私が訪れた地域鉄道の多くでは、個人旅行客の獲得が難しいため、旅行会社への送客依頼に営業が靴をすり減らしていました。パック・団体旅行を獲得できれば売上は立ちますが、これだけに依存すると4つの問題があります。

  • パック旅行、団体旅行ともに利幅が小さい
  • 大人数を受け入れる施設を作り、維持しなければならない
  • パック旅行はシェアが小さく、リピーターにならない
  • 団体旅行のシェアはわずか4.5%で、しかも減少傾向

まず、パック旅行、団体旅行とも団体割引で一人当たりの運賃収入が低く抑えられてしまいますので、鉄道事業者の利幅が小さくなってしまいます。また、普段人が少ない所に一度に多数の方が来ると、宿泊・食事・トイレなどの迎え入れ施設も規模が必要となりますが、年間を通して団体が来なければ大きな施設の維持は難しくなります。さらに、パック・団体旅行は市場に問題があります。

パック旅行はシェアが小さく、リピーターにならない

宿泊旅行全体の中で旅行会社が販売するパック旅行は15%[1]にすぎません。これに対し、個人旅行は実に85%です。

個人旅行とパック旅行
また、旅行会社は顧客に多数の行き先を勧めており、お客様が同じ観光地を繰り返し訪問してリピーター化する事は考えてくれません。著名な観光地でない限り、旅行業者の顧客リストが一巡すると、例えツアーを企画してもお客様が集まらず催行されない様になってきます。

団体旅行のシェアはわずか4.4%で、しかも減少傾向

職場やサークルなどの団体旅行はわずか4.4%。95%は一人旅、家族、グループの旅行です。

団体客は少ない

また、団体旅行のシェアは5年連続で減少し、一人旅は8年連続で増加しています。

減り続ける団体旅行

[1]出典 じゃらんリサーチセンター 2013年7月

このように利幅もシェアも小さく先細りなパック・団体客にばかりに頼ると、会社の業績も先細りになってしまう恐れがあるのです。

個人旅行客獲得のメリット

一方、もし個人旅行客が獲得できると、パック・団体旅行にくらべて以下のようなメリットがあります。

  • 業績を向上しやすくなる
    シェアが大きく成長している個人旅行市場を獲得できれば、市場の成長に乗って業績を向上しやすくなります。
  • 宿泊施設、休憩・食事の施設の規模が小さくとも対応できる
    一度に来る方が多くないので、大規模な施設が無くともお客様をお迎えできます。受け容れ施設の整備を待つ必要がありません。
  • 接客の距離が近いので、リピーター化しやすい
    団体と異なり、列車アテンダントはお客様一人一人に深く対応ができるため「あの人にまた会いたい」とリピーター化しやすくなります。大規模な旅館ではなく民宿に泊まることで、そこの主と語り合い地域の暮らしを知り愛着を持ち始めるきっかにもなります。暖かい「人」との濃い交流が、リピーター作りには有効です。
  • 個人客がリピーター化すると経営が安定する
    「お得意様」となるリピーターが増えれば、鉄道も沿線施設も安定した収益を得られるようになり、業績の見通しも立てやすくなります。

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