乗り物ニュースに執筆記事が掲載されました。
欧米・中国が鉄道インフラに投資して効率を高めているのに対し、日本はここ30年間投資がされず発展していません。貨物列車の長さから見える日本の課題を示しています。
Yahoo!コメント考察
いつもは裏テーマを匂わす程度にしているのですが、今回はストレートに現状の課題を文末に書いてみました。
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世界各国が莫大な投資で長い貨物列車を港から内陸に直通させ、輸送効率と国際競争力を上げているなか、日本は民間企業のJRに任せきりで国による鉄道インフラ投資がほぼなされていません。むしろ鉄道貨物の輸送力は徐々に減らされています。
日本だけ鉄道貨物が減少し、人手不足に陥り、港湾の国際競争力を落とし、物流は立ち遅れています。30年間変わらない貨物列車の長さがこれを示しています。
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コメントを159件いただきましたが、鋭い指摘・納得感あるものなどもあり、嬉しくなりました。
嬉しいコメント
1)過去の記事も踏まえて書かれたコメントが出てきた
過去の記事で触れた国際基幹航路が日本の港に寄港しなくなりつつあること、鉄道の冗長性が無いことなどにも触れられたコメントがあったのは嬉しかったです。読んで覚えてくださる人がいるのだと思うと、手応えを感じます。
2)インフラ投資の課題という指摘
XXが悪いと批判意見が多い中、インフラ投資への考え方を修正すべきという核心を突いたコメントがありました。理解されている方がいるとわかると嬉しく思います。
3)方法論ではなく、捉え方の課題という指摘
ここも大事で、対症療法のように症状を緩和するだけの策をあれこれ評価するのではなく、問題の捉え方、原因の掘り下げなどに向かう方がいて、これも嬉しい事です。
騒がしい方が目につきやすいですが、今回はしっかりと理解いただいている方も声を挙げていただけたのが嬉しかったところです。
批判的コメント
予想はしていましたが、以下のような批判もありました。記事の中で対策もとってはいたのですが、やはりこの認識が強いのだなと思えました。
1)日本は島国、海外は大陸だから
字数の関係で英国・NZ・インドネシアの例まで挙げられなかったのでやはり来ました。「島国は沿岸航路、大陸は鉄道」という認識は強いなと思えました。前回の記事で欧州の内陸水運にも触れていますし、米国の沿岸航路は鉄道に負けて撤退しているなど、反証はいくつかあります。意外性もあるのですが、これだけでは記事は成立しづらいので何かにひっかけて書ければ面白いかもしれません。
2)「現状ではできない」
各国が設備投資をして改善をしている事を並べて、日本は設備投資をしていないという比較をしたのですが、やはり出ました。ただ、数は他に比べて減っているように感じます。事情通を自慢されたいのかもしれません。反証を用意するチェックリスト作りに利用できるので有難く思っています。
3)「海外と事情が違う」論
これも予想はしていました。事例は手法を猿真似しても意味がなく、課題の捉え方と解決へ向かう考え方を学ぶことが大事なのですが、日本はこの分野の教育が弱いと思えます。わかりやすく事例を出せば事情が違うと言われ、ロジックを説明すれば抽象的と言われるので、永遠のテーマです。特に海外事例を出すとこれが出るのですが、国内に良いお手本が無い現状では「来るぞ」と覚悟して進めるしかないでしょう。今回は「日本とは事情が違うからできる」と書き、「わかってるよ」と示したので、数は減ったように思えます。
乗り物好きな方をフックするために「世界一長い貨物列車」をネタにして、最後はインフラ投資の課題に気付いていただくという捻った策を取ったのは申し訳ないと思います。私の様な無名ライターは、こうして多くの方に読んでいただけないと記事が成立しないのです。その上で、結論を理解いただける方が数%でも出てくれれば母数が多いだけに理解者が増える・・・・となると良いなと思っています。
読者の皆様に励まされ、学ばせていただいています。玉石混合ではありますが、それぞれのコメントから学びがあって有難いです。
以下、興味を惹いたコメント抜粋
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日本は国土が細長く海に囲まれているので内陸部でも港から車で数日も掛かるような場所は無いが、大陸だと貨物列車は『陸の航路』として内陸部⇔港湾の大量輸送手段として無くてはならない存在。
国土の形状等でトラック輸送に代替することが難しいからこそ国として貨物列車の設備に投資する。
高速道路さえ敷いてしまえばトラック輸送で事足りてしまっていた日本が貨物列車に投資してこなかったのは地形的な要因も大きい。
ドライバー不足等の問題で貨物列車が見直されるようになったが、退避設備やレールの等級等の問題で実際に長大貨物列車が走れる区間は決まっているが、日本が積極的に貨物列車用の設備強化をやるかと言われればその可能性は低い。
何より新幹線やリニア高速道路建設と違って選挙の争点になりにくいから政治家がやる気にならない。
-=≡tan≡=-
でも港直結鉄道はやはり求められる
鉄道貨物が求められるのは本来内陸になる、所謂「海無県」だったり、盛岡や郡山、帯広といった内陸都市
あとは関西や関東から日本海側のような、ショートカット効果が期待できる場所
一番の理想を言えば、『新潟港を20000TEU船が発着でき、港で直接26両編成にコンテナを載せ、そのまま東京や大阪に向かう』だろうなぁと
が、問題は本文にもある通り編成長を伸ばすのに向いてない地形と、新潟港を始めとした「国際航路に適した港の整備」が全然進んでいない点
tor********
国として、今後の日本をどうしたいかというビジョンをを持つ政治家もいない
防衛と言えば、アメリカから武器を購入することがメイン
それも重要だろうが、本来なら、国内の安定的な物資輸送網の維持整備や、外国資本による土地取得制限及び監視、食糧の自給率アップなどが必要なはずなのに、どうも腰が重い
まるで真綿で首を絞めるようなことしかしていない
man********
元々日本の鉄道は、戦前から戦後しばらくは、旅客輸送よりも貨物輸送の方が多かった。そのため東京や大阪等では、貨物の専用線や短絡線等が施設されていた。また、各港湾には臨港線も多数あった。
鉄道貨物の増強のためには、港と貨物線の直結が不可欠である。コンテナ船から直接貨物列車に載せる事ができれば鉄道貨物輸送の優位性が増進する。
また、各所での待避線や短絡線も必要だ。これらはJR貨物だけの力ではできない。国の施策として強力に進める必要がある。また、軸重の重い貨物列車の線路への負担につき各鉄道会社への線路保守費用の考慮も必要だ。
更に災害の多い日本である。バイパス経路の強化も必須だ。例えば、今廃止が問題になっている函館線の山線も室蘭線のバイパスとして残すべきだ。洞爺辺りの有珠山など爆発がいつ起こっても不思議ではない。
hir********
日本のコンテナも、国際規格に変えていくべきです。まずは国際規格コンテナ列車を作れば徐々にに替わっていくでしょう。
日本人は応用力ご高いから決めれば必ずやり遂げます。
国として積極的に取り組みましょう!
vrt********
神戸の人口減が話題になってるけど、物流拠点として釜山、中国に敗北したのが大きな原因なんだよね
日本は機械化、自動化をせずに努力と根性で仕事をするから非効率なことでも改善しない
海外では鉄道によるコンテナ輸送が当たり前になってるのに、日本では制約が多すぎるて海上コンテナをそのまま鉄道では運べない。
だからコンテナの荷物をわざわざ詰め替えをしないといけないんだよね。
中国は一帯一路政策で途上国の港湾整備を進めてるけど、この政策が軌道に乗れば輸送コストの差はさらに拡大する。
最近だと大型コンテナ船が日本を避ける傾向が出てきてるらしいけど、そうなったら日本経済はさらに大きな打撃を受けるんだよね
jbg********
日本の貨物列車は、最近やっと現れた低床貨車を除いて、殆どが海上コンテナをそのまま積むことができない。
そのため港で荷物を鉄道コンテナに積み替える事になるが、であればトラックに積み替えれば良いので鉄道貨物の出番は無い。
鉄道路線が津々浦々まで張り巡らされていた全盛期と比べても、海外との取引は桁違いに増えており、海上コンテナの利用数も桁違いに増えている。
本当であれば全国の臨港鉄道は海上コンテナの増加に伴い延長や増線を行わなければならないはずだが、実際は殆どが廃止の憂き目に遭っている。
低床貨車の投入の契機が物流2024問題(人手不足)というから何とも呑気だ。本来なら国鉄分割民営化の頃に気付いておくべき話だと思う。
低床貨車の導入の遅れ、臨港線の相次ぐ廃止、デルタ線の相次ぐ廃止と日本は鉄道貨物に優しくない、
まるで、鉄道貨物の可能性に初めから期待してないように見える。
kih********
問題は線路を所有しているJR旅客6社の対応です。
旅客会社としては、昭和時代に作られた路線を維持する以外に、自社経営に関わらない余計な設備投資はやっていません。
昭和時代に作られた路線で、特にトンネルが海上コンテナの通過できない場所が多過ぎるんです。
JR化したあと、国が鉄道に投資しないのも問題なんですが、トラックが安いしなんとかなるでしょうと言う民間の考えが今になってツケが回ってきているだけです。
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鉄道貨物だけでなく港整備も出遅れていて、国の戦略が希薄なのも原因
国際貨物コンテナ船は大型化で東京湾などでは運用制限がある。
喫水制限で入れる港もごくわずか。
最近呉あたりの造船所から就航したONEの大型貨物船も日本路線には就航しない。
最近は上海や釜山を出た船は日本を素通りして北米に向かう船も多い。
ヨーロッパで鉄道貨物が堅調なのは海運に比べて大幅に時間短縮できるから、ほとんど路線ROROと競合する日本と比べても無意味なのに
やるなら八戸港を拡張し国際標準コンテナを鉄道貨物で運ぶ体制を作る等
現状に対する打開策にしないと
ただの希望的願望
すべては国際ハブ港の戦略どころか国内の物流政策さえ満足
にビジョンを示せなかった政策の貧困さに起因する。
モータリゼーションが進めば民間のトラック任せ。運送業界
の2024問題となれば口だけのモーダルシフトでこれも企業
任せ。そりゃあ、国家主導で長年たゆまず投資してきた国と
の差がつくのは当然の帰結。製造業で世界の上位に入ってい
ることに安住しきってしまっていたが、製造した先の物流を
含めたグランドデザインを描くことが欠落していた。
記事から分かることは、鉄道貨物輸送それ自体がオワコンな
のではなく、常に投資し時代に合った輸送形態に最適化でき
ずに陳腐化し役立たずにしてしまった物流政策の失敗である。
ytk********
欧米やアフリカでは、国策として貨物鉄道の地上施設として改良していたのに、日本の場合は地上施設と改良以前に、国際規格の40ftコンテナー積載貨物列車がトンネルや線路をまたぐ高架橋のクリアランスなど建築限界にかかり通れない区間が多数存在する。JR貨物の走る区間をすべて国際規格40ftコンテナーの積載貨物列車を通れるように改良し、港のコンテナーターミナルに貨物線を直通する必要があるのでは。
sup********
方法はともかくとして、筆者は貨物列車の輸送力増強を国策として全くやってきていない、と言っていると捉えればいいのではないですかね。
kiy********
羽越本線とか上越線在来線は旅客輸送量は少ないが貨物輸送量は多い。
しかしJR貨物は設備負担に応じた施設使用料を払わないからJR東日本は設備更新する意欲がない。
国で支援しなければ貨物輸送は維持できない。
分かりやすい例が函館本線の長万部?新函館北斗で、JR北海道が撤収して地元自治体が三セクで引き受けなければJR貨物は維持できなくなる。
それだけのコストがかかっているのにJR貨物は負担していないと言うことだ。
nag********
荷主「鉄道!?ダメダメ、あてにならないよ!雨とか人身事故があるとすぐ遅れるでしょ、トラックならそんな事無いし小回りが効くし、いちいち積み替えなんかしないでそのまま倉庫に乗り付け出来るしこっちからしたら鉄道はデメリットしかないよ!」
多分こんな感じで渋ってる荷主が多いから増やせないんじゃないかなぁ
モーダルシフトが進まないのは、長距離トラック輸送費が安過ぎるからと思っている。運転手に安全な環境と適正な運賃を払っているのか。
貨物列車の長さの解決よりもアボイダブルコストルールを解決しなければ日本の鉄道貨物は無くなってしまう。 アボイダブルコストルールの更新期限が2026年いっぱいで切れるのにJR貨物は何も対策を考えてない。 また今まで通り更新出来るだろうとあぐらをかいている。JR北海道は更新したくない(赤字で更新出来ない)
日本はモーダルシフトだなんだって言っていながら専用線や取扱駅が減ったりしてる。結局、国全体の効率なんて誰も考えていない。
日本の交通政策は、基幹幹線鉄道網ですら公共インフラと考えてません。
一言で言うと異常な国ですね。
トラック運転手がどんどん減って行く今後、貨物列車への見直しは必要かも知れませんが、港の周囲に鉄道の用地確保は難しいのでは。
そのくらい本気で投資しないと諸外国に競争で負けますよってことです。
トラックでちまちま運んでるようじゃダメなんだよ。