鉄鋼業とは対照的に、製紙業の国際競争構造は一筋縄ではいかない。中国が環境規制で古紙輸入を制限すると、逆に日本からの段ボール原紙輸出が過去最高を記録した。だがその輸出拡大は、今度はフィリピンのセーフガードや韓国の反ダンピング提訴という、日本への逆風を招いている。一方、ブラジル・カナダとは1973年から続くパルプ調達の歴史がある。本稿は複雑に絡み合う国際競争構造を一次資料で検証する【IP03】国際競争構造編。

※この文書は AI Claude、スライド資料、音声解説 は Gemini により生成されており誤りを含む恐れがあります。v

第一章 北米・南米からのパルプ輸入構造

パルプ輸入の現状

【IP02】第二章で確認した通り、2024年の日本のパルプ輸入量は117万トンで、主な輸入先としては北米が全体の5割超を占めている[327]。日本の製紙原料消費量に占めるパルプの比率は約3割で、この相当部分が輸入に依存する構造にある。

日伯紙パルプ資源開発とブラジル進出

日本企業によるブラジルでのパルプ生産は、1973年(昭和48年)にさかのぼる。王子ホールディングスの沿革によれば、同年、ブラジルにパルプ工場を建設する「日伯紙パルプ資源開発(JBP)」および「Celulose Nipo-Brasileira(CENIBRA)」が設立され、海外でのパルプ生産が開始された[126]。財界オンラインのインタビュー記事によれば、この事業は元々、日本の紙パルプメーカー11社と伊藤忠商事の出資により1973年に始まったもので、ブラジル・ミナスジェライス州で操業しているとされる[124]。同記事は、ミナスジェライス州には日本製鉄グループ企業で日伯合弁の高炉メーカー・ウジミナス(【IS03】で言及した文脈と同様、日本とブラジルの資源開発における歴史的な結びつき)も立地しており、日本とブラジルの間に古くからの資源開発上の関係があることを指摘している[124]。

王子ホールディングスの磯野裕之社長(インタビュー当時)によれば、同社はブラジルに1か所、ニュージーランドに3か所のパルプ工場を保有しており、ブラジル工場ではパルプを生産して北米・欧州・アジア・中国に輸出しているほか、感熱紙を生産する工場もあり、中南米と一部北米地域に販売しているとされる[124]。同社の資源環境ビジネス部門の資料によれば、広葉樹・針葉樹クラフトパルプ・溶解パルプ等、多様なパルプを生産し、外販パルプ生産能力250万トン/年を有し、アジア・欧州・北米などグローバルに販売を展開しているとされる[127]。

カナダとの取引関係

王子グループの沿革(Wikipedia)によれば、王子製紙は1973年3月、カナダのP・G社と両更クラフト紙の長期輸入契約を締結しており、これは早い段階からの北米との原料調達関係を示す事例である[120]。同社は1980年代にカナダに現地法人Oji Paper Canada Ltd.を設立したほか、1988年にはHowe Sound Pulp and Paper(HSPP)をカナダに設立している(同社は2008年に売却)[126]。米国との関係では、1970年代に米国Champion International, USAとダグラスファーチップの輸入契約を締結した実績も確認できる[120]。

[推論]これらの事例は、日本の製紙業が1970年代という早い段階から、北米(カナダ・米国)・南米(ブラジル)双方に対し、長期契約・現地法人設立・合弁事業といった複数の手法を組み合わせて、原料(パルプ・チップ)の安定調達網を構築してきたことを示している。この構造は、【IS04】で確認した鉄鋼業の「商社仲介による分業・長期契約方式」とは異なり、製紙会社自身が海外に直接進出し、現地法人・合弁事業を通じて原料生産に関与する度合いが相対的に高い可能性がある。ただし、この点を鉄鋼業と定量的に比較したデータは、本レポートの調査範囲では確認できておらず、不明とする。

第二章 インドネシア・中国の生産拡大と輸出構造

インドネシアAPPグループの拡大

インドネシア最大の紙・パルプ企業であるAsia Pulp & Paper(APP、シナルマス・グループ傘下)は、中国・インドネシアに十数か所の生産拠点を持つ総合製紙メーカーである。同社の日本法人公式サイトの記載を比較すると、ある時点では「約1,000万トンの紙・板紙の生産規模」「世界65カ国以上に供給」とされていたが、別の版では「約2,000万トンの生産能力」「世界120カ国以上に供給」へと拡大しており、同社の生産能力・供給範囲が経年で大きく拡大してきたことがうかがえる[134][135]。同社は広大な植林地を保有し、原木から紙・紙製品までの生産設備を一貫して持つ、垂直統合型の事業モデルを特徴としている[134][135]。

インドネシアの段ボール市場に関する調査(Better Equation Research)によれば、APPグループ傘下のインダ・キアット(Indah Kiat)は、インドネシア国内最大級の製紙企業であり、リアウ州ペラワン・バンテン州タンゲラン等に主要生産拠点を構え、製紙用パルプの自給から段ボール箱製造までを垂直統合した一貫体制を有している点が強みとされる[132]。同社は自社で植林事業とパルプ工場を運営し、そのパルプを使って板紙原紙を製造、さらに子会社で段ボールケースのコンバーティング(製箱)まで行っているとされる[132]。西ジャワ州カラワン工場は白色・茶色紙の年間合計生産能力240万トンを有し、稼働率は2026年の60%から2027年には85-90%へ引き上げられる見通しとされている[130]。

APP社をめぐる環境問題

インドネシア最大の紙パルプ製造企業であるAPP社については、環境NGOから森林破壊・グリーンウォッシュの疑いが指摘されてきた経緯がある。熱帯林行動ネットワーク(JATAN)の資料によれば、APP社は2013年に「森林保護方針(FCP)」を発表し天然林保護を約していたが、2017年12月のAP通信社の報道により、同社の関連サプライヤーから中国の製紙工場(APP社が中国に設立したハイナン・ジンハイ社等)へ、天然林由来とみられる木材チップが供給されていた疑いが指摘された。この事態を受け、森林認証制度FSC(森林管理協議会)は2018年8月、APP社との関係断絶解消に向けたロードマップのプロセスを一時中断すると発表した[131]。[推論]この事例は、東南アジアの大手製紙企業の急速な生産拡大が、持続可能な原料調達(森林認証等)という国際的な基準との間で緊張関係を抱えてきたことを示している。この点は【IP07】(展望編)における森林認証・持続可能な原料調達の議論とも関連する。

中国の古紙輸入制限と、日本からの「逆輸出」構造

製鉄業における中国の構造(【IS03】)とは対照的な現象として、製紙業においては、中国の政策変化がむしろ日本からの輸出を押し上げる方向に作用した事例が確認できる。

日本経済新聞の報道(2020年11月)によれば、中国が環境規制を理由に古紙の輸入を制限したことにより、中国国内で古紙が不足し、段ボール原紙の現地生産に支障が生じた。この結果、中国の加工会社が日本などから段ボール原紙を調達する動きが強まり、日本の段ボール原紙各社にとって輸出が追い風となったとされる。王子ホールディングスの幹部は、同社傘下の製紙会社からの段ボール原紙輸出を増やしていると述べている[140]。日本経済新聞の別の報道(2020年7月)によれば、2020年1-5月の段ボール原紙輸出実績は30万トンと同期間として過去最高となり、日本製紙連合会によれば5月の輸出量は5万2000トンで前年同月の2倍を超え、6か月連続の前年超えとなった[136]。国際経済交流財団(ITI)の資料タイトルにも「中国へ向かう日本の古紙」とあり、古紙・板紙をめぐる日中間の需給関係が、単純な「中国からの輸出攻勢」に尽きるものではないことが示唆される[143]。

日本の輸出拡大に対する周辺国の反発

この段ボール原紙輸出の拡大は、逆に周辺国からの貿易摩擦を招くことになった。日本経済新聞の報道によれば、フィリピンは日本からの輸入急増に対応し、セーフガード(緊急輸入制限措置、SG)を8月に暫定的に発動した。韓国でも、アンチダンピング(反不当廉売、AD)措置を求める提訴の動きが表面化しているとされる。同報道は、この背景に中国の過剰生産を起因とする「デフレ輸出」への反発があり、その矛先が日本にも向けられていると分析している[138]。

さらに、日本経済新聞の別の報道(2025年、反ダンピング調査に関する記事)によれば、中国のデフレ輸出の影響が日本にも及んでおり、日本を含む各国からの反ダンピング調査が2025年時点で既に過去最多水準の件数に達しているとされる[139]。[推論]これらの報道を総合すると、製紙業(特に段ボール原紙分野)における国際競争構造は、「中国が輸出攻勢をかけ、日本が防御する」という単純な図式ではなく、中国の国内政策変化(古紙輸入制限)が日本の輸出を誘発し、その日本の輸出拡大が今度は東南アジア・韓国等の第三国から警戒される、という多層的な構造になっていることがうかがえる。この構造は【IS03】で確認した鉄鋼業の構造(日本が一貫して輸入圧力に直面する側)とは異なる特徴であり、製紙業の国際競争構造を理解する上で重要な論点である。

第三章 コスト構造の国際比較

為替・市況の影響

日本経済新聞の報道(2025年4月)によれば、印刷用紙のアジアでの取引価格は約1年半ぶりに下落し、日本製の指標品種の輸出価格は前月比で3-5%程度安くなった。中国経済の減速で需要が振るわず、原料パルプの値下がりも影響したほか、トランプ米政権の追加関税によるアジア地域の景気後退懸念も価格下落の背景にあるとされる[141]。具体的には、書籍等に幅広く使う上質紙の輸出価格は1トン770-920ドルとなり、3月比で中心値5%程度下落したとされる[141]。

このように、製紙製品の国際価格は、中国経済の動向・米国の関税政策・為替変動等、複合的な要因の影響を受けていることが確認できる。ただし、日本・インドネシア・中国・北米間の人件費・エネルギーコストを体系的に比較した定量データは、本レポートの調査範囲では確認できておらず、不明とする。この点は【IS02】【IS03】で確認した鉄鋼業のコスト比較データの不在と同様の限界であり、今後の追加調査課題としたい。

第四章 貿易政策・保護主義的措置

反ダンピング関税の制度

ダンピング関税(アンチ・ダンピング関税、不当廉売関税)は、輸出国の国内価格よりも低い価格による輸出(ダンピング)が輸入国の国内産業に被害を与えている場合に、価格差相当額以下で賦課される関税である。WTO協定の一般協定第6条の実施に関する協定(AD協定)において規定されており、日本法においては関税定率法第8条および不当廉売関税に関する政令により調査手続き等が定められている[142]。

製紙業における反ダンピング・セーフガード事例

【第二章】で確認した通り、製紙業(特に段ボール原紙)においては、日本からの輸出拡大に対し、フィリピンによるセーフガード発動(暫定、8月)、韓国による反ダンピング提訴の動き、という形で、日本が「防御される側」ではなく「規制される側」に立つ事例が確認された[138]。これは、経済産業省が公表する「他国の発動情報一覧」で継続的に更新されている、他国による対日貿易救済措置の動向とも関連する分野であるとみられる[144]が、製紙分野における具体的な発動件数・対象品目の網羅的なデータは、本レポートの調査範囲では確認できておらず、不明とする。

第五章 日本企業の海外展開

王子ホールディングスの海外事業構成

財界オンラインのインタビュー記事によれば、王子ホールディングスの海外売上高比率は2022年3月期時点で35%であり、同社はこれを50%程度まで高める方針を示している[124]。同社は東南アジアを中心とした用紙の製造・販売に加え、前述のブラジル・ニュージーランドでのパルプ事業を展開している[124]。

同社の沿革(Wikipedia、公式サイト)を通じて確認できる海外植林事業の展開時期は以下の通りである。1993年、オーストラリアでAlbany Plantation Forest Company of Australia(APFL)を設立し植林事業を開始[126]。1994年、ベトナムでQuy Nhon Plantation Forest Company of Vietnam(QPFL)を設立し、東南アジアでの植林事業を開始した[126]。これらは、【IP01】第四章で確認した2030年度までの海外植林地拡大計画(王子HD約20万ヘクタール)の、より早期の起点にあたる取り組みと位置づけられる。

2011年には、Oji Papeis Especiais(ブラジル)、Harta Group(マレーシア)等をグループ会社化しており、海外展開の対象地域・事業形態(生産拠点の買収・グループ化)がこの時期に多様化していることがうかがえる[126]。2021年には、ジェトロの報道によれば、王子ホールディングスがインドで段ボール箱の地場メーカーを買収する動きも確認されている[122]。

感熱紙・特殊紙分野での海外展開

王子ホールディングスの沿革によれば、1986年に米国でKanzaki Specialty Papers(KSP)を設立するなど、感熱紙・特殊紙といった高付加価値分野でも早くから海外展開を進めてきたことが確認できる[126]。日本経済新聞の報道(2019年)によれば、同社はブラジル・ニュージーランドでの増産に200億円を投じる計画を示しており、感熱紙等の分野における南半球拠点の強化を図っていることがうかがえる[121][125]。

年表

  1. 1973年 – 王子製紙(当時)がカナダのP・G社と両更クラフト紙の長期輸入契約を締結[120]
  2. 1973年 – 日伯紙パルプ資源開発(JBP)・Celulose Nipo-Brasileira(CENIBRA)設立(紙パルプメーカー11社+伊藤忠商事出資)、ブラジルでのパルプ生産開始[124][126]
  3. 1986年 – Kanzaki Specialty Papers(KSP)設立(米国、感熱紙・特殊紙分野)[126]
  4. 1988年 – Howe Sound Pulp and Paper(HSPP)設立(カナダ、2008年売却)[126]
  5. 1993年 – Albany Plantation Forest Company of Australia(APFL)設立、オーストラリアで植林事業開始[126]
  6. 1994年 – Quy Nhon Plantation Forest Company of Vietnam(QPFL)設立、東南アジアで植林事業開始[126]
  7. 2011年 – Oji Papeis Especiais(ブラジル)、Harta Group(マレーシア)等をグループ会社化[126]
  8. 2013年 – APP社が「森林保護方針(FCP)」発表[131]
  9. 2017年12月 – AP通信社がAPP社関連の森林破壊疑惑を報道[131]
  10. 2018年 – 中国が環境規制を理由に古紙輸入制限を開始[137][140]
  11. 2018年8月16日 – FSCAPP社との関係断絶解消プロセスを一時中断[131]
  12. 2019年 – 王子ホールディングスがブラジル・ニュージーランドでの増産に200億円を投資すると発表[121][125]
  13. 2020年1-5月 – 段ボール原紙輸出量30万トン、同期間として過去最高[136]
  14. 2020年5月 – 段ボール原紙輸出量5万2000トン、前年同月比2倍超、6か月連続前年超え[136]
  15. 2020年 – 中国の古紙輸入制限を受け、日本からの段ボール原紙輸出が拡大[140]
  16. 2021年 – 王子ホールディングスがインドで段ボール箱の地場メーカーを買収[122]
  17. 2022年3月期 – 王子ホールディングスの海外売上高比率35%[124]
  18. 2025年3-4月 – トランプ米政権の追加関税等を背景に、アジアで印刷用紙価格が約1年半ぶりに下落[141]
  19. 2025年 – フィリピンが日本等からの段ボール原紙輸入急増に対応しセーフガードを暫定発動[138]
  20. 2025年 – 韓国で日本の段ボール原紙に対する反ダンピング提訴の動きが表面化[138]
  21. 2025年 – 日本を含む各国への反ダンピング調査が過去最多水準の件数に達する[139]

用語集

  • 日伯紙パルプ資源開発(JBP: Jari Papel e Celulose、または類似名称): 1973年、日本の紙パルプメーカー11社と伊藤忠商事の出資により設立された、ブラジルでのパルプ生産事業。
  • Celulose Nipo-Brasileira(CENIBRA、セニブラ): 1973年設立、ブラジル・ミナスジェライス州のパルプ生産会社。日伯合弁事業。
  • Asia Pulp & Paper(APP): インドネシアのシナルマス・グループ傘下の総合製紙メーカー。中国・インドネシアに生産拠点を持つ。
  • インダ・キアット(Indah Kiat): APPグループ傘下、インドネシア最大級の製紙企業。植林からパルプ・板紙・段ボール箱製造までの垂直統合体制を持つ。
  • 森林保護方針(FCP: Forest Conservation Policy): APP社が2013年に発表した、天然林保護に関する方針。
  • 森林管理協議会(FSC: Forest Stewardship Council): 国際的な森林認証制度を運営する非営利組織
  • セーフガード(SG: Safeguard): 特定産品の輸入急増が国内産業に重大な損害を与えている場合に、緊急的に発動される輸入制限措置。
  • アンチダンピング関税(AD、反ダンピング関税、不当廉売関税): 輸出国の国内価格より低い価格での輸出(ダンピング)が輸入国産業に被害を与える場合に課される関税。
  • デフレ輸出: 国内の供給過剰を背景に、採算を度外視した低価格で製品を輸出する行為を指す語。中国の過剰生産能力問題の文脈でしばしば用いられる。

SNS向けタイトル3案

  1. 中国が古紙を止めたら、日本の輸出が増えた。段ボール原紙の逆転構造
  2. 1973年、伊藤忠とブラジルへ。日本製紙業の南半球進出50年史
  3. 【IP03】フィリピンが日本にセーフガード。製紙業の国際競争を検証する

参考文献

  • [120] Wikipedia「王子グループ」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%8B%E5%AD%90%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97
  • [121][125] 日本経済新聞「王子HD、ブラジル・NZで増産に200億円 感熱紙など」/日刊工業新聞「王子HD、ブラジルで感熱紙生産設備を増強」 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51812300V01C19A1X93000/ ; https://www.nikkan.co.jp/articles/view/537629
  • [122] ジェトロ「王子ホールディングス、段ボール箱の地場メーカーを買収(インド、日本)」 https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/10/017ae9bbdb4004c7.html
  • [124] 財界オンライン「【木を原料に】王子ホールディングス・磯野裕之社長『森林資源で新たな領域を開拓していく』」 https://www.zaikai.jp/articles/detail/2472/3/1/1
  • [126] 王子ホールディングス「沿革|会社情報」 https://www.ojiholdings.co.jp/group/history.html
  • [127] 王子ホールディングス「資源環境ビジネス|事業概要|投資家情報」 https://www.ojiholdings.co.jp/ir/business/forest/
  • [130] Mordor Intelligence「インドネシアの折りたたみ式カートン包装市場」 https://www.mordorintelligence.com/ja/industry-reports/indonesia-folding-carton-packaging-market
  • [131] 熱帯林行動ネットワークJATAN「インドネシア最大の紙・パルプ企業APP社による森林破壊とグリーンウォッシュの疑い」 https://jatan.org/archives/4793
  • [132] Better Equation Research「インドネシアの主要段ボールメーカーのまとめ(2025年)」 https://note.com/better_equation/n/n2a5244ab41ba
  • [134] APPグループ日本語公式サイト「APPグループについて」 http://www.app-j.com/group/
  • [135] APPジャパン公式サイト「APPグループについて」 http://www.app-j.com/company/company_app.html
  • [136] 日本経済新聞「段ボール原紙輸出、1~5月最高に 中国の通販拡大が支え」 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61196490W0A700C2QM8000/
  • [137] 国際エネルギー経済研究所(IEEI)「中国の古紙輸入削減と日本の紙リサイクルの課題」 https://ieei.or.jp/2020/03/special201705012/
  • [138] 日本経済新聞「段ボール原紙輸出、アジアで摩擦 セーフガード発動も」 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB166LI0W5A910C2000000/
  • [139] 日本経済新聞「日本に及ぶ中国デフレ輸出の波 反ダンピング調査、25年はや最多4件」 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA041UJ0U5A900C2000000/
  • [140] 日本経済新聞「段ボール原紙、輸出急増」 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65660550Q0A031C2QM8000/
  • [141] 日本経済新聞「アジアで印刷用紙値下がり 中国が安値輸出、米関税も影」 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB018N20R00C25A4000000/
  • [142] Wikipedia「アンチ・ダンピング関税」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%BB%E3%83%80%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%B0%E9%96%A2%E7%A8%8E%E6%8E%AA%E7%BD%AE
  • [143] 国際経済交流財団(ITI)「中国へ向かう日本の古紙」 https://www.iti.or.jp/kikan54/54wada.pdf
  • [144] 経済産業省「他国の発動情報一覧」 https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/boekikanri/trade-remedy/caseinfo/news/index.html

データ制約に関する注記: 本レポートは、王子ホールディングス公式沿革資料、日本経済新聞の報道記事、NGO(JATAN)の調査報告、業界レポート(Mordor Intelligence等)を組み合わせて構成した。段ボール原紙をめぐる日本の輸出拡大と、それに対する周辺国のセーフガード・反ダンピング措置([第二章][第四章])については、日本経済新聞の複数の報道記事に依拠しており、経済産業省の一次資料([144]の発動情報一覧)による製紙分野の具体的な発動件数・対象国の網羅的な確認は、本レポートの範囲では行えなかった。日本・インドネシア・中国・北米間の人件費・エネルギーコストの体系的な国際比較データについても、【IS02】【IS03】の鉄鋼業編と同様、一次資料を確認できず「不明」として扱った。この点は今後の追加調査課題としたい。

Claudeログ

IP03の執筆にあたり、データを収集する。【IP03】国際競争構造編を作成した。

内容の要点

  • 第一章: 北米・南米からのパルプ調達構造 — 1973年の日伯紙パルプ資源開発(JBP)・CENIBRA(伊藤忠商事+紙パルプメーカー11社)、カナダとの長期契約(1973年〜)を確認。鉄鋼業の「商社仲介型分業」とは異なり、製紙会社自身が現地法人・合弁を通じて直接関与する度合いが高い可能性を[推論]タグ付きで指摘
  • 第二章(最も重要な発見): インドネシアAPPグループ垂直統合的拡大に加え、鉄鋼業とは対照的な構造を発見 — 中国が2018年に古紙輸入規制を導入した結果、むしろ日本からの段ボール原紙輸出が過去最高を記録(2020年1-5月30万トン)。これが今度はフィリピンのセーフガード発動・韓国の反ダンピング提訴という形で、日本が「規制する側」ではなく「規制される側」に回るという逆転構造を具体的なデータで明示
  • 第三章: コスト構造 — 為替・中国需要・米関税が複合的に価格に影響する実態を報道ベースで整理。人件費等の体系比較は「不明」と正直に処理
  • 第四章: 反ダンピング関税・セーフガードの制度と、製紙業における日本側の被規制事例
  • 第五章: 王子HDの海外展開(海外売上比率35%→50%目標、1993年豪州・1994年ベトナム植林事業など)

品質管理上の留意点

鉄鋼業編(【IS03】)との構造的対比を明示しつつ、経産省の反ダンピング発動情報一覧という一次資料への直接アクセスができなかった点、国際コスト比較データの不在を正直に注記した。

続けて【IP04】に進む場合は、あらためて指示を待つ。