2025年12月7日、表記イベントに参加しました。普段は閑散とした伊勢奥津駅は、多くの人で賑わっていました。記念ヘッドマークステッカーは沿線の白山高校生がデザイン。
名松線は鉄道省が1935年12月5日に開業し、当初は名張-松阪間を結ぶ計画でしたが松阪から伊勢奥津までとなりました。その後日本国有鉄道に引き継がれ、1965年には蒸気機関車から気動車に代わり、1987年の国鉄改革でJR東海が運行を引き継ぎました。2009年10月、台風により家城―伊勢奥津間が不通になり廃線も想定されましたが、熱心な存続運動により16億円の費用をかけて、201616年3月に全線が復旧し、当時「奇跡のローカル線」とも呼ばれました。
当日は、津市、JR東海、市民、そしてツアー会社、鉄道イベント会社など、それぞれが協力して90周年を盛り上げていました。伊勢奥津のある美杉地区には気持ちの良い方々がたくさんいて、渡り蝶「あさぎまだら」や温泉や忍者で郷土を盛り上げようとさまざまな活動が行われています。そうした熱い思いに打たれ、地域の外からも美杉を応援する方々が多数おられます。この路線が90年も走り続けているのは、郷土愛に溢れる市民の熱意が息長く続き、自治体と鉄道事業者を動かしているからだと実感できました。
「快速みえ」に使われているキハ75が初入線。津市前葉市長と津クイーン川口亜実さんが出発合図(撮影 原田浩二さん)
記念講演
当日は、大井川鐵道鳥塚社長による記念講演。機芸出版社「シーナリーガイド」に伊勢奥津駅が掲載され「全国の鉄道ファンが憧れている駅」と紹介されました。また、ローカル線が地域の発進に絶大な威力を発揮すること、会津の只見線では台湾インバウンドが多く訪問していることなどが紹介されました。
隣の会場では家族で頑張る鈴鹿市の鈴亀プラレールさんが、アマゴを大量に仕入れ、大量のプラレールと共に展示していました。
記念シンポジウム
若桜鉄道上川社長からは「駅を守る会」の活動、名松線を元気にする会 中田かほる会長からは写真集やかわせみ庵(後述)の活動などが紹介されました
名松線イメージキャラクター奥津はるか
名松線イメージキャラクター「奥津はるか」も名松線を元気にする会を応援し続けています。写真は5代目ななせさんと4代目ひなさん。
初代奥津はるかさん
敬礼が決まっている初代奥津はるかさん。2017年10月撮影。息の長い応援活動です。
美杉愛に溢れる活動
商工会と樋口さんにより、駅前の旧喫茶店を改装し、日替わり店長店と昭和レトロなセットを作りましたた。ここから発信することが夢だそうです。
給水塔
復元・改装され国の有形登録文化財に指定された伊勢奥津駅 給水塔。記念ヘッドマーク付き列車が到着。
会場の黒板アート
会場には見事な黒板アートも展示されていました。
第7回終着駅サミット in 伊勢奥津「昼食と感謝の会」かわせみ庵編
当日、来賓がお弁当をいただく時間を拝借して第7回終着駅サミット in 伊勢奥津「昼食と感謝の会」が伊勢奥津駅近くの「かわせみ庵」にて非公開で開催され、その進行役を仰せつかりました。名松線を元気にする会会長の中田かほるさんの以下の想いを汲み、急遽企画された会でした。
- 前葉津市長、上川若桜鉄道社長、鳥塚社長をお招きして、かわせみ庵で終着駅サミットを開催したい。
上川社長は国の有形登録文化財である若桜駅給水塔を持つもう一つの鉄道としてお招きされたそうです。 - 名松線を最も使う主役である白山高校生の素晴らしい取り組みの発表の場を作りたい。
- 名松線の活動をを支えていただいた善光さん(富山県高岡市)、安藤さん(三重県いなべ市)にもお礼を伝えたい。
かわせみ庵は名松線で来た方々をおもてなしするために中田さんら津市商工会美杉支部女性部の有志7名が、数十年近く運営するミニ道の駅です。その間に苦労や悩みもドラマも多々ありました。(写真:かわせみ庵)

名松線を元気にする会
中田かほるさんとかわせみ庵。柿とキハ11のオレンジがマッチしています。「名松線あっての見過ぎだ」との想いから、沿線の素敵な写真集やカレンダーを発行し、グッズをイベントで販売するなど長らく地道な活動を継続されてきました。
終着駅サミット 善光孝さん
終着駅サミット発起人である善光孝さんからは城端線存続運動の一環で行った終着駅サミットが好評で、氷見線でも開催され、以後継続することとなった経緯などが紹介されました。善光さんは、名松線を守る会の支援を陰日向でされてきました。都市交通政策技術者で、特定非営利活動法人全国鉄道利用者会議副理事長、路面電車と都市の未来を考える考える会 RACDA高岡 幹事でもあります。
左上の題字は地元の書道家の手によるものです。
ASITA (北勢線とまち育みを考える会)軽便鉄道博物館長 安藤たみよさん
2004年1月26日 まで、JR名松線家城駅で使用されていた腕木式信号機を、JR東海より軽便鉄道 博物館に譲渡され、建植・保管されています。博物館は三重県いなべ市にあり、前回の終着駅サミットの開催地でもありました。
白山高校の取り組み
名松線沿線にある唯一の高校、白山高校は名松線を応援する活動に取り組んでいます。浜松の学校までポスター製作を教わりに行き、指導を受けながら撮影デザイン等を行ったり、高田短大とのコラボ、キャラクターを作ったり、毎年多彩な活動を継続されています。
蒲生氏郷公が結ぶ日野・松坂・会津
進行役の山田は、鰹縞の伊勢木綿シャツを着て、若桜と津の繋がりのさわりをご紹介致しました。
豊臣秀吉配下の蒲生氏郷は情に厚く、商業を大切にした武将でした。公は日野商人の商いを盛り立て、日野町から松坂に転封された際には公を慕い多くの商人が松阪に移り住みました。今でも名松線の始発駅である松阪駅前は日野町です。ここから三井など伊勢商人や日本橋で売られた伊勢木綿鰹縞が作られた様です。さらに公は会津に転封され、ここにも多くの商人が招聘され、そこから会津塗りなどが生まれたのでしょう。
お椀と木綿が結ぶ若桜・津・日野
滋賀の奥永源寺でお椀などの木製品をロクロで挽く訓練を積んだ木地師達
終了後、かわせみ庵前にて
津市広報ページより
JR名松線は全線開業90周年!!記念イベント&終着駅サミットを開催します
12月7日(日曜日)9:00~開催します!

開催日時
- 令和7年12月7日(日)午前9時から午後3時まで
- 午後3時30分から午後5時まで(津市商工会美杉支部が伊勢奥津駅前BALを開催)
開催場所
JR名松線伊勢奥津駅周辺及び津市八幡地域住民センター
イベント内容
名松線の全線開業90周年記念と、終点伊勢奥津駅が「終着駅」であることから終着駅サミットを同時開催します。
タイムスケジュール
| 名松線全線開業90周年記念事業&第7回終着駅サミット時刻表 Meishô Line 90th Anniversary Event Timetable
伊勢奥津駅周辺会場 Around Ise Okitsu Station |
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| 内容
Event details |
会場
Event venue |
|
| 9:00~ 9:35 | 記念式典 | 屋外ステージ |
| 9:45~10:45 | 記念講演会 | 津市八幡地域住民センター
多目的ホール |
| 11:10~11:30 | 記念列車出発式 | 伊勢奥津駅構内 |
| 11:50~12:45 | 記念シンポジウム | 津市八幡地域住民センター
多目的ホール |
| 13:10~16:00 | ステージイベント | 屋外ステージ |
| 9:00~15:00 | 伊勢奥津駅前マルシェ・公式グッズ販売
記念撮影・モルック体験・トイレール展示 |
伊勢奥津駅周辺・
津市八幡地域住民センター内 |
| 15:30~17:00 | 伊勢奥津駅前BAL | 伊勢奥津駅周辺 |
内容をもっと詳しく!
(1) イベントの詳しい内容はEvent詳細(外部リンク)から
(2) チラシは、こちら(PDF/1MB)
(3) 情報番組
11月22日(土曜日)からZTV「What’s Up!(津放送局)」でもイベント情報を紹介いたします。
ぜひご覧ください。(11月22日~11月29日放送)
注:番組表はこちら(外部リンク)

イベント詳細をピックアップ!
記念講演会
講師に大井川鐡道(おおいがわてつどう)代表取締役社長 鳥塚 亮(とりづか あきら)さんをお招きします。
- 開催時間 9時45分から10時45分まで
- 開催場所 津市八幡地域住民センター多目的ホール
- 入場料 無料(事前申し込み不要)
- 演題 「地域と歩む鉄道の未来」
- 講師 鳥塚 亮 さん

大井川鐡道代表取締役社長 鳥塚 亮 さん
記念出発式
普段から名松線で活躍するキハ11形車両にヘッドマークを付けた記念列車が運行します!
記念列車は、記念イベント当日の出発式を始まりに、令和8年2月末まで運行予定です。
ヘッドマークは、白山高校生が製作した名松線90周年記念ロゴを使っています。
また、出発式のために津市長が伊勢奥津駅の一日駅長に、津クイーンの川口亜実(かわぐち あみ)さんが一日駅員にそれぞれ就任され、記念列車の出発合図を行います。
記念列車出発時刻 令和7年12月7日 午前11時30分

2025津クイーン 川口 亜実 さん
記念シンポジウム
「終着駅から始まる地域の未来 ~ローカル鉄道と持続可能なまちづくり~」と題し、鉄道事業と地域づくりの関係に通じた識者と、名松線の利用促進に取り組む地域団体の代表らにお話しをお聞きします。
- 開催時間 11時50分から12時45分まで
- 開催場所 津市八幡地域住民センター多目的ホール
- 入場料 無料(事前申し込み不要)
- テーマ 「終着駅から始まる地域の未来 ~ローカル鉄道と持続可能なまちづくり~」
- パネラー 大井川鐡道代表取締役社長 鳥塚 亮さん、若桜鉄道(わかさてつどう)代表取締役(若桜町長) 上川 元張(かみかわ もとはる)さん、写真家 長谷 茂(はせ しげる)さん、名松線を守る会会長 岸野 隆夫(きしの たかお)さん、名松線を元気にする会会長 中田 かほる(なかた かほる)さん
- コーディネーター 津市長 前葉 泰幸(まえば やすゆき)

- 若桜鉄道代表取締役社長(若桜町長) 上川 元張 さん
伊勢奥津駅前マルシェ&BAL
イベント当日は、伊勢奥津駅周辺を交通規制し、地元特産品販売や飲食ブース等が立ち並びます。午後3時までは特産品販売を中心としたマルシェを、午後3時30分からは美味しい料理とお酒で名松線の90周年を祝うBALを開催します。
伊勢奥津駅前BALとは?
JR名松線の終着駅である伊勢奥津駅にて、沿線地域が誇る地元特産品で最高のおもてなしを提供する場を地域で作ろうという気持ちを込め、「Best Authentic Local」(最高で、信頼できる、地元の)の頭文字を取って名付けました。
90周年キャンペーンはその他にも
名松線小学生作品特別展示
毎年津市が募集している名松線小学生作品について、90周年記念展示を行います。
普段とは異なり、名松線の車両内や松阪駅の構内にも掲示されます!
ぜひお誘い合わせてご観覧ください。

| 作品種別 | 展示場所 | 展示期間 |
| 画用紙(ヨコ) | 名松線車両(キハ11形)内 注1 | 令和7年11月15日~令和8年2月末(予定) |
| 画用紙(タテ) | 松阪駅構内 | 令和7年11月15日~令和8年2月末(予定) |
| 写真(タテ・ヨコ) | 松阪駅構内 | 令和7年11月15日~令和8年2月末(予定) |
| 工作 | (1)津市美杉総合支所
(2)津市八幡地域住民センター |
(1)令和7年11月1日~令和7年12月4日
令和7月12月9日~令和8年2月末(予定) (2)令和7年12月7日 |
注1:作品は複数のキハ11形車両に分けて展示されます。ダイヤによって観覧者の作品が展示されている以外の車両の場合があります。あらかじめご了承ください。
もう一つの特別記念列車
快速みえ等の車両として紀勢本線を走るキハ75形車両が、名松線を走ります!
記念イベント当日の朝、特別ツアー列車として名古屋駅を出発し、松阪駅を経由して名松線の通常ダイヤを運行します。
特別ツアーの販売方法は、クラブツーリズム鉄道部公式Xを御確認ください。
JR名松線Gallery
JR名松線Gallery(外部リンク)では、JR名松線の様々な写真のほか、関連団体などの情報がご覧になれます。
















