日本の大都会以外では「車が無いと暮らせない」「車以外の移動は考えられない」は当たり前に聞く話です。さて、昔は車が無くても暮らせましたが、なぜ・どのようにしてこうなったのでしょうか?知らず知らずに、自動車を運転しない人には住みづらい地域になっていく「自動車依存」社会がどんどん広まって行ったのでした。では、自動車依存から自由になるには?それがカーフリー運動なのです。

音声概要をお聴きいただけます

Wikipedia記事を学習して生成した音声概要(ラジオ番組風解説)をこちらからお聴きいただけます。(Wikimedia Commons)

Wikipediaの記事

カーフリー運動の記事は英語をはじめ欧州各国語版やアラビア語・中国語など12カ国版がありました。今回日本語版が翻訳作成されました。関連するイベントカーフリーデーは30言語あり日本語版もありますが、英語版に比べ内容が少なくなっています。日本独自のノーカーデーの記事もあります。

また、カーフリー運動の理解には、動機となった自動車の外部性自動車依存の記事、都市計画についてはスマートグロースが参考になります。それぞれ音声概要が冒頭にありますので、聴くだけで理解しやすくなっています。

自動車依存はなぜ起きる?

自動車はいつでもどこへでも移動できる便利な乗り物です。個人にとっては便利なのですが、社会全体から見るとちょっと困ったことが起きます。その一つが「密度」。自動車が増えると道路が広くなり、駐車場が沢山必要になり、自動車のための土地が増えて街がスカスカになっていき、街が薄く広く拡がり、歩いて目的地に行けなくなってしまい、ますます自動車に依存してしまうです。この密度の違いは下の図が上手に示してくれています。

3.5m幅の車線 1時間あたり輸送量の比較

Passenger Capacity of different Transport Modes.png
Transformative Urban Mobility Initiative (TUMI)投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

自動車依存から自由になる都市設計

自動車依存から抜け出すには自動車を使わなければ良いのですが、これがなかなか大変です。なので自動車を使わない前提で街を作る動きもあります。自動車王国の米国ポートランドでもスマートグロースの考えで公共交通を充実させ、職住接近でコンパクトな街を作り、全米一住みやすい街の評価されています。EU議会があるフランスのストラスブールは公共交通を充実させ、街の中心街を歩行者中心にする施策を取りました。行ってみるとわかるのですが、自動車の騒音や排気ガスが無い、歩行者が行き交う活気ある街になっています。「街は自動車のためでなく、人間のためにある」とウォーカブルな広場など歩行者空間が姫路駅前、東京駅丸の内口など、日本国内でも見かけられるようになってきました。ニューヨークのタイムズスクエアやパリも大規模に歩行者空間・自転車空間が広がり賑わいが増しています。

自動車依存から自由になる運動

とはいえ、人間は自分の目で見たり経験しないと納得しません。そこで一日限り、道路を歩行者空間にして、体験してもらおうというカーフリーデー運動が全世界に広がりました。日本国内でも各地で開催されています。現在はこれが移動を考えるモビリティウィークに発展しています。もっとも、日本では昭和の時代から「歩行者天国」が昭和の時代から各地で行われています。車道を自由に歩く開放感、あれこそがカーフリーの実感ではないでしょうか?