梅雨の存在感が薄いと思ったら、酷暑がやって来ました。お元気にお過ごしでしょうか?6月のニュースレターをお届けします。先月の後半から、都市計画から公共交通の運行まで、世界的な流れを追いかけてみました。すると結末は意外なところに行きついたのです。猛然と追い越した中国の巨大インフラ事業 に結末がありますが、そこに至るまでの段階的な積み重ねも面白いので、今回は順番に記事を並べてみました。

今までですと、膨大な web 情報や論文を探し回りデータを集め、概念と構造を理解するだけでも1ヶ月以上かかったのですが、今回は​699万記事を擁す集合知 英語版 Wikipedia と AI を使いました。Wikipedia の記事は、多数の参照情報があり、探索を一気に広められます。AI は画像形式で作られ機械翻訳も受け付けない 400ページ超の 中国語 pdf も、フランス語も構造的に要約してくれます。早期に構造を掴み、残りの時間で参照先の情報を確認して理解を深め・広げ、記事の翻訳作業を通じて理解を確認できたのです。世間ではアウトプットに AI を使う例が多いのですが、私はインプット (学習) に使うことに意義を感じています。

目次

  • 音声概要
  • 都市計画から公共交通運行まで、、意外な結末
  • 物流の話題

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都市計画から公共交通運行まで、、意外な結末

田園都市から公共交通志向都市開発、スマートグロースへ

多様な人々が幸せに暮らすには、多様な生き方ができる環境が必要です。そのため、多様性を受け止めるコミュニティ(地域社会)が必要で、それを実現する都市や地域があります。その設計思想は時代と共に移り変わっています。

持続可能な都市モビリティ計画(SUMP)

都市計画を作っても、人が快適に暮らすためには快適に移動できる環境が必要です。欧州で数多くの都市交通計画を作った経験から生み出されたベストメソッドである持続可能な都市モビリティ計画(SUMP) を見てみましょう。

世界最大の公共交通運行事業者Transdevをスタディする

公共交通は計画だけでは走りません。人を雇い、教育し、運行するための組織が必要です。これを世界的に展開するのがグローバル・オペレータ。その最大手、Transdev を学んでみました。

アジアに進出するRATPの現状を見る

前回、世界最大のグローバルオペレータ Transdev を見てみましたが、アジア市場から全面撤退していたので、これを引き継いだ RATP Dev について調べてみました。

交通インフラの規格・体系を決めるSYSTRA

都市計画、交通計画からすぐには運営・運行はできません。輸送実態に応じて、適切なモードや体系を選び、設計し建設するエンジニアリングの段階が必要です。このエンジニアリングで、世界最大の企業は?

猛然と追い越した中国の巨大インフラ事業

ここまで、欧米の手法と企業を学んできました。ところが、ふと気づいたのです。あれ?もしや今はとんでもない強者がいないか?それが中国でした

フランス・中国の流れを見る中で、気づいたのは日本のイノベーション。ここから明るい未来が見えるかもしれません。

集合知 英文Wikipediaの量に慄き、AI NotebookLM/音声要約に震える

交通政策の基盤となっている理論をスピーディに学ぶには?スタート地点に早く着くには集合知とAIの助けが役立つかもしれません。 今回の NEWS LETTER で使った学習方法を簡単にご紹介します。

物流の話題

物流生産性の差と付加価値〝輸送〟を放置するとジリ貧に/中経論壇 6月5日

中部経済新聞 2025年6月5日 中経論壇の投稿。 「物流生産性の差と付加価値〝輸送〟を放置するとジリ貧に」というタイトルで日本国内の物流と米国を比較して、ユニットロード化、規格化、標準化、システム化が立ち遅れていることなどを紹介しています。

図で見る規制を撤廃した欧米 民営化した日本

スタッガー法以降、生産性が上がり運賃が下がった米国の鉄道 なぜこれほどの改善が実現したのか?(資料:AAR)   大規模投資で整備される欧州の内陸コンテナターミナル 利害対立がある中、官民連携した投資で物流の改革が進んだのはなぜか?

世界の鉄道が「ものすごい貨物量」に対応できたワケとは? 「規制で縛る」をやめた結果【物流と鉄道“失われた30年”中編】

執筆記事の掲載。規制緩和政策の紹介です。欧米がコンテスタビリティ理論に基づき規制政策を転換したのに対し、日本は規制はほぼそのままに民営化に進みます。その違いについて経済学の基本的なところから平易に紹介しています。

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