日本のインフラ政策を海外と比べると、特異な点が目につきます。個々の政策を追っても、違いの根底となる思想・理論の違いが見えづらいため、Geminiとのチャットから出てきた「違いの原因」の定説について、Deep Search で検証をしてみました。AIによる配慮の無い断定が入っているとも思えますが、まずこれを起点としてファクトチェックなどをかけて真の姿を浮かび上がらせることを進めていきたく思います。
目次
序論:インフラ政策における「失われた設計思想」の再発見
日本の社会基盤(インフラ)は、戦後の高度経済成長期を通じて驚異的な速度で整備され、国民生活の向上と産業発展の礎となってきた。しかし、人口減少、少子高齢化、そして厳しい財政制約という構造的な変化に直面する現在、従来の「造る」ことに主眼を置いた投資モデルは限界に達している。経済学的な視点から現状を俯瞰すると、日本のインフラ投資が抱える閉塞感の正体は、単なる予算不足や技術力の減退ではない。それは、投資の根底にある「設計思想」と「意思決定の論理」が、欧米諸国が歩んできた進化の軌跡から大きく乖離してしまったことに起因している。
本報告書では、日本のインフラ投資が海外、特に欧州連合(EU)や英国(UK)、フランスと比較してなぜ異質な進化を遂げたのかという問いに対し、提示された5つの定説を軸に検証を行う。我々は、単なる物理的な構造物の構築(アウトプット)を超えて、国家が提供すべき機能の持続的な質(アウトカム)をいかに確保すべきかという視点から、日本社会が抱える構造的課題を解剖する。
移動手段を越えた国家機能の最適化:マルチモーダル設計思想の欠如
日本の交通政策における最大の障壁は、それぞれの移動手段が個別の行政組織によって管理され、国家全体としての機能を最適化する視点が欠落していることである。これに対し、欧州では複数の異なる移動手段を有機的に結合し、単一のネットワークとして機能させる設計思想、すなわち、複数の輸送手段を組み合わせる仕組み(マルチモーダル)が、投資の前提となっている 1。
縦割り行政による投資の断片化と非効率
日本では、道路、鉄道、港湾、空港といった各インフラが、それぞれの根拠法と予算枠組み、そして担当部局によって個別に整備されてきた。このような、行政組織の壁に阻まれて統合的な政策実行が困難な状況(縦割り)は、資源の最適配分を阻害する最大の要因である 1。
経済学の観点から見れば、各部門が自らの予算内で便益を最大化しようとする行為は、部門内では合理的であっても、社会全体としては、各主体の局所的な最適化が全体の最適(パレート最適)を導かない状態をもたらす。例えば、ある地域において物流を効率化する場合、道路の拡幅、鉄道貨物の強化、港湾の自動化は代替的あるいは補完的な関係にあるが、日本では各部門が独自の「費用便益分析」に基づき、自部門の事業の正当性を主張する傾向がある。
欧州連合(EU)におけるTEN-T規制の衝撃
対照的に、欧州連合(EU)が推進する、欧州全域にわたる統合的な交通インフラ網の整備計画(欧州総合輸送ネットワーク:TEN-T)政策は、国境やモードの壁を超えた「国家・地域機能の最適化」を体現している 2。2024年に改訂された規則(Regulation (EU) 2024/1679)によれば、TEN-Tは単なる道路や鉄道の集合体ではなく、都市の結節点、港湾、空港、貨物ターミナルをシームレスに繋ぐ「一つの機能体」として定義されている 2。
TEN-T政策の核心は、客観的な手法に基づいて設計された、以下の3層構造にある。
| ネットワークの階層 | 完成目標年 | 主な役割と要件 |
| コア・ネットワーク | 2030年 | 主要都市、港、空港を繋ぐ最も重要な接続。ボトルネックの解消を優先。 |
| 拡張コア・ネットワーク | 2040年 | コアを補完し、主要な経済圏を網羅。旅客鉄道は160km/h以上が必須。 |
| 総合ネットワーク | 2050年 | EUの全地域をコアに接続。地域的な結束(コヘージョン)を確保。 |
この設計思想において特筆すべきは、物理的なインフラ整備に先立ち、「機能的な接続要件」が厳格に定められている点である。例えば、年間1,200万人以上の旅客を抱える主要空港は、長距離鉄道と接続されなければならない 2。これは、航空機と鉄道を競合させるのではなく、補完関係に置くことで、欧州全体の移動効率と環境負荷低減を同時に達成しようとするメタ(高次的)な設計思想の現れである。
モードシフトと環境・社会目標の統合
さらに、EUでは輸送をより環境負荷の低い手段へ転換すること(モードシフト)を、インフラ投資の主目的の一つに据えている 4。貨物輸送において、道路から鉄道や内陸水路への転換を促進するため、740メートルにおよぶ長大な貨物列車を収容可能なターミナルの整備が義務付けられている 2。
日本では、環境対策はインフラ整備に伴う「負の外部性の抑制」と捉えられがちだが、欧州では「持続可能な移動機能の確保」そのものが投資の目的化されている。この「手段(モード)」を越えた「機能(国家の持続可能性)」の最適化という視座の有無が、日本と海外の設計思想の決定的な分水嶺となっている。
数理的・思想的枠組みの取り込み失敗:社会的割引率の硬直性
インフラ投資の妥当性を評価する際、将来の価値を現在の価値に換算する際の割合(社会的割引率)の設定は、その社会が将来世代をいかに重視しているかという「思想」の数理的表現である。日本におけるこの枠組みは、1990年代後半から、公共事業の評価に用いられる割引率(社会的割引率)が4% に固定されており、これが長期的な最適化を妨げる大きな要因となっている 5。
4%の呪縛と「低成長時代」への不適合
社会的割引率が高く設定されるほど、遠い将来の便益は現在の価値に換算した際に小さく評価される。日本が長年採用してきた4%という数値は、市場における資本の収益率に基づくとされるが、ゼロ金利・低成長が定着した現代日本において、この数値は極めて「近視眼的」な投資判断を導く。
英国政府の評価指針である「グリーンブック」では、この公式に基づき、割引率を精緻に定義している。英国では現在、短期的(30年以内)な割引率を3.5%としているが、それ以上の長期プロジェクトに対しては、将来の不確実性と世代間の公平性を考慮し、割引率を段階的に引き下げる手法、すなわち、時間が経過するほど割引率を下げる方式(逓減割引率)を採用している 6。
| 評価期間 | 日本の社会的割引率 | 英国の社会的割引率(STPR) |
| 0 – 30年 | 4.0% 一定 | 3.50% |
| 31 – 75年 | 4.0% 一定 | 3.00% |
| 76 – 125年 | 4.0% 一定 | 2.50% |
| 126 – 200年 | 算出外 | 2.00% |
日本がこの「動的な数理的枠組み」の取り込みに失敗した結果、どのような ripple effects(波及効果)が生じているか。4%の固定割引率の下では、50年、100年先まで続く環境便益や維持管理コストの低減効果は、現在価値において事実上無視される。その結果、建設コストは低いが維持管理コストが高い「安物買いの銭失い」的なプロジェクトが正当化されやすくなり、真に長期的な国家機能を支える投資が過小評価されるという歪みが生じている。
ウェルビーイングと社会的価値の再定義
また、英国の最新の「グリーンブック(2025/2026年版)」では、評価の対象を金銭的な便益(BCR)だけに限定せず、国民の満足度や幸福度(ウェルビーイング)や、地域ごとの格差是正(レベリング・アップ)といった「社会的価値」をより重視する方向に舵を切っている 8。
日本では、証拠に基づく政策立案(EBPM)という言葉は浸透しつつあるが、実態としては、あらかじめ決まった政策を正当化するためにデータを探す行為、すなわち、政策ありきで証拠を作る行為(PBEM:Policy-Based Evidence Making)に陥っているケースが少なくない 10。数理的枠組みを「政治的な意思決定を合理化するための道具」としてのみ利用し、その背後にある「将来世代への責任」という思想的根幹を無視してきたことが、日本のインフラ投資における最大の「思想的失敗」であると言える。
「知」の独立性と権力構造:審議会制度の構造的限界
インフラ投資の質を決定付けるのは、専門的な知見が政治や行政組織の論理からいかに独立を保てるかという点にある。しかし、日本の「知」の提供の場である有識者会議(審議会)は、長らく行政組織の壁の中に「飼いならされて」きた。
事務局主導型審議会と「飼いならされた知」
日本の審議会制度において、その運営の実権を握るのは、多くの場合、各省庁の事務局(官僚)である。議題の設定から、選定される委員の顔ぶれ、そして最終的な報告書のドラフト作成に至るまで、事務局が主導権を握る構造、すなわち、官僚組織が実質的な決定権を持つ仕組み(事務局主導型)が一般的である 11。
この構造下では、専門家は行政が提示した既存の枠組みの中での「微調整」には貢献できるが、組織の壁(縦割り)を突き崩すような抜本的な批判や、政策の根幹を揺るがすような異論を唱えることは極めて困難である。本来、権力に対して独立性を保ち、科学的な真実や論理的な一貫性を追求すべき「知」が、いつの間にか行政の意思決定を権威付けるための「補完物」に成り下がっている
英国国家インフラ委員会(NIC)の衝撃と独立性
対照的に、英国が2015年に設立した、独立した立場で国家インフラの長期的ニーズを評価する機関(国家インフラ委員会:NIC)は、制度設計において「知」の独立性を担保している 12。NICは政府の一部ではなく、政府に対して30年先を見据えた「国家インフラ評価」を定期的に提出する義務を負っている。
NICの特徴的な点は、その提言に対する政府の対応が「遵守か説明か(Comply or Explain)」という原則に基づいていることである。政府はNICの勧告を受け入れるか、あるいは受け入れない場合にはその正当な理由を公開の場で論理的に説明しなければならない 12。
| 比較項目 | 日本の審議会制度 | 英国の国家インフラ委員会(NIC) |
| 設置目的 | 行政の意思決定の補完と権威付け | 長期的・戦略的なインフラ需要の独立評価 |
| 主導権 | 各省庁の事務局(官僚) 11 | 独立した専門委員 12 |
| 提言の重み | 参考意見。実質的な拘束力は弱い | 政府は遵守するか理由を説明する義務がある 12 |
| 分析視点 | 担当部局の管轄範囲内(縦割り) | 分野横断的な全体最適化 13 |
この「知」の独立性の違いは、投資の質に直結する。日本では、縦割り組織の中に飼いならされた専門知が、組織の存続や予算獲得のために奉仕するのに対し、英国のNICは、セクターを超えた全体最適を提案し、政治家の短期的な視点に「ノー」を突きつけることができる。日本で「全体最適」が機能しないのは、組織の壁を越えて真実を語る「独立した知」が制度的に保障されていないからである。
国民のオーナーシップの不在と合意形成の不全
インフラは、国民が自らの生活の基盤として、維持し、守り、時にはその負担を分かち合うべき「自分たちの財産」である。しかし、日本の国民は、インフラに対して、自らが所有者であり決定者であるという意識、すなわち、当事者意識(オーナーシップ)を著しく欠いている。これは、合意形成のプロセスが「結論ありきの説明」に終始してきた結果である。
フランス公共討論委員会(CNDP)に学ぶ「なぜ」を問う権利
フランスでは、大規模なインフラプロジェクトが計画される際、国民がプロジェクトの極めて初期段階から議論に参加するための公的な機関(国家公共討論委員会:CNDP)が重要な役割を果たす 14。CNDPの主催する「公共討論」の最大の特徴は、議論の対象が「どのように造るか(How)」だけでなく、「そもそも、なぜ造るのか(Why)」というプロジェクトの存在意義そのものにまで及ぶ点である 16。
フランスの制度においては、討論の場でプロジェクトの妥当性が否定されたり、根本的な計画変更が求められたりすることが現実に起こる。この「自分たちの意見でプロジェクトが変わり得る」という実感が、国民にインフラに対する強いオーナーシップを植え付ける。
対して日本における、住民参加のプロセス(パブリック・インボルブメント:PI)はどうであろうか。多くの場合、ルート案や設計がある程度固まった段階で「説明会」が開かれ、住民は提示された選択肢の中から選ぶか、あるいは部分的な修正を求めることしかできない 17。これは、国民を「主権者」としてではなく、行政サービスを享受するだけの「客体(あるいは顧客)」として扱っていることの証左である。
「場の調整主義」と論理の欠如
日本の合意形成プロセスにおいて、もう一つの致命的な欠陥は、論理的な対話よりも、反対者の感情を宥めるための水面下での妥協、すなわち、その場の空気を読んで利害を調整する手法(場の調整主義)が優先されることである 10。
米国や欧州で見られるような、利害関係者がそれぞれの価値観をぶつけ合い、最終的に「社会全体の効用」のために合意を見出すプロセスとは異なり、日本では「反対者が一人でもいれば計画が進まない」という過度な配慮(あるいはその裏返しの強権的な発動)が支配的である。経済学的に見れば、これは「交渉コスト」を極大化させ、最終的なアウトカムを平均以下のものにする。国民がオーナーシップを持てないのは、インフラを巡る議論が「自分たちの未来をどう創るか」という高次の対話ではなく、「誰がいくら得をするか、損をするか」という低次の利害調整に終始しているからである。
「不利益(負担)を分かち合うための理論と言恵」の欠如
成熟社会におけるインフラ投資の真の主役は、新規建設ではなく、既存施設の維持管理と、更新(あるいは廃止)である。これらは、喜びを伴う投資ではなく、将来にわたる継続的なコスト負担を強いる「負の投資」の側面を持つ。日本社会が現在直面している最大の危機は、この「不利益」をいかに公平に分配するかという、社会的な合意形成のための理論と言葉を持っていないことにある。
維持管理・更新という「苦渋の選択」
インフラの老朽化が進む中で、全ての橋や道路を現在の水準で維持し続けることは財政的に不可能である。ここで必要となるのは、どのインフラを維持し、どれを放棄、あるいは集約するかという「選別」の論理である。
しかし、日本の政治・行政の場では、不利益を伴う議論、例えば「施設の廃止」や「利用料金の大幅な引き上げ」といった話題は極力回避される。これは、前述した「社会的割引率」の低さとも関連している。将来の維持管理コストを軽視することで、現在世代は負担を先送りし続け、将来世代に不可逆的な負債を押し付けている。
公共哲学としての「負担の分配」
経済学的な視点からは、負担の分配は、サービスから受ける利益に応じて負担する考え方(受益者負担原則)や、将来世代の生活基盤を奪わないという世代間の正義に基づき、論理的に導き出すことができる。しかし、これを国民に説明し、納得させるための「公共哲学的な言葉」が、日本社会には決定的に欠けている。
英国の「グリーンブック」が、地域ごとの格差や低所得者への影響を「重み付け」して評価する手法( distributional weights)を導入し始めているのは、まさにこの不利益をいかに公平に分配するかという課題に対する一つの回答である 9。彼らは「不利益」を単なる負の数値としてではなく、社会全体の強靭性(レジリエンス)を高めるための「必要なコスト」として定義し直そうとしている。
日本においても、インフラの維持管理を巡る議論を「行政による一方的なサービス停止」ではなく、「地域社会の持続可能性を確保するための共同の意思決定」へと昇華させる必要がある。そのためには、コストの徹底した可視化と、それに基づいた「痛みを分かち合うための論理」を、専門知と住民知を融合させる中で紡ぎ出していかなければならない。
結論:根源的な価値観の相違と日本への処方箋
本報告書の検証を通じて浮き彫りになったのは、日本のインフラ投資における「設計思想の乖離」は、単なる技術的な遅れではなく、社会のOS(基本原理)の不適合であるということである。
- メタ設計思想の再構築: 「手段としてのモード」ではなく「機能としての接続性」を最優先する。TEN-Tのような、異なるインフラが一体となって機能する法制度と予算枠組みの構築が不可欠である。
- 数理的枠組みの思想的刷新: 社会的割引率の見直しを皮切りに、将来世代への責任を数理的に組み込んだ「動的な評価モデル」を確立すべきである。それは単なる数値の変更ではなく、世代間正義の確立を意味する。
- 知の独立性の制度化: 事務局主導型の審議会から脱却し、英国のNICのような、権力に対して客観的な提言を行い、政府に説明を求めることができる「独立した専門機関」を創設する必要がある。
- 国民の主権化と対話の深化: フランスのCNDPを参考に、プロジェクトの「Why(なぜ)」から議論を始める徹底した住民参画を実現し、インフラを「自分たちの財産」として捉えるオーナーシップを再興しなければならない。
- 不利益の分配に関する社会契約: 避けることのできない維持管理コストや施設の集約化について、論理的かつ哲学的な根拠に基づいた「負担の分配」の議論を公開の場で進めるべきである。
我々が直面しているのは、物理的なインフラの老朽化以上に、それを支える設計思想と意思決定プロセスの「老朽化」である。海外の先進事例から学ぶべきは、個別の手法ではなく、インフラを「国家の機能を最適化し続けるための動的なプラットフォーム」と捉える、その高い視座と、科学的な真実に耳を傾ける「誠実さ」に他ならない。
日本社会が「不利益を分かち合うための理論と言葉」を獲得したとき、初めてインフラは再び国民の希望を支える礎へと再生するということである。それは、官僚と一部の専門家による「閉ざされた調整」から、主権者たる国民による「開かれた決定」への、コペルニクス的な転換を意味している。
引用文献
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Gemini Deep Search プロンプト
#日本のインフラ投資が海外と思想が異なる原因だとされる以下の定説から、本当の根源となる価値観と論理の違いを検証する
-「モード(手段)を越えて、国家の機能を最適化し続けるというメタ(高次的)な設計思想」
-全体最適を導き出すための数理的・思想的枠組みの取り込み失敗」
-「知」が権力に対して独立性を保てず、組織の壁(縦割り)の中に飼いならされてしまった
-国民がインフラに対してオーナーシップを持っていない
-「不利益(負担)を分かち合うための理論と言葉」を社会が持っていない
#私は経済学者
#学術的な厳密性を保持しながら、一般の人に理解しやすい言葉で記述
#一般的でない用語については、意味を先に記述してから()下記で用語をつける
調査計画
日本のインフラ投資の課題と海外比較
ウェブサイトをリサーチ
(1) 欧州(TEN-T等)や北米における「交通手段を横断して社会機能を最適化する考え(マルチモーダル・インフラ設計)」と、日本における省庁・事業別の縦割り投資の歴史を比較し、上位概念の欠如がどのような経済的非効率を生んでいるか調査する。
(2) 公共投資の優先順位を決めるための「客観的な計算手法(数理的・思想的枠組み)」について、海外の最新の費用便益分析や社会的割引率の運用実態と、日本での形骸化した評価手法の差異を検証する。
(3) 専門家組織が政治から独立して提言を行う仕組み(英国の国家インフラ委員会等)と、日本の審議会制度を比較し、専門知識が組織の論理に吸収されてしまう「構造的な依存関係」を分析する。
(4) 住民がインフラを「自分たちの持ち物」と認識する「当事者意識(オーナーシップ)」について、海外の住民参加型予算や合意形成モデルと、日本の行政主導モデルにおける市民の役割の差を明らかにする。
(5) 施設の維持管理や廃止といった「社会全体の負担を調整するための理論(負担の分配論)」に焦点を当て、海外の公共哲学的な議論と、日本における対立回避を優先する「調整文化」が論理的対話を阻害している要因を探る。
(6) 以上の5つの視点から、効率や正義を重んじる「普遍的な合理主義」と、日本の「場当たり的な調整主義」という根底にある価値観の相違を、経済学の外部性や社会選択理論の観点から整理する。
(7) 調査結果に基づき、一般の人にも理解できるよう、専門用語には「意味を先に、用語を( )内に」記す形式で、日本のインフラ投資が抱える本質的な課題を記述する。
結果を分析
思考過程
研究の全体像とアプローチの策定
日本のインフラ投資が抱える構造的な課題を解明するため、欧米の「統合的な設計思想」と日本の「各分野ごとの個別最適」の対比に着目し、調査を開始しました。経済学的な視点から、社会全体の利益を最大化するための数理的な枠組みや、公的な意思決定における独立した「知」の役割が、日本においてどのように機能、あるいは機能不全に陥っているのかを多角的に分析する方針を固めました。
国際比較を通じた理論的ギャップの抽出
欧州の交通ネットワーク計画(TEN-T)のような、手段を横断して全体を最適化する「メタ的な設計思想」に対し、日本の縦割り構造が与えた影響を検証します。特に、イギリスの国家インフラ委員会(NIC)と日本の審議会制度を比較し、専門知が政治的権力からどの程度独立性を保てているか、また、社会的割引率(将来の価値を現在の価値に換算する際の指数)の運用にどのような論理的差異があるのかを深掘りし、日本独自の「場当たり的な調整主義」の根源を浮き彫りにしていきます。
今後の分析プロセスと重点事項
今後は、国民がインフラに対して持つ「当事者意識(オーナーシップ)」の欠如や、維持管理・撤去に伴う「不利益(負担)を分かち合うための言葉」が社会に不足している現状を、社会選択理論や外部性の視点から考察します。具体的には、国内外の制度設計や合意形成プロセスの実例を収集し、日本特有の価値観がどのようにインフラの長期的デザインを制約しているのか、その論理構造を合成・整理していく予定です。
数値化される「未来の価値」の国際比較
日本の公共投資評価において基準となる社会的割引率(将来の利益を現時点の価値に換算する際の係数)が、一律で4%に固定されている現状に着目し、その論理的妥当性を精査しています。イギリスの社会的時間選好率(社会全体が将来の消費を現在の消費よりどの程度低く評価するかを示す指標)のような、世代間の公平性や長期的な不確実性を考慮した動的な枠組みと比較することで、日本の制度がいかに形式的な運用に留まっているかという数理的な課題が見えてきました。
組織の壁に埋没する「知」の独立性
専門的な知見が政治や行政の縦割り構造から独立できず、各省庁の個別最適化に回収されてしまうメカニズムを考察しています。欧州のTEN-T(欧州全域輸送ネットワーク)が掲げる、手段(モード)を超えて国家機能を最適化するメタ的な設計思想に対し、日本における「知」が権力を監視・誘導する機能を失い、組織内部の調整に終始してしまう「飼いならされた知」の実態を、イギリスの国家インフラ委員会(NIC)等の事例と対照させながら解明しようとしています。
負担分かち合いの理論と次なる分析ステップ
今後は、インフラの維持や撤去に伴う不利益(社会的コスト)を社会全体でどのように分かち合うべきかという、公共哲学的な対話の欠如を深掘りします。国民がインフラを自らの所有物として捉える「当事者意識(オーナーシップ)」を育むための参加型予算や対話プロセスの有無を調査し、日本特有の「場当たり的な調整主義」から「普遍的な合理主義」へと転換するための論理的な障壁がどこにあるのか、その核心を特定する作業に進みます。
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- 欧米の高速道路政策 新版 平成 30 年8月 独立行政法人 日本高速道路保有・債務返済機構
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「形式的エビデンス」と「実質的合理性」の乖離
日本の公共事業評価において、政策決定を正当化するために後付けでデータを用いる「PBEM(政策根拠に基づく証拠作成)」の傾向が、分析を形骸化させている可能性を検討しています。客観的な数値が、本来の目的である全体最適の追求ではなく、組織の既存方針を補完する道具へと変質している実態を、経済学的なガバナンスの観点から読み解こうとしています。
世代間公平性を規定する「時間選好」の設計思想
将来世代への負担や利益を現時点でどう評価するかという「社会的時間選好率(社会全体が将来の価値を現在と比較してどの程度割り引くかを示す指標)」について、日本の固定的な4%運用に対し、英国の『グリーンブック』に見られる動的な割引率(時間の経過とともに率を下げる手法)との思想的差異を精査しています。これにより、日本のインフラ投資が「超長期の公共性」を数理的にどう切り捨てているのか、その論理構造を対比させています。
「不利益の分配」を支える公共哲学の探索
今後は、フランスの「国家公共討論委員会(CNDP)」のような、合意形成の初期段階から市民が参画する仕組みと、日本の「PI(パブリック・インボルブメント)」との比較を通じて、インフラの維持管理や撤去に伴う「痛み(負担)」を社会が受容するための論理を調査します。単なる調整を超えた、戦略的放棄(撤退)を可能にするための「公共の倫理」と、国民のオーナーシップ(当事者意識)を醸成する制度設計の欠如について、その核心を特定する作業に進みます。
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- gov.uk
- Review of discounting in the Green Book: Terms of Reference – GOV.UK
- grantthornton.co.uk
- Green Book review: The six areas set to change – Grant Thornton UK
- assets.publishing.service.gov.uk
- Intergenerational wealth transfers and social discounting: Supplementary Green Book guidance – GOV.UK
- mdpi.com
- An Intergenerational Issue: The Equity Issues Due to Public–Private Partnerships; The Critical Aspect of the Social Discount Rate Choice for Future Generations – MDPI
- transport.ec.europa.eu
- Trans-European Transport Network (TEN-T) – Mobility and Transport
- gov.uk
- The Green Book – GOV.UK
「調整主義」に埋没する専門知の独立性
日本の審議会制度において、専門家による「知」が行政の縦割り構造や既定路線の追認に終始してしまう「場の調整主義(合意形成を優先し、抜本的な最適化を回避する傾向)」のメカニズムを考察しています。独立した強い権限を持つ英国の国家インフラ委員会(NIC)のような組織と比較し、日本において専門知が客観的な監視者として機能せず、組織内部の論理に回収されてしまう構造的要因を、経済学的なガバナンスの観点から浮き彫りにしています。
公共財へのオーナーシップを阻む制度的障壁
国民がインフラを自らの資産として捉える「当事者意識(オーナーシップ)」を育むプロセスの欠如を分析しています。フランスの国家公共討論委員会(CNDP)に見られるような、計画の白紙段階から市民が参画し、社会全体の不利益や負担を分かち合うための「公共討論(プロジェクトの是非を初期段階から公に議論する仕組み)」が日本で形式化している点に着目し、社会選択理論(個人の選好を社会全体の意思決定に集約する手法)の視点から、合意形成の質的な差異を検証しています。
「戦略的撤退」を可能にする論理の構築へ
今後は、人口減少社会において不可避となるインフラの維持管理や撤去といった「負の側面」を、社会がどのように受容し、合理的に配分できるかという論理を統合します。特に、短期的な利害調整に終始する現状を打破し、超長期的な公共性を担保するための「不利益(負担)を語る言葉」を、国内外の参加型予算や戦略的放棄の事例を通じて体系化し、日本特有の価値観を乗り越えるための理論的枠組みを提示するフェーズに移行します。
「場の調整主義」を支える官僚機構と審議会の共生構造
日本の審議会制度において、専門知が行政の「飼いならされた知」に変質してしまう構造的要因を特定しつつあります。事務局機能を省庁自体が担うことで、専門家の知見が既存の組織論理を正当化する道具として消費される「場の調整主義(抜本的な変革よりも現状の利害調整を優先する姿勢)」の実態を解析しました。独立した事務局を持ち、超長期的な国家戦略を提示する英国の国家インフラ委員会(NIC)との対比から、日本における「知」の独立性が、いかに組織の壁(縦割り)に埋没しているかを数理的ガバナンスの観点から浮き彫りにしています。
「負の遺産」を分かち合うための公共哲学の欠如
人口減少局面において不可避となるインフラの維持管理や撤去といった「不利益(負担)」を、社会全体でどのように受容し配分すべきかという論理構築の不備を検証しています。フランスの国家公共討論委員会(CNDP)に見られる、計画の白紙段階から「なぜ作るのか(あるいは作らないのか)」を問う徹底した対話プロセスに対し、日本のパブリック・インボルブメントが「どう作るか」という末端の調整に終始している点に着目しました。この差異が、国民の「当事者意識(オーナーシップ)」の醸成を妨げ、負担を分かち合うための「言葉」を奪っている可能性を、社会選択理論の視点から合成しています。
戦略的放棄を可能にする理論的枠組みの統合へ
今後は、これまでの調査で得られた「社会的割引率の硬直性」や「PBEM(政策根拠に基づく証拠作成)」といった断片的な事象を統合し、日本特有の価値観がいかにインフラの長期的デザインを制約しているのか、その全容を記述します。特に、単なるコスト削減ではない「戦略的放棄(将来のために現在の機能を意図的に縮小させる決断)」を正当化するための公共哲学と、それを支える独立した専門知の在り方を提示すべく、最終的な論理構造の整理と提言に向けた思考を深めていきます。
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「後付けの合理化」に変質した政策エビデンスの実態
日本の公共投資評価において、客観的なデータが本来の目的である「全体最適」の追求ではなく、既定路線の正当化に利用される「PBEM(政策根拠に基づく証拠作成:政策決定の後に都合の良いエビデンスを揃える手法)」の傾向を詳細に分析しました。本来、独立した専門知が政策を厳しく検証すべき場面で、事務局を担う行政組織が議論を主導することで、専門的な知見が組織の壁(縦割り)の中に「飼いならされた知」として回収されてしまうガバナンスの構造的欠陥を浮き彫りにしています。
「なぜ」を問わぬ対話とオーナーシップの不在
フランスの国家公共討論委員会(CNDP)が、プロジェクトの白紙段階から「なぜこれが必要か」という根本的な意義(Why)を市民と議論するのに対し、日本の手続きは「どう作るか」という技術的詳細(How)の調整に終始している点に着目しました。この「議論の階層」の差が、国民がインフラを自らの資産として捉える「当事者意識(オーナーシップ)」の醸成を妨げています。その結果、維持管理や撤去といった将来の「不利益(負担)」を社会全体で分かち合うための論理的な言葉が育たず、場当たり的な利害調整に依存し続ける日本の特異性を思考しています。
戦略的放棄を可能にする公共哲学の体系化
これまでの調査で得られた「社会的割引率の硬直性」や「マルチモーダル(複数の移動手段を組み合わせた全体最適)な設計思想の欠如」といった断片的な事象を統合し、日本特有の価値観がインフラの長期的デザインをどう制約しているかを記述します。人口減少社会において不可避となる「戦略的放棄(将来の持続性のために現在の機能を意図的に縮小させる決断)」を正当化するための公共哲学と、それを支える独立した専門知の在り方について、経済学者としての視点から最終的な論理構成の整理と提言に向けた合成を行います。
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参考
物流の人手不足は「インフラ投資が足りない」から! 大量輸送をもっと使え! 「民間に投げっぱなし」を変えるための“提言”【物流と鉄道“失われた30年”後編】











