【スライド】KK04 Public_Investment_Evaluation_Theory

【ラジオ】KK04_鉄道の存続を決める命の値段

交通インフラへの投資判断はどう評価すべきか。Kaldor-Hicks基準に基づく費用便益分析(CBA)の理論的基盤、Ramseyの最適貯蓄率理論に遡る社会的割引率論争、そしてCBAでは捉えきれない価値を補う多基準分析(MCA)を、一次文献に基づき整理する。KKシリーズ第4回。既刊PA/PAMシリーズのTAG・HEAT・VPF・WEIを理論的に位置づけ直す。

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はじめに

本稿はKKシリーズ第II部の第2回として、交通インフラへの投資判断そのものを評価する理論――費用便益分析(CBA)・多基準分析(MCA)・社会的割引率論――を扱う。KK01第2章2.3で確認した通り、事業評価論(H43)は、KK01第3章で確認した規範的分析の系譜(第二基本定理が想定する一括的な再分配手段が現実には利用できないという制約)を出発点とし、限られた財源をどの事業に配分すべきかという資源配分問題に対する、公共経済学からの体系的な解答を提供する理論領域である。KK02第1章1.1で確認した通り、この領域は既刊のPE01〜18(政策評価理論と実践シリーズ)が扱ってきた実務的な評価手法論と密接に関わるが、本稿ではPE既刊シリーズが確立した実務的な知見を前提としつつ、その理論的な基礎――なぜCBAという手法が正当化されるのか、なぜ社会的割引率という論争的な変数が必要とされるのか、そしてCBAでは捉えきれない要素をMCAがどう補完するのか――を、公共経済学の一次文献に遡って整理することを目的とする。

本稿の構成は次の通りである。第1章では投資評価手法論の全体像として、CBAとMCAの理論的な位置づけの違いを確認する。第2章ではCBAの理論的基盤であるKaldor-Hicks基準を確認する。第3章では社会的割引率をめぐる論争を、Ramseyの最適成長論からIPCC・英国財務省の実務的な指針にまで至る系譜として整理する。第4章では投資評価におけるリスクと不確実性の理論を、Arrow-Lind定理を中心に確認する。第5章ではMCAの理論的基礎とCBAとの補完関係を確認する。第6章では、既存のPA/PAMシリーズが扱ってきた英国の交通評価フレームワーク(TAG Unit A4.1、HEAT、VPF)、および広域経済効果(WEI)を、本稿で確立した理論的枠組みの中に位置づけ直す。

本稿と既刊のKK01〜KK03との対応関係を整理すると、次の表の通りとなる。

本稿の理論 KK既刊での対応する先行理論 接続の性格
Kaldor-Hicks基準(本稿第2章) 厚生経済学の第一・第二基本定理(KK01第2章) パレート基準の緩和としての位置づけ
Little-Mirrleesのシャドウプライス理論(本稿第2章) Diamond-Mirrleesの生産効率性定理(KK01第3章) 最適課税論の事業評価への応用
社会的割引率論(本稿第3章) Ramsey(1927)最適課税論との理論的兄弟関係(KK01第3章) 同一著者による貯蓄論と課税論の並行的発展
リスク・不確実性論(本稿第4章) KK01第3章の一括税の理念との構造的類似(リスクの薄い分散) 公共投資特有のリスク負担理論
MCA(本稿第5章) 受益者負担原則・効率性と公平性の区分(KK01第3章) 効率性基準を超えた評価軸の理論的正当化
WEI(本稿第6章) Krugmanの新経済地理学モデル(KK02第1章) 集積の経済という外部性の一形態としての理論化

1. 投資評価手法論の全体像

1.1 CBAとMCAの理論的位置づけの違い

交通インフラへの投資評価には、大別して二つの理論的系譜が存在する。第一は費用便益分析(Cost-Benefit Analysis、CBA)であり、これは事業がもたらすあらゆる便益と費用を単一の貨幣尺度に集約し、その差(純便益)が正であるかどうかを基準に事業の是非を判断する手法である。第二は多基準分析(Multi-Criteria Analysis、MCA)であり、これは効率性だけでなく、公平性・環境影響・地域振興といった、貨幣換算が困難な、あるいは貨幣換算になじまない複数の評価軸を明示的に並置し、それらを何らかの方法で統合して意思決定を支援する手法である。

この二つの手法の理論的な違いは、単なる技法上の違いにとどまらない。CBAは、KK01第2章2.3で確認した厚生経済学の第一基本定理・第二基本定理を理論的な出所とし、効率性という単一の規範的基準のもとで、あらゆる便益・費用を共通の尺度(貨幣価値)に還元することを目指す。これに対しMCAは、効率性という基準そのものが、公平性・環境といった他の社会的に重要な価値と必ずしも両立しないという認識、あるいはそもそも一部の価値を貨幣換算すること自体に理論的・倫理的な困難が伴うという認識から出発する。この意味でMCAは、CBAが依拠する厚生経済学的な効率性基準の限界を補完する、あるいはそれとは異なる規範的立場に立脚する手法として位置づけることができる。

MCAの理論的な系譜は多岐にわたるが、大きくは、複数の評価基準を単一の指標に加重集約する「加重和法(weighted sum method)」、意思決定者の判断を階層的に構造化して重み付けを行うThomas L. Saatyの「階層分析法(Analytic Hierarchy Process、AHP)」、そして代替案間の優劣を、基準ごとの優位性・劣位性の組み合わせから判定する「アウトランキング法(outranking methods、ELECTRE法・PROMETHEE法等)」という、三つの主要な手法群に整理することができる。これらの手法は、いずれも複数の評価基準を扱う点で共通するが、加重和法が最終的に単一の総合指標を算出する点でCBAに近い性格を持つのに対し、アウトランキング法は、必ずしも単一の指標への集約を前提とせず、代替案間の部分的な優劣関係のみを明らかにするにとどめる点で、より緩やかな統合を志向するという違いがある。この手法の多様性は、KK06以降で交通事業の評価にMCAを適用する際に、どの手法を採用すべきかという、追加的な検討課題を提起する。

KK01第2章2.3で確認した通り、KK01ではこの二つの評価軸の違いを、公共経済学における「効率性」と「公平性」の区分そのものに遡って予告していた。本章以降では、この二つの手法それぞれの理論的基盤を、順を追って確認していく。

CBAとMCAの理論的な位置づけの違いは、両者が想定する意思決定者像の違いとしても整理できる。CBAは、単一の社会厚生関数を最大化しようとする、KK01第1章1.4で確認した「慈悲深い独裁者」に近い意思決定者を暗黙に想定し、あらゆる利害を単一の指標に集約した上で機械的に判断を下すことを理想とする。これに対しMCAは、複数の評価基準・複数の利害関係者の存在を明示的に認め、その調整過程そのものを意思決定の一部として組み込む。この違いは、KK02第4章で確認した政治経済学の視座――政府を単一の合理的主体としてではなく、複数の利害関係者から構成される複合的なアリーナとして捉える視座――とも呼応しており、MCAは、CBAよりも実証的な政治経済学の知見に親和的な評価手法であるとも言える。この点は、KK08で扱う交通インフラ整備の合意形成過程を検討する際に、改めて重要な視座となる。

2. 費用便益分析(CBA)

2.1 理論的基盤(Kaldor-Hicks基準)

CBAの理論的な正当化根拠となっているのが、Nicholas Kaldorが1939年に発表した論文「Welfare Propositions of Economics and Interpersonal Comparisons of Utility」と、John R. Hicksが同年に発表した論文「The Foundations of Welfare Economics」で、それぞれ独立に提示した補償原理(compensation principle)である[1]。Kaldorは、ある政策変更によって利益を得る者(受益者)が、損失を被る者(被害者)に対して、仮想的に補償を行ってもなお利益が残る場合には、その政策変更は望ましいとみなすべきであるという基準を提示した[1]。重要な点は、この補償が実際に行われる必要はなく、あくまで理論上、補償が可能であることのみが要求される点にある。Hicksは、これとほぼ同じ結論に、被害者の視点――損失を被る者が、政策変更を回避するために支払ってもよいと考える最大額が、受益者が政策変更を実現するために支払ってもよいと考える最大額を下回る場合には、当該政策変更は望ましいとする視点――から到達した[1]。

このKaldor-Hicks基準は、KK01第2章2.3で確認したパレート基準――誰も損をせず少なくとも一人が得をする場合にのみ改善とみなす、より厳格な基準――を緩和したものとして位置づけられる。パレート基準のもとでは、現実の政策変更の大多数(必ず何らかの敗者を生む)を評価することができないのに対し、Kaldor-Hicks基準は、仮想的な補償可能性という、より操作可能な基準を導入することで、CBAという実務的な政策評価手法を成立させる理論的な土台を提供した。この基準は、しばしば「潜在的パレート改善(potential Pareto improvement)」とも呼ばれる。

もっとも、Kaldor-Hicks基準には理論的な限界も存在する。第一に、実際に補償が行われない限り、政策変更によって損失を被る者は現実に不利益を受け続けることになり、この基準は分配的な公正さについては何も語らないという批判がある。第二に、「シトフスキー・パラドックス(Scitovsky Paradox)」と呼ばれる論理的な不整合の可能性が指摘されている。これは、ある状態Aから状態Bへの移行がKaldor-Hicks基準のもとで改善とみなされる一方で、逆に状態Bから状態Aへの移行もまた同基準のもとで改善とみなされてしまうという、循環的な評価が生じうることを指す。この限界は、KK01第2章2.3で確認した「効率性」と「公平性」の区分の重要性を改めて裏付けるものであり、Kaldor-Hicks基準に基づくCBAが、あくまで効率性の側面のみを評価する手法であって、分配的な公正さについては別途の検討(本稿第5章で扱うMCA、あるいはKK01第3章で確認した受益者負担原則等)が必要であることを示唆している。

Kaldor-Hicks基準のもう一つの実務的な含意として、分配加重(distributional weights)の導入という考え方がある。これは、Kaldor-Hicks基準が原理的には分配を無視するという批判に対応するため、便益・費用の発生する対象(所得階層、地域)に応じて、異なる重みを付して集計するという手法である。本稿2.2で確認するLittle-Mirrleesの著作は、まさにこの分配加重を明示的に組み込んだ先駆的な事業評価手法として知られており、後年の版では、限界効用逓減の仮定に基づき、低所得層への便益をより高く評価する重み付けが提案されている。この分配加重という考え方は、KK01第3章で確認した最適課税論における社会厚生関数のアプローチとも理論的に連続しており、CBAという一見「効率性のみ」を扱う手法の内部にも、公平性を組み込む理論的な拡張の余地が存在することを示している。

2.2 Little-Mirrleesのシャドウプライス理論とCBA実務の体系化

Kaldor-Hicks基準という理論的正当化を、実務的に適用可能な手法へと体系化する上で大きな役割を果たしたのが、Ian M.D. LittleとJames A. Mirrleesが1974年に発表した著作『Project Appraisal and Planning for Developing Countries』である[2]。この著作は、当初は開発途上国における公共投資事業の評価を主たる対象として書かれたものであるが、その理論的枠組みは先進国における公共事業評価にも広く応用されてきた。Little-Mirrleesの中心的な貢献は「シャドウプライス(shadow price、影の価格)」という概念の体系的な導入にある。シャドウプライスとは、市場価格が政府による規制・課税・独占といった要因によって歪められている場合に、真の社会的機会費用を反映するように補正された価格を指す。Little-Mirrleesは、貿易財についてはその国際価格(ボーダープライス)を、非貿易財についてはそれを生産する貿易財の投入から間接的に算出される価格を、それぞれシャドウプライスとして用いるべきであるとする方法論を提示した[2]。

この理論は、KK01第3章で確認した最適課税論――とりわけDiamond and Mirrleesの生産効率性定理――と密接な関係にある。すなわち、Little-Mirrleesのシャドウプライス理論は、Diamond and Mirrleesが示した「標準的条件のもとでは公共部門による生産は私的部門との間で生産要素の配分を歪めるべきではない」という定理を、個別事業の評価という実務的な文脈に落とし込んだものとして理解することができる。この理論的な連続性は、公共経済学における最適課税論と事業評価論とが、しばしば同一の研究者(この場合はJames A. Mirrlees)によって、一貫した理論的枠組みのもとで発展させられてきたことを示す好例である。

Little-Mirrleesの著作が当初の対象とした開発途上国の文脈では、シャドウプライスの算定がとりわけ重要な意味を持っていた。開発途上国においては、為替レートの人為的な過大評価、関税による国内価格の歪み、労働市場における失業の存在といった要因により、市場価格が真の社会的機会費用から大きく乖離していることが多く、市場価格をそのまま用いて事業評価を行うと、著しく誤った投資判断を導きかねない。Little-Mirrleesは、この問題に対応するため、貿易財については国際価格を基準とし、労働については、都市部での雇用に伴う機会費用(農村部での産出減少)を反映した「シャドウ賃金率」を用いるべきであるとする、体系的な方法論を提示した。この方法論は、1970年代から1980年代にかけて世界銀行をはじめとする国際開発機関の事業評価実務に大きな影響を与えたが、Little and Mirrlees自身が1990年に発表した回顧的な論文「Project Appraisal and Planning Twenty Years On」では、シャドウプライス手法の実務における複雑さが、必ずしも当初期待されたほどには活用されなかったことも率直に認められている。

今日広く用いられているCBAの標準的な教科書的整理としては、Anthony E. Boardman、David H. Greenberg、Aidan R. Vining、David L. Weimerによる『Cost-Benefit Analysis: Concepts and Practice』が国際的に広く参照されている。この教科書は、Kaldor-Hicks基準・Little-Mirrleesのシャドウプライス理論といった理論的基礎の上に、実際の事業評価において便益・費用をどのように測定し、どのように現在価値に割り引き、どのように感度分析を行うべきかという、実務的な手続きを体系的に整理したものであり、KK01第4章で確認したPE01〜18シリーズが依拠してきた実務的手法論の、国際的な学術的裏付けを提供するものとして位置づけられる。

主要先行研究

本節で扱ったCBAの理論的基盤の主要文献を一覧すると、次の通りとなる。

領域 文献 要点
補償原理(Kaldor基準) Kaldor (1939) 受益者が被害者に仮想的に補償してなお利益が残る場合の政策変更の正当化
補償原理(Hicks基準) Hicks (1939, 1940) 被害者の視点からの等価な基準の提示
シャドウプライス理論 Little and Mirrlees (1974) 市場価格の歪みを補正した社会的機会費用の測定手法
CBA実務の体系的教科書 Boardman, Greenberg, Vining, and Weimer Kaldor-Hicks基準に基づく実務手続きの標準的整理

3. 社会的割引率論争

3.1 世代間衡平性とRamseyの最適成長論

交通インフラのように便益・費用が数十年にわたって発生する事業を評価する際には、将来の便益・費用を現在価値に換算するための「社会的割引率」の設定が、CBAの結論を左右する決定的に重要な変数となる。この社会的割引率の理論的な起点となるのが、Frank P. Ramseyが1928年に発表した論文「A Mathematical Theory of Saving」である[3]。Ramseyは、経済全体の最適な貯蓄率(裏を返せば最適な割引率)を、動学的な効用最大化問題として定式化し、社会的割引率が、(1)純粋な時間選好率(現在の消費を将来の消費より本質的に選好する度合い)と、(2)将来世代の消費水準が現在世代を上回ると予想される場合の限界効用逓減効果(一人当たり消費の成長率に、消費の限界効用の弾力性を乗じたもの)という、二つの要素の合計として表されることを示した[3]。

この定式化――今日「ラムゼー方程式」と呼ばれる――の理論的に興味深い点は、純粋な時間選好率をどう設定すべきかについて、鋭い倫理的対立を含む点にある。Ramsey自身は、将来世代の効用を現在世代の効用よりも低く評価すること(すなわち正の純粋時間選好率を設定すること)は「倫理的に擁護しがたい(ethically indefensible)」との立場を取り、純粋時間選好率をゼロに近い値に設定すべきであると主張した。この立場は、KK01第3章で確認した最適課税論の理論家の多くにも共有されており、Little-Mirrleesの著作を含む一連の開発経済学的な事業評価論もまた、Ramsey型の低い割引率を志向する傾向を持ってきた。他方で、実務的な観点からは、現在世代の消費と将来世代の消費とを完全に等価に扱うことは、現在世代に対して非現実的なまでに高い貯蓄・投資を求めることになりかねないという批判もあり、この対立は今日に至るまで解消されていない。

この対立は、しばしば「規範的アプローチ(prescriptive approach)」と「記述的アプローチ(descriptive approach)」の対立として整理される。規範的アプローチは、Ramsey自身が採った立場であり、割引率がどうあるべきかを、世代間衡平性という倫理的な原理から演繹的に導出しようとする。これに対し記述的アプローチは、実際の市場における金利・投資収益率を観察し、そこから逆算的に社会的割引率を推定しようとする、より実証的な立場を取る。この二つのアプローチは、しばしば大きく異なる数値の割引率を導出することが知られており、規範的アプローチは一般に低い割引率(年率1〜2%程度)を、記述的アプローチはより高い割引率(年率4〜7%程度)を、それぞれ導出する傾向がある。この数値の違いは、数十年にわたる交通インフラ事業の評価において、将来便益の現在価値評価に極めて大きな影響を及ぼすため、どちらのアプローチを採用するかという選択自体が、事業評価の結論を左右する重要な政策判断となる。

3.2 IPCC・Arrow et al.(1996)による整理と割引率論争の現代的展開

社会的割引率をめぐる倫理的・理論的対立を、気候変動政策という具体的な政策領域において整理した重要な文献が、Kenneth J. Arrow、William R. Cline、Karl-Göran Mäler、Mohan Munasinghe、Robin Squitieri、Joseph E. Stiglitzが1996年に、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第二次評価報告書の一部として発表した論文「Intertemporal Equity, Discounting, and Economic Efficiency」である[4]。この論文は、割引率をめぐる論争が、(1)将来世代の効用そのものをどう割り引くか、(2)将来のドル建ての価値をどう割り引くか、(3)将来の環境汚染をどう割り引くか、という三つの異なる問いを混同する形で行われがちであることを整理し、効率性の観点からの議論と倫理の観点からの議論とを明確に区別する必要性を強調した[4]。

この論争のその後の展開として重要なのが、割引率を時間の経過とともに逓減させる「逓減型割引率(declining discount rate)」の考え方である。この考え方は、将来の割引率そのものに不確実性が存在する場合、理論的には遠い将来に適用されるべき割引率が、近い将来に適用される割引率よりも低くなるべきであることを示すものであり、Arrow自身も含む複数の経済学者による2012年から2014年にかけての一連の研究によって、より精緻に理論化されてきた。この逓減型割引率の考え方は、数十年単位の耐用年数を持つ交通インフラの評価においても、実務的に重要な含意を持つ。すなわち、遠い将来に発生する便益・費用(例えば、長期的な環境影響や、次世代における都市構造への影響)を、近い将来の便益・費用と同じ割引率で機械的に割り引くことは、遠い将来の便益・費用を過小評価することにつながりかねないという問題意識が、近年の実務的な割引率設定の指針にも反映されるようになってきている。

3.3 実務指針への反映(HM Treasury Green Book等)

本稿3.1・3.2で確認した理論的な蓄積は、各国政府の公式な事業評価指針にも反映されてきた。英国財務省が発行する『The Green Book』は、Ramsey方程式に基づく社会的割引率の算定式を明示的に採用し、かつ、3.2で確認した逓減型割引率の考え方を実務に取り入れ、評価対象期間が長期にわたる事業については、期間の経過とともに段階的に低下する割引率を適用するという指針を示してきたことで知られる。この逓減型割引率の採用は、KK01・KK02で確認したPA/PAMシリーズが扱ってきた英国のTAG(Transport Analysis Guidance)体系とも整合的であり、TAG Unit A4.1が定める社会的割引率の扱いは、まさに本節で確認した『The Green Book』の一般原則を、交通事業の評価に応用したものとして位置づけることができる。この接続については、本稿第6章で改めて詳しく確認する。

主要先行研究

本節で扱った社会的割引率論争の主要文献を一覧すると、次の通りとなる。

領域 文献 要点
最適貯蓄率・割引率の理論的定式化 Ramsey (1928) 純粋時間選好率と限界効用逓減効果の合計としての割引率(ラムゼー方程式)
気候変動政策における割引率論争の整理 Arrow, Cline, Mäler, Munasinghe, Squitieri, and Stiglitz (1996) 効率性論と倫理論の区別、IPCC第二次評価報告書
逓減型割引率の理論化 Arrow et al.(2012年以降の一連の研究) 遠い将来ほど低い割引率を適用すべきとする理論的根拠

4. 投資評価におけるリスクと不確実性

4.1 Arrow-Lind定理(1970年) ― 公共投資のリスク負担理論

本稿第2章・第3章で確認したCBAの理論的基盤(Kaldor-Hicks基準、Little-Mirrleesのシャドウプライス理論)と社会的割引率論は、いずれも将来の便益・費用が確実に生じることを暗黙の前提としてきた。しかし現実の交通インフラ投資は、需要予測の誤差、建設費用の超過、技術的な陳腐化など、多くの不確実性を伴う。この不確実性を公共投資の評価にどう組み込むべきかという問いに、基礎的な理論的解答を与えたのが、Kenneth J. ArrowとRobert C. Lindが1970年に『American Economic Review』誌に発表した論文「Uncertainty and the Evaluation of Public Investment Decisions」である[5]。この論文が示した命題は、今日「アロー=リンド定理(Arrow-Lind theorem)」として広く知られている[5]。

Arrow-Lind定理の核心は、民間投資であれば当然に要求されるリスクプレミアム(不確実性を負担することへの追加的な報酬)を、公共投資については、一定の条件のもとで、理論上ゼロに近づけることができるという、直観に反する結果にある。この結果が成立する論理は次の通りである。民間投資の場合、投資家は少数であり、投資の成否に伴うリスクは、その少数の投資家に集中的に帰属する。これに対し公共投資の場合、そのリスクは、理念的には、その国・地域のすべての納税者・受益者に、極めて薄く分散される。ArrowとLindは、個々人のリスク回避度が一定であっても、リスクが著しく多数の主体に分散される場合には、社会全体として負担すべきリスクプレミアムの総額は、人数の増加とともにゼロに収束することを、厳密に証明した[5]。この結果が成り立つための条件として、(1)政府がまず投資費用を全額負担し、便益の分配段階で初めて課税を通じた回収を図ること、(2)投資の収益が個々人の所得と統計的に独立であること(あるいはその相関の方向に応じてリスクプレミアムの符号が調整されること)、(3)投資の便益が十分に多数の人々に分散されること、という三つの前提が置かれている。

Arrow-Lind定理が交通インフラ投資評価に持つ実務的な含意は大きい。すなわち、交通インフラのように、便益が広く地域住民・国民全体に分散する事業については、需要予測の不確実性等を理由に、民間の資本コストに準じた高いリスクプレミアムを割引率に上乗せする必要はなく、期待純便益(不確実性を考慮した上での便益の期待値)のみに基づいて評価してよいという、本稿第3章で確認した社会的割引率論に対する重要な補足を提供する。この含意は、KK01第3章で確認した最適課税論における一括税の理念(個々人への負担を薄く広く分散させることで効率性を実現するという発想)と、理論的に同型の構造を持つ点でも興味深い。

4.2 Arrow-Lind定理への批判と限界

もっとも、Arrow-Lind定理は、その後の金融経済学の発展によって、重要な理論的限界が指摘されるようになった[6]。1970年代以降に発展した資本資産価格モデル(CAPM)をはじめとする現代ファイナンス理論は、投資のリスクを「分散可能な固有リスク(idiosyncratic risk)」と「分散不可能な市場リスク(systematic risk)」とに区別し、投資家が要求するリスクプレミアムは、後者の市場リスクにのみ依存することを示した。Arrow-Lind定理が主として念頭に置いていたのは、個々の公共投資に固有のリスク(当該事業特有の需要予測誤差等)であり、これは確かに、投資を多数の主体に分散させることで平均化・相殺されうる性質のものである。しかし、公共投資の収益が、景気循環など経済全体の変動と相関する市場リスクの要素を含む場合には、Arrow-Lind定理が示すようなリスクプレミアムのゼロへの収束は成立せず、むしろ市場で観察される資本コストに近い割引率を適用すべきであるとする批判が、1980年代以降のファイナンス理論の観点から提起されてきた。

この理論的な緊張関係は、KK04本稿の文脈では、交通インフラ投資の便益が、地域経済全体の景気変動とどこまで相関するかという、実証的な問いに帰着する[6]。例えば、通勤需要に依存する都市鉄道への投資は、地域の雇用情勢・景気動向と正の相関を持つ市場リスクの要素を含みうるのに対し、生活必需的な性格の強い地方バス路線への投資は、より固有リスクに近い性質を持つと考えられる。この区別は、KK04で扱う個別事業のCBAにおいて、一律の社会的割引率を適用するだけでなく、事業の性質に応じてリスクプレミアムの扱いを調整すべきか否かという、実務上の判断に理論的な示唆を与える。

4.3 実物オプション理論との接続

Arrow-Lind定理が主として「リスクをどう負担すべきか」という静学的な問いを扱うのに対し、投資の意思決定を先送りする(あるいは早める)ことの価値を動学的に扱う理論として、実物オプション理論(real options theory)が、1980年代以降、Avinash DixitとRobert Pindyckらによって発展させられてきた[7]。この理論の核心は、交通インフラ投資のように、いったん実行すると事後的な撤回・転用が困難な「不可逆的(irreversible)」な投資については、需要の不確実性が将来解消される可能性がある限り、投資を直ちに実行するのではなく、追加的な情報が得られるまで意思決定を先送りする「待つことの価値(option value of waiting)」が存在するという点にある。この待つことの価値は、標準的なCBAの枠組み――ある時点での期待純便益が正であれば直ちに投資を実行すべきであるとする、いわば「今すぐ実行するか、しないか」の二者択一――では捉えられない、第三の選択肢(後で実行する)の価値を明示的に評価する枠組みを提供する。この視座は、KK07で扱う地方交通路線の存廃判断――需要動向が不確実な中で、路線を直ちに廃止すべきか、当面維持しながら動向を見極めるべきかという判断――において、特に重要な理論的示唆を持つ。もっとも、実物オプション理論の実務への本格的な適用は、KKシリーズの範囲を超える高度に技術的な内容を含むため、本稿ではその存在と基本的な考え方を指摘するにとどめる。

主要先行研究

本節で扱ったリスク・不確実性理論の主要文献を一覧すると、次の通りとなる。

領域 文献 要点
公共投資のリスク負担理論 Arrow and Lind (1970) リスク分散による社会的リスクプレミアムのゼロへの収束
Arrow-Lind定理への批判 現代ファイナンス理論(CAPM以降の一連の研究) 固有リスクと市場リスクの区別、市場リスクに対するリスクプレミアムの必要性
実物オプション理論 Dixit and Pindyck(1990年代の一連の研究) 不可逆的投資における意思決定先送りの価値

5. 多基準分析(MCA)

5.1 MCAの理論的基礎

本稿第2章で確認したCBAが、あらゆる便益・費用を単一の貨幣尺度に還元することを目指すのに対し、MCAは、複数の評価基準(効率性、公平性、環境影響、地域振興等)を、貨幣換算することなく並置したまま、何らかの集約手続き(加重和、階層分析法(AHP)、アウトランキング法等)を通じて統合し、代替案の優劣を判断する手法である。MCAの理論的な出発点は、CBAが依拠するKaldor-Hicks基準そのものへの批判、すなわち、(1)分配的な公正さを考慮しない、(2)非市場財・非貨幣的価値(生態系の価値、文化的価値、コミュニティの結束等)を無理に貨幣換算することの理論的・倫理的な妥当性に疑義がある、という二つの批判に求めることができる。

5.2 CBAとMCAの補完関係・使い分け論

MCAが交通分野の投資評価において具体的にどのように用いられてきたかを包括的に整理した文献が、Cathy MacharisとAnnalia Bernardiniが2015年に発表した論文「Reviewing the use of Multi-Criteria Decision Analysis for the evaluation of transport projects: Time for a multi-actor approach」である[8]。MacharisとBernardiniは、交通分野におけるMCAの適用事例を体系的にレビューし、MCAが特に、複数の利害関係者(行政機関、事業者、地域住民等)が異なる評価基準を重視する状況において有用であることを示した[8]。この研究はまた、単に複数の基準を分析者が統合するだけでなく、利害関係者自身の参加を組み込んだ「マルチアクター・マルチクライテリア分析(MAMCA)」という発展形の必要性を提唱している点でも重要である[8]。

実務的な観点からは、CBAとMCAは、しばしば対立する代替的な手法としてではなく、補完的な手法として併用されることが望ましいとされる。すなわち、CBAによって効率性の観点からの純便益を算出しつつ、MCAによって、CBAでは十分に捉えきれない公平性・環境影響・地域振興といった側面を並行して評価し、両者の結果を意思決定者に提示するという、いわば「二段階アプローチ」が、欧州連合をはじめとする多くの国・地域の実務的な評価ガイドラインで採用されてきた。この二段階アプローチのもとでは、CBAが算出する純便益は、あくまで複数ある評価基準のうちの一つ(効率性という基準)として位置づけられ、最終的な意思決定は、MCAが並置する他の基準とあわせた、より広い政治的・行政的な判断に委ねられることになる。

主要先行研究

本節で扱ったMCAの理論と実務の主要文献を一覧すると、次の通りとなる。

領域 文献 要点
交通分野におけるMCA適用の体系的レビュー Macharis and Bernardini (2015) MCA手法の類型化、多主体参加型MCA(MAMCA)の提唱
MAMCA手法論の展開 Macharis, De Witte, and Ampe(一連の研究) 利害関係者参加型の多基準分析手法の理論と実践

6. 既出フレームワークの理論的位置づけ

6.1 英国TAG Unit A4.1、HEAT、VPFのCBA上の位置づけ

既刊のPA/PAMシリーズが扱ってきた英国のTAG(Transport Analysis Guidance)体系は、本稿で確認したCBAの理論的基盤(Kaldor-Hicks基準、Little-Mirrleesのシャドウプライス理論)を、交通事業という具体的な文脈に適用した実務指針として位置づけることができる。TAG Unit A4.1が扱う社会的割引率の指針は、本稿3.3で確認した英国財務省『The Green Book』の一般原則――Ramsey方程式に基づく割引率算定、逓減型割引率の採用――を、交通事業の評価に特化させたものである。同様に、HEAT(Health Economic Assessment Tool、健康経済評価ツール)が扱う自転車・徒歩といった能動的移動の健康便益の貨幣換算、およびVPF(Value of Prevented Fatality、死亡回避価値)が扱う交通事故防止の便益の貨幣換算は、いずれも本稿2.1で確認したKaldor-Hicks基準――あらゆる便益を共通の貨幣尺度に還元するというCBAの基本理念――を、健康・安全という、一見貨幣換算になじみにくい領域にまで拡張して適用する試みとして理解することができる。

この拡張は、理論的には、KK01第2章2.3で確認した「効率性」基準のもとで、あらゆる社会的価値を単一の尺度で比較可能にしようとするCBAの野心を体現するものであるが、同時に、本稿第4章で確認したMCAの立場からの批判――生命・健康という価値を貨幣換算することの倫理的な妥当性への疑義――が、まさに当てはまりうる領域でもある。実際、VPFの算定手法(統計的生命価値、Value of Statistical Lifeの推計に基づく手法)をめぐっては、その方法論的な妥当性について、経済学界の内部でも一定の論争が存在してきた。この論争の存在自体が、本稿第1章1.1で確認したCBAとMCAの理論的な緊張関係――効率性基準の下で全てを貨幣換算しようとする立場と、一部の価値は貨幣換算になじまないとする立場との対立――が、交通分野の実務指針の中にも埋め込まれていることを示す好例である。

6.2 広域経済効果(WEI)の理論的正当化

既刊のPA/PAMシリーズが扱ってきた広域経済効果(Wider Economic Impacts、WEI)は、標準的なCBAが捉える直接的な時間短縮便益等(WEIのLevel 1に相当する部分)を超えて、集積の経済(agglomeration economies)を通じた生産性向上効果、労働市場への参入効果、不完全競争市場における産出量変化の効果といった、より広範な経済効果を評価に組み込もうとする試みである。この広域経済効果の理論的正当化は、KK01第2章2.3で確認した厚生経済学の第一基本定理の前提条件――完全競争、外部性の不在――が、現実の都市・労働市場においては必ずしも満たされないという認識に基づいている。すなわち、集積の経済は、KK01第2章2.2で確認した外部性理論の枠組みの中で、正の外部性の一形態として位置づけることができ、標準的なCBAが仮定する完全競争的な市場では捕捉されない、追加的な社会的便益が存在しうることを示唆する。

もっとも、WEIの推計については、KK02第1章1.3で確認したAschauer論争と同様の、因果推論上の困難が伴う。すなわち、ある交通インフラ整備とその後の地域の生産性向上との間に相関関係が観察されたとしても、それが真に交通インフラ整備によってもたらされた効果であるのか、それとも他の要因(元々成長性の高い地域に交通インフラが優先的に整備されるという逆の因果関係を含む)によるものであるかを、厳密に識別することには困難が伴う。この論点は、KK02第1章1.3で確認したKrugmanの新経済地理学モデルが提供する理論的な裏付けにもかかわらず、WEIの実務的な推計においては、なお慎重な検証が必要とされる領域であり続けている。

おわりに

本稿では、CBAの理論的基盤であるKaldor-Hicks基準、社会的割引率をめぐる論争(Ramseyの最適成長論からIPCC・英国財務省の実務指針にまで至る系譜)、投資評価におけるリスクと不確実性の理論(Arrow-Lind定理とその限界、実物オプション理論)、MCAの理論的基礎とCBAとの補完関係、そして既存のPA/PAMシリーズが扱ってきた英国の交通評価フレームワーク(TAG Unit A4.1、HEAT、VPF、WEI)を、本稿で確立した理論的枠組みの中に位置づけ直した。本稿全体を通じて確認できたのは、交通インフラの投資評価が、単一の理論的基準(効率性基準に基づくCBA)だけでは完結せず、リスク・不確実性の適切な扱い、および公平性・環境影響・地域振興といった、貨幣換算が困難な複数の価値を扱うMCAとの併用が理論的にも実務的にも必要とされているという点である。この必要性は、KK03第4章4.4で確認した交通インフラの複合的な性質――公共財・外部性・自然独占が同時に存在すること――の、投資評価論における直接的な帰結として理解することができる。

次回KK05では、本稿で確認した理論的基礎の上に、交通課税・ロードプライシングの理論、および受益者負担原則・貨物車両の道路損傷外部性論を扱う。

参考資料一覧

  1. Kaldor, N. (1939) “Welfare Propositions of Economics and Interpersonal Comparisons of Utility,” Economic Journal 49(195): 549-552;Hicks, J.R. (1939) “The Foundations of Welfare Economics,” Economic Journal 49(196): 696-712
  2. Little, I.M.D. and Mirrlees, J.A. (1974) “Project Appraisal and Planning for Developing Countries,” Heinemann(Little and Mirrlees (1990) “Project Appraisal and Planning Twenty Years On”による回顧的整理を含む)
  3. Ramsey, F.P. (1928) “A Mathematical Theory of Saving,” Economic Journal 38: 543-559
  4. Arrow, K.J., Cline, W.R., Mäler, K-G., Munasinghe, M., Squitieri, R., and Stiglitz, J.E. (1996) “Intertemporal Equity, Discounting, and Economic Efficiency,” in Climate Change 1995: Economic and Social Dimensions of Climate Change, IPCC Second Assessment Report, Cambridge University Press(逓減型割引率についてのArrow et al.の後続研究(2012-2014)への言及を含む)
  5. Arrow, K.J. and Lind, R.C. (1970) “Uncertainty and the Evaluation of Public Investment Decisions,” American Economic Review 60(3): 364-378
  6. 現代ファイナンス理論による固有リスク・市場リスクの区別についての学術的解説(資本資産価格モデル(CAPM)の展開を含む。Arrow-Lind定理の限界についての批判的検討として、Baumstark, L.「The relevance and the limits of the Arrow-Lind Theorem」等を参照)
  7. Dixit, A.K. and Pindyck, R.S. (1994) “Investment under Uncertainty,” Princeton University Press(実物オプション理論の体系的整理として広く参照される文献)
  8. Macharis, C. and Bernardini, A. (2015) “Reviewing the Use of Multi-Criteria Decision Analysis for the Evaluation of Transport Projects: Time for a Multi-Actor Approach,” Transport Policy 37: 177-186

年表

用語集

Claude ログ

タイトル案(3案)
交通公共経済学 ― 投資評価の理論(費用便益分析・多基準分析と社会的割引率)(本編採用タイトル)
なぜ交通インフラの投資判断にはCBAとMCAの両方が必要なのか
Kaldor-HicksからRamsey方程式まで ― 交通投資評価の理論的系譜

KK04の執筆に入る。目標文字数は約30,000字。まず必要な先行研究を収集する。Excellent. Now let me get Arrow et al. 1996 discounting panel and value of statistical life (VSL/VPF).Good coverage. Now let me get MCA transport literature (Macharis-Bernardini) and value of statistical life/HEAT quickly.Given the remaining turn budget, let me finalize the file now and present it, being transparent about progress as before.引用整合性は確保されている(5件、過不足なし)。現状のファイルを出力する。KK04「投資評価の理論」を配置した。現状をお伝えする。

完成度: 本文約12,850字(目標30,000字の約43%)。引用整合性(5件、過不足なし)は確保済み。

内容面で完成している要素:

KK01〜KK03と同様、今回も文字数見積もりの誤差により目標に届いていない。KK01〜KK03について拡充をご希望であれば、その旨と合わせてお知らせください。現状のペースだと毎回同様の不足が生じているため、今後は「目標文字数に対しては現状のような分量になりやすい」という前提で進めるか、各回ごとに追加の拡充ターンを設けるか、方針を確認させていただきたい。