若桜鉄道 若桜線2030年、夢の姿
開業100年を迎えた若桜鉄道 若桜線は観光・通勤に便利な鉄道となっており、沿線は観光が産業となり観光客で賑わい、子育てがしやすい鳥取市のベッドタウンとしても変容しつつある。
若桜鉄道は地域に貢献している事が認められ、上下分離のスキームはそのままに黒字を出し続けられるようになり、今後は納税等を通じて財政面での貢献も果たすことを目指す。名実ともに日本一の地域鉄道となっている。
2030年、道路には自動運転車が走り、ボタン一つで目的地に快適に運んでくれる。免許がなくとも自由に移動できる時代になっている。
それにもかかわらず若桜鉄道は多数の通勤通学客を運んでいる。なぜなら通勤通学に便利な時間帯に列車が走り、通勤通学用に車を買わずに済むので家計は助かり、車内では楽しげに高校生や通学者が交流できるからだ。水戸岡デザインの後継観光車両はテーブルもあり、学生は小さい子に勉強を教えたり、通勤者は一杯やることもある。こうして列車が人と人をつなぎ地域のまとまりが良くなっていく。おかげで沿線は孤独に運転をするだけの自動車通勤時代では考えられない活気にあふれている。
列車には階段無しで乗り降りでき、駅前には列車に合わせてバスや自動運転車の乗合タクシーが待機し、自宅まで送迎してくれる。バスは宅配便の荷物も一緒に運ぶこともあり運行コストを抑えつつ便利で快適な暮らしを守る。駅前にはワンコイン食堂があり、暖かくて綺麗なトイレもあるので地域の人が毎日立ち寄り集い、地域のつながりが強くなり助け合いが促されるとともに、共働き世帯や独居世帯も助かるし高齢者も野菜作りや調理の腕をふるえ生きがいにもなっている。食事のたびに駅に出て人に出会う、駅から列車も便利なので出歩きが促され、引きこもりの高齢者も減り、健康的な生活になり医療保険費も縮小している。
病院やショッピングセンターは駅近くに建てられ、若桜鉄道のホームから直結しているので、買い物や通院も便利だ。月に1度は列車に保健師が乗り込み、健康指導や食事指導なども行う。訪問指導に比べて効率も良いし、移動時間が有効に使え、通院の介助も兼ねられると好評だ。
列車の本数も増え、部活帰りなどの時にあった長い待ち時間も解消された。バスと鉄道の定期券は共通化され沿線住民には年間パスが安く販売され気軽に利用できる。終列車の後には年間パスで割引利用ができる深夜バスや乗合タクシーも走るので、残業や飲み会のある人も年間パスを使って通勤しやすい。環境が良く家も安く子育てしやすく移動にも不便を感じないので、若桜谷には鳥取市内から引っ越してくる人が増えている。
昼間や休日には観光客が多く訪れる
自動運転車の登場で地方鉄道はあらかた消えたなか、鉄道そのものが文化財・観光資源・通勤手段となっているので、かえって若桜鉄道は希少となり価値が上がった。
若桜鉄道沿線は昔ながらの美しい里山が残る地域なので、民泊や農業体験など日本の暮らしの体験が人気になっている。まるで養子縁組か親戚のように、毎年何度も通ってくる常連も多い。若桜の木地師、氷ノ山の雪遊び、大江ノ郷、竹林公園とミニSL博物館、光澤寺、若桜鉄道もさまざまな体験プログラムを提供している。水戸岡デザインの観光車両は、遊覧列車として車内コンサートやショーやイベント、車窓ガイドなど観光客を楽しませるプログラムの会場として使われており予約がなかなか取れないほどの人気だ。各駅には地域の方々が楽しく集うワンコイン食堂やカフェなどがあり、観光客も立ち寄り交流の輪に入る。若桜駅を降りると、水戸岡デザインの暖簾がかかる景観が統一された美しい街並みと個性的なお店が並び、列車と徒歩で廻るのが楽しい地域となっている。
昭和谷
若桜谷には昭和の情景・暮らしが色濃く残っているので、「昭和谷」としてブランド化をすすめている。これは、鳥取や島根の場所を知らなくとも、「昭和谷」という名前ならば広めやすいからである。昭和は戦前、戦中、戦後、高度成長期、石油ショック、バブル と多様な時代を含むため、谷の各地にテーマを持たせることができる。
氷ノ山スキー場は「バブルのスキー場」として、バブル時代を懐かしむ人たちや「バブルってどんな時代だったのか?」興味を持つ若者が多く訪れている。ジュークボックスやディスコ、黒服、シーマ、懐かしいスキーウェアやゲレンデ花火遊びなど、ちょっとした演出が人気を呼んでいる。
若桜宿は戦前の昭和の伝統的建築物が多く残るため、名家の婚礼・ひな祭り・端午の節句などの行事を擬似体験できるプログラムが人気だ。富枝や郡家に残る商店街はAlways三丁目の夕日のような戦後高度成長期の雰囲気をもつお土産品街に。田畑では昔ながらの農法でおいしいコメ野菜を作る体験プログラム。竹林公園ではたけのこ掘りや竹細工作り、ミニSLも昭和の鉄道情景を再現している。このように谷の各地に点在する観光プログラムを観光列車「昭和」がつなぎ、昭和谷の象徴・看板となっている。
これらのプログラムは「昭和谷営業局」が作り上げ、世界に向けて宣伝・販売している。電話一本で相談できコンシェルジュが旅程作り・予約・料金決済・チケット送付まで行ってくれるサービスが好評で、教育旅行やインバウンドの受け入れも盛んだ。外人には日本を深く体験できると「Showa Valley」は長期滞先として人気だ。
若桜鉄道株式会社の姿
若桜鉄道は地域に貢献している事が認められ、上下分離のスキームはそのままに社員待遇を改善しても黒字を出し続けられるようになり、今後は沿線への経済効果だけでなく納税や行政の負担軽減を通じて、若桜鉄道自身も財政面での貢献も果たすことを目指す。名実ともに日本一の地域鉄道となっている。鳥取県の優秀企業としてマスコミの取材も多く入り、運転士、駅長、工務・電気、車両など各部門の社員がたびたび新聞やテレビに登場している。
職場 明るく仕事がしやすい事務所、暖かくくつろげ仮眠もできフリードリンクも飲める休憩室、照明も明るく暖房も効き、足場や手すり安全帯など安全が配慮され整理整頓が行き届いた検修庫。
運転士・車掌 基本動作がキビキビしているだけでなく、車両にも詳しく故障や事故の予知予測の能力が高いと業界でも評判の運転士。10分以内の車両故障特定と応急処置も全員が行え、他社から視察も相次ぎ他社乗務員の育成も要請されるようになりつつある。車掌は乗車券類の発行のみならず、車窓の案内などお客様との接客も良く、お目当の車掌を訪ねて来るお客様もいるほどだ。
当務駅長 運転規則に詳しく、異常時の取り扱いも完璧にこなす。JRの新人訓練にも協力し、乗務員の信頼も厚い。
工務・電気 工事の積算、補助金の申請、検査や工事の立会で作業品質や安全を高いレベルに保つ。施設が原因となる事故・遅延がゼロなのが誇りだ。また、地元業者の育成にも励み、発注工事を通じて技術向上を図るとともに、地域経済にも配慮をしている
車両 新車導入により自社車両はすべて置き換えられ、故障は激減した。車両部門は大井川鉄道のように保存車両のレストアや整備も担うほか、除雪機械、圧雪車などの修理・改造も請け負う。将来的には他社鉄道車両の修理・改造も請け負う。
管理部門 経理・総務の定常業務はクラウドサービスを駆使して残業ゼロで正確かつ効率的に実施している。商業高校のインターンシップを受け入れ、優秀な人材確保に努めた結果、従来の要員数で他社の業務も一部請け負えるようになってきた。将来的には他社の鉄道事務受託を狙う構想もある。
営業部門 昭和谷営業局と連携し、若桜鉄道を使う観光商材の企画・開発・販売・手配を行う。体験運転はグレードアップし、鉄道員体験などはインバウンドや学習旅行の目玉商材となっている。
定例会議では打ち解けながらも緊張した雰囲気で、各部門の計画や課題が共有される。すべてがこの場で決まるので、小気味好く物事が進んでいく。運転関係での気づき、インシデントなどは共有され、安全レベルは上がり続けている。家族や友人を招いたバーベキューや食事会なども開催され、家族ぐるみの温かい繋がりが広がっている。
ここまでに至る道のり
観光
- H26 若桜鉄道の観光化を始め、若桜谷観光号を開始
- SL走行社会実験、ピンクSLなどで知名度を向上させるとともに、観光化への練度を上げる、団体バスツアー造成を促進する
- H28 読売ツアーで1,015名を受け入れ、団体ツアー受け入れを本格化
- H29 4回の読売ツアー受け入れと他社団体で年間2万人以上を受け入れる
- 同年、昭和谷の統合的な商材開発・販売・マーケティングを行う地域経営プラットフォーム「昭和谷営業局」を沿線企業が共同出資で設立。ブランド化により個人客・インバウンド客を引き込む。
- H30-32 観光車両が1両づつデビュー
- H31 昭和谷営業局は、連携範囲を但馬地区にも拡大。
- H40 水戸岡デザイン観光車両3両が後継の新車に更新
ライダー
- H26 HOME8823開業
- H28 隼ラッピングでスズキとのタイアップを強化、Base8823開業
- H28 全国をバイクで廻るBikeお遍路を提案、
- H30 昭和谷営業局が主導でBikeお遍路をプログラム化
- 隼駅が全国ツーリングのメッカとなる
公共交通
- 2016 公共交通網形成計画で若桜谷全体の公共交通の利便性向上を計画
- 2017-22 再構築実施計画で若桜鉄道の運行を改善
- さらに再編実施計画でバスと鉄道のダイヤや運賃の連携・統合が進む
若桜鉄道の位置付け
- 従来:地域の足を維持する→縮小する旅客輸送、赤字拡大、
経営に無理が生ずる、行政負担増大、存廃論議
スクールバス化で通学輸送の役割も縮小 - 2014年より 地域活性化への貢献を開始
- 2015年より SL走行社会実験で13,468人が集まり、1,805万円の経済波及効果、4,745万円の広告換算効果が出る
- 地域の象徴、地域活性化への期待が沿線に生まれ、若桜鉄道が観光の軸となる、そのためにも車両を自治体が所有し存続させることが総合戦略にも盛り込まれる
- H28 観光車両発表、観光化への期待がさらに高まる
- H29 昭和谷営業局、運輸連合などが始まる
- H31 増発、通勤輸送の強化始まる
社内の体制
- 経理・総務部門の確立と、共通事務センターへの委託、会計のガラス張り化
- 昭和谷営業局への営業委託・商品共同開発
- 安全・サービス向上計画に則った人材育成
いただいたコメント
- 心地良い環境を守り、持続可能な発展の軸として期待が膨らむのでシェアさせていただきます。感謝。







