「内航海運の現状等について」公表、事業者の99.7%が中小企業と指摘
  • 2025年前後 — 内航海運業者数・オーナー数の10年間の減少率が明らかに(事業者数約18%減、オーナー約26%減)
  • 2025.3.31 — 内航船舶保有隻数5,146隻・449万6,584総トン(別集計時点)
  • 2026.3.31 — 内航船舶保有隻数5,055隻・435万74総トン、その他貨物船が隻数比70%を占める
  • 2026 — 「内航海運」レポート作成、トラック・鉄道貨物に続く3モード目としてシリーズに追加

用語集

産業構造・事業形態

  • shipowner, オーナー, (船主):船舶を所有し、自営または用船によりオペレーターに船舶を提供する事業者。保有隻数1隻の「一杯船主」が全体の6割以上を占める。
  • operator, オペレーター:荷主と運送契約を結び、船舶を運航して貨物輸送を行う事業者。荷主に直接契約する「元請オペレーター」と、需要変動に対応する「2次・3次オペレーター」に分かれる。
  • pyramid structure, ピラミッド構造:特定荷主を頂点に、元請オペレーター・2次3次オペレーター・多数のオーナーが連なる内航海運特有の多層的な取引構造。
  • ship management company, 船舶管理会社:オーナーに代わり船員の配乗・船舶の点検整備・運航を行う専門事業者。法的位置づけが未整備という課題を抱える。
  • time charter, 定期用船:オーナーが船員配乗済みの船舶を期間を定めてオペレーターに貸し渡す用船形態。燃料費等の変動費はオペレーターが別途負担する。
  • bareboat charter, 裸用船:船体のみを貸し渡す用船形態。
  • operation entrustment, 運航委託:オーナーが運航そのものをオペレーターに委託し、航海ごとの運賃をオーナーが収受、委託手数料をオペレーターに支払う形態。

船種

  • RORO ship, RORO船, (Roll-on/Roll-off船):トラック・トレーラーが自走で乗降する荷役方式の貨物専用船。
  • self-unloader, セルフ・アンローダー:ベルトコンベア方式の自動荷役装置。セメント船・石灰石専用船に搭載される。
  • gat ship, ガット船:グラブ・バケット(ガット)で海底の砂利を採取・運搬する船。
  • dirty tanker, 黒油船:重油等を輸送するタンカー。タンク内が鉄板のまま。
  • clean tanker, 白油船:ガソリン・灯油・軽油等を輸送するタンカー。タンク内がコーティングされている。

港湾制度

  • port hierarchy, 港湾階層:国際戦略港湾(5港)・国際拠点港湾(18港)・重要港湾(102港)・地方港湾(807港)から成る港湾法上の区分。
  • EEDI, 新造船省エネルギー指数:新造船のエネルギー効率を示す国際指標。トップランナー船は全体平均より13〜30%程度優れる。

Claudeへのプロンプト

以下の方針であれば、これまでのシリーズ(全モード→トラック→鉄道)との分析軸を維持しつつ、内航海運の特性を十分に掘り下げられます。

レポートの目的
本レポートは、日本の内航海運について、制度や歴史ではなく、国内貨物輸送システムとしての実態を定量的に分析することを目的とする。
対象は日本国内の港湾間輸送(内航海運)とし、外航海運は比較対象として必要最小限に留める。
フェリー、RORO船、内航コンテナ船、一般貨物船、タンカー、ケミカルタンカー、セメント船、石灰石船、石炭船など主要船種を対象とする。
改善策、政策提言、将来予測、独自見解は不要とする。
政府統計、港湾統計、内航船舶輸送統計、日本内航海運組合総連合会、公的研究、学術論文を根拠とし、実態把握に徹すること。
本レポートは営業用トラック編、鉄道貨物編と同じ分析軸を継承し、後続の外航海運編とも比較できる構成とすること。

レポート全体で明らかにすること
内航海運について
・何を運んでいるのか
・どこからどこへ運んでいるのか
・どのような港湾ネットワークで輸送しているのか
・船舶という輸送装置をどの程度効率的に利用しているのか
・どのような時間構造で運航しているのか
・どのようなコスト構造であるのか
・トラックや鉄道では代替しにくい役割は何か
を可能な限り定量データによって明らかにすること。

最重要分析テーマ
日本の内航海運市場
以下を整理すること。
市場規模
輸送トン数
輸送トンキロ
営業収益
営業費用
事業者数
船腹量
国内貨物輸送に占めるシェア
長期推移
品目別構成
船種別構成

産業構造
内航海運に関与する主体を整理すること。
内航海運事業者
船主
オペレーター
荷主
船舶管理会社
港湾運営者
港湾荷役事業者
フェリー事業者
RORO事業者
役割分担と市場構造を整理すること。

輸送装置
営業用トラック編では「トラック1台」、鉄道貨物編では「列車・貨車」を分析した。
内航海運では「船舶1隻」を輸送装置として分析する。
可能な限り以下を整理すること。
船舶保有隻数
総トン数(GT)
載貨重量トン(DWT
船腹量
船齢
船種別隻数
年間航海回数
年間輸送量
年間トンキロ
1隻当たり年間輸送量
1隻当たり年間トンキロ
1隻当たり年間営業収益
統計が存在しない場合は「不明」とし、推定は行わないこと。

船種構成
船種ごとの役割を分析すること。
RORO船
フェリー
内航コンテナ船
一般貨物船
石油タンカー
ケミカルタンカー
LPG船
LNG
セメント船
石灰石船
石炭船
チップ船
砂利・土砂運搬船
その他専用船
船種ごとに
隻数
船腹量
輸送量
輸送距離
代表貨物
代表航路
利用産業
を整理すること。

港湾ネットワーク
本レポートで最も重要なテーマの一つ。
以下を分析すること。
港湾数
主要港湾
地方港湾
中継港
ハブ港
フィーダー港
RORO航路
フェリー航路
コンテナ航路
港湾階層
港湾ネットワーク構造
主要港湾ランキング
貨物取扱量ランキング
可能であれば
ネットワーク中心性
リンク密度
ハブ集中度
についても分析すること。

港湾間OD構造
トラック編では都道府県間OD、鉄道編では貨物駅間ODを分析した。
内航海運では港湾間ODを分析すること。
可能な限り
主要港湾間流動
地域間流動
品目別OD
港湾別流入
港湾別流出
OD集中度
往復バランス率
片荷
空船航海
港湾間距離
ネットワーク構造
を整理すること。
OD流動表や港湾統計を積極的に活用すること。

時間構造
船舶運航を時間で分解すること。
航海
入港待機
着岸待ち
荷役
係留
出港準備
回航
ドック
保守
待機
可能な限り時間割合も整理すること。
トラック編・鉄道編との比較が可能なように整理すること。

輸送距離
平均輸送距離
中央値
距離分布
船種別
品目別
航路
長距離輸送割合
を整理すること。

積載効率
以下を整理すること。
積載率
船腹利用率
空船率
往復利用率
航海当たり積載量
年間航海回数
年間稼働率
停泊率
輸送密度
航路輸送密度

品目構造
輸送貨物を分析すること。
石油製品
原油
LNG
LPG
化学品
鉄鋼
セメント
石灰石
石炭
砂利・砕石
木材

穀物
完成車
コンテナ貨物
食品
農産物
その他
品目別シェア
品目別輸送距離
品目別港湾OD
も整理すること。

港湾荷役
内航海運固有のテーマとして分析すること。
荷役方式
RORO方式
クレーン荷役
バルク荷役
コンテナ荷役
荷役設備
荷役能力
荷役時間
荷役コスト
船種との関係
港湾設備との関係

経済性
可能な限り
円/トン
円/トンキロ
営業収益
営業費用
燃料費
船員費
港湾使用料
修繕費
保守費
減価償却費
固定費
変動費
コスト構造
を整理すること。
統計が存在しない場合は「不明」とすること。
推定は禁止する。

エネルギー・環境
MJ/トンキロ
CO₂排出量(g-CO₂/トンキロ
燃料消費
船種別燃料
温室効果ガス排出
エネルギー効率
を整理すること。

国際比較
欧州、日本近隣諸国(韓国等)との比較が可能な場合は、
市場規模
トンキロ
平均輸送距離
船腹量
港湾数
積載率
船舶当たりトンキロ
港湾ネットワーク
船種構成
について定量比較すること。
制度の比較ではなく、統計比較を優先すること。

トラック・鉄道との比較
営業用トラック編、鉄道貨物編と共通指標で比較すること。
例えば
年間輸送量
年間トンキロ
輸送装置数
輸送装置1台(1編成・1隻)当たり年間トンキロ
年間営業収益
平均輸送距離
時間構造
積載率
空荷率・空車率・空船率
ネットワーク構造
OD構造
輸送密度
エネルギー効率
を比較し、優劣ではなく構造の違いを分析すること。

港湾ネットワークの定量分析
可能な限り以下を分析すること。
主要港湾間OD行列
港湾別貨物量ランキング
ハブ港の集中度
リンク
ネットワーク密度
地域間流動
港湾の機能分類
品目別港湾ネットワーク
航路別ネットワーク
可能であればネットワーク科学の指標(中心性媒介中心性等)の既存研究も紹介すること。ただし独自計算は行わず、文献に基づくこと。

最終章
最後は提言ではなく、統計から読み取れる特徴のみ整理すること。
例えば
輸送対象
輸送距離
船種構成
港湾ネットワーク
港湾OD
品目構成
輸送密度
時間構造
船舶利用状況
荷役構造
などについて、エビデンスに基づき整理すること。

調査に際して重視する資料
優先順位は以下とする。
国土交通省
国土交通省港湾局
港湾統計
内航船舶輸送統計
内航海運組合総連合会
海事レポート
e-Stat
交通政策研究所
運輸総合研究所
海上技術安全研究所
学術論文
OECD
ITF
Eurostat
UNCTAD
IMO
業界誌や報道は補足資料としてのみ使用すること。

追加指示(重要)
本レポートは「内航海運業界」や「船会社」を説明するものではありません。
内航海運を「船舶という輸送装置」「港湾という結節点」「港湾間OD」「航路ネットワーク」「時間構造」「生産性」という物流システムの視点から定量的に分析することを最優先としてください。
また、営業用トラック編・鉄道貨物編と同じ分析軸・同じ指標を可能な限り用い、シリーズ全体で横断比較できるよう、比較可能性を強く意識してください。
さらに、内航海運は船種によって輸送対象・運用形態・コスト構造・ネットワークが大きく異なるため、平均値のみで評価せず、船種別・品目別・航路別・港湾別に分解して分析することを重視してください。

十分なデータが集まりました。レポートの執筆に入ります。12,257字、17章構成です。HTMLとして仕上げます。「日本の内航海運」レポートが完成しました。約12,300字、17章構成です。
ご指示の「船舶という輸送装置」「港湾という結節点」「港湾間OD」「航路ネットワーク」「時間構造」「生産性」という物流システムの視点を軸に、以下を整理しています。
市場規模:輸送トンキロ約1,800億トンキロ、産業基礎物資(鉄鋼6割・石油/セメント9割)依存構造
産業構造:荷主-元請オペレーター-2次/3次オペレーター-オーナー-船舶管理会社という多層(ピラミッド)構造、一杯船主60%超、中小企業99.6%
輸送装置:内航船舶5,055隻・435万総トン、船種別平均総トン数(自動車専用船3,658総トン等)、船齢構造(老齢船66.3%)
船種構成:一般貨物船・タンカー・RORO船・フェリー・セメント船・ガット船等を隻数・輸送量・荷役方式別に整理
港湾ネットワーク:国際戦略港湾5・国際拠点港湾18・重要港湾102・地方港湾807の階層構造
港湾間OD・時間構造・積載効率・経済性:公表統計がない項目は「不明」と明記
国際比較:EU分担率(海上67.9%・内陸水運1.8%)、韓国は比較可能な統計が確認できず「不明」
トラック・鉄道との比較・まとめ
港湾間OD行列や1隻あたりの経済性指標など、公表資料の範囲で確認できなかった項目は推定せず「不明」としました。推論を要した箇所(上位港湾と立地産業の対応、CO2排出原単位の相対整合性等)には【推論】タグを付与しています。
これでトラック・鉄道貨物・内航海運の3モードが揃いました。続けて「外航海運」編に着手しますか。

4点セットを作成します。既出シリーズ(トラック編・基礎編・鉄道編)と重複しない、内航海運固有の産業構造・船種・港湾制度に関する用語を中心に収録します。今日は2026年7月6日、これらの事実・数値は確定済みのものです。