自動車交通が引き起こす公害、交通事故、交通渋滞、騒音、自然環境の破壊といった負の側面は、「社会的費用」として市場価格に適切に反映されることなく、社会全体が負担する「外部不経済」として構造的に放置されてきました。
特に、かつての道路特定財源制度は、「受益者負担の原則」を援用し、実際にはその歳入構造と使途を自動車利用者の便益に著しく偏らせました。この制度は、自動車交通が生み出す甚大な社会的費用を無視するだけでなく、鉄道やバスといった公共交通との間に決定的に不公正な競争環境を創出しました。これは、非自動車利用者を含む社会全体が自動車利用者の生み出す外部不経済を実質的に補助する逆進的な構造であり、宇沢博士が重視した「所得配分の公正性」に明確に反するものでした。
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