もちろん全ての陸運事業者が怠惰だった訳ではありません。特にアメリカでは厳しい規制を盾に不効率がまかり通ってこれがスタグフレーションを産んでいたのが問題でした。

1990年に陸運事業が免許制から許可制に変わり参入規制が下げられ、市場化が進んだ日本は、過当競争とダンピングに陥り、標準化・近代化も進まず、運賃も高いまま貨物量は微減となり2024年問題に陥った。一方、米国はその10年前の1980年に市場化が進み、大規模なインターモーダル化により労働生産性を引き上げ、貨物量は大幅に増加し、標準化・統合集積化・DX化も進んだ。この対比と、明暗を分けた原因について仮説を立てて検証を試みる。
講演録画
開催概要
- 講演テーマ: 物流市場化における日米の明暗 ~2024年問題の本質を探る~
- 講演者: 合同会社 日本鉄道マーケティング 代表 山田 和昭
- 対象者: どなたでもご参加いただけます
- 日時: 2026年4月18日(土)オンラインのみ
物流2024年問題が騒がれましたが、その元となっていたのは1990年の物流二法による規制緩和で過当競争に陥ったことが原因です。その10年前に米国ではMCA(モーターキャリア・アクト)が施行されたのですが、市場が拡大し効率化・近代化だけでなく、鉄道再生や3PLの大発展・物流コストの低減化などが進みました。この差はいったいどこから来たのか?日米にどんな違いがあるのか、掘り下げてみました。
参考
日米の規制緩和と呼ばれた市場設計が分けた明暗
- 2026 物流2024年問題の「その後」を総括:国交省 法規制と市場の二極化が進む現場のリアル
- 1990 物流二法の「誤算」:なぜ日本のトラック運送は持続困難に陥ったのか
- 1980-2025 物流「情報ハブ化」が分けた日米の明暗 構造変革を解明
- 【徹底比較】日米の物流市場デザイン:1980年からの成功と課題
- 官邸・与党・法制局… 制度設計を巡る日本の「見えない門番」たち
- 米日 審議会が市場を殺した?米国APAとの比較、漏れのない制度設計
- 米日 市場規律を支える「規制の番人」米OIRAと日本総務省の比較から見える課題
米国は「規制」から「市場規律の設計」に
米国の市場化は、物流だけでなく、航空・エネルギーと幅広く行われました。その狙いはスタグフレーションの解消。失われた30年が続く日本に示唆があると思えます。カーター政権はノーベル賞受賞者を含む50名規模の頭脳集団を結成し、「規制」を壊し「規律ある市場」を分析し、実装させたのでした。「規制緩和」は効率化につながると日本では言われていますが、元祖のアメリカでは緻密な「市場規律」の設計(デザイン)が行われていたのです。その経緯を追います。










